外国の大臣、中央銀行の役員、そしてその家族—— 重要な公的地位にある人(外国PEPs)との取引は、汚職などのリスクが高いとされ、 通常よりも厳しい確認が必要になります。「誰が対象か」「どう見分けるか」を、 一問一答で整理しましょう。
- 外国PEPs(重要な公的地位にある者)=外国の元首、外国で大臣・副大臣/議長・副議長/最高裁裁判官/大使/統合幕僚長など高位の職に相当する者、中央銀行の役員、予算について国会の議決を経る法人の役員。過去にこれらだった者や、その家族、これらが実質的支配者である法人も含まれる。
- 家族の範囲は、配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)・父母・子・兄弟姉妹・配偶者の父母および子。近い間柄にある者(側近・友人など)は含まれない。国連・IMF・FATF・OECDなど国際機関の職員も含まれない。
- 未承認国家の元首なども外国PEPsに当たる(「外国」=本邦の域外にある国または地域)。
- 日本に外国PEPsリストはなく、該当性は商業用データベースの活用・インターネット等の公刊情報の活用・顧客への申告依頼などで確認する。日本人が外国PEPsであることもあるため、日本人でも確認の対象。
- 外国PEPsとの特定取引はハイリスク取引。直ちに謝絶する必要はなく事後的な確認も可だが、該当時は資産・収入の状況の確認や上級管理職の承認など、より厳格な顧客管理(EDD:エンハンスト・デュー・ディリジェンス)が求められる。
外国PEPs(Politically Exposed Persons=重要な公的地位にある者)とは、その地位や権限を悪用して汚職などに関わるリスクが高いと考えられる人たちのことです。犯罪収益移転防止法では、次のような人が外国PEPsと定められています。
外国PEPsに当たる人(犯罪収益移転防止法施行令12条3項ほか)
- 外国の元首
- 外国で、日本の大臣・副大臣/衆参の議長・副議長/最高裁裁判官/大使など/統合幕僚長など/中央銀行の役員/予算について国会の議決を経る法人の役員——に相当する職にある者
- 過去に上の職にあった者(退任していても対象)
- これらの者の家族…配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)・父母・子・兄弟姉妹・配偶者の父母および子
- これらの者が実質的支配者である法人(=自然人だけでなく法人も対象)
外国PEPsかどうかは、どう確認すればよいのでしょうか。日本には外国PEPsの公式リストはありません。次のような方法で確認し、該当する場合は通常より厳しい確認(EDD)を行います。
外国PEPsの確認と取引のポイント
- 確認方法…商業用データベースの活用/インターネット等の公刊情報の活用/顧客への申告依頼など(日本に外国PEPsリストはない)
- 日本人も対象…日本人が外国PEPsであることもあるため、顧客が日本人でも確認の対象とする
- 取引のタイミング…外国PEPsとの取引は直ちに謝絶するものではなく、事後的にデータベース等で確認し、該当時に追加の確認を行うことも認められる
- ハイリスク取引…外国PEPsとの特定取引は厳格な取引時確認(EDD)の対象。200万円を超える財産の移転を伴う取引では資産・収入の状況の確認が必要で、上級管理職の承認なども求められる
📋 早わかり:外国PEPsって結局どんな人?
- 当たる…外国の元首/大臣・大使・議長・最高裁裁判官・中央銀行の役員などの要職にある人/過去にその職にあった人/これらの家族(配偶者・子など)/これらの人が実質的に支配する法人
- 当たらない…国連・IMF・FATF・OECDなどの国際機関の職員/本人と親しいだけの友人・側近
- 覚え方①…日本人でも当たることがある(たとえば、外国の元首だった人の配偶者やお子さんなど)
- 覚え方②…日本の総理大臣・日本銀行総裁・国会議長などは「外国」ではないので対象外
- 覚え方③…外国PEPsに当たっても、取引をお断りするわけではない(通常より手厚く確認するだけ)
〇か✖をタップ!
正解の場合 ➔ 青で表示されます
不正解の場合 ➔ 赤で表示されます
問題 1 / 16
外国PEPsには、重要な公的地位にある自然人本人だけでなく、その者が実質的支配者となっている法人も含まれる。
外国PEPsの範囲には、外国の元首やこれに準じる者などの本人・家族に加えて、これらの者が実質的支配者である法人も含まれます。対象は自然人に限られません。
問題 2 / 16
外国PEPsの「家族」には、本人の配偶者・父母・子・兄弟姉妹のほか、配偶者の父母および子も含まれる。
家族の範囲は、配偶者(婚姻の届出はないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母、子、兄弟姉妹、そして配偶者の父母および子とされています。
問題 3 / 16
外国PEPsの対象には、本人の家族のほか、本人と個人的に近い間柄にある側近や友人も含まれる。
家族として定められた範囲に、本人と近い間柄にあるだけの側近や友人は含まれていません。対象は法令で定められた家族に限られます。
問題 4 / 16
国連やIMF、FATF、OECDなどの国際機関の役員や職員も、外国PEPsに含まれる。
外国PEPsの対象に、国連などの国際機関やその職員は含まれていません。対象となるのは外国の政府等における高位の職などです。
問題 5 / 16
日本が国家として承認していない、いわゆる未承認国家の元首は、外国PEPsの対象から外れる。
「外国」は本邦の域外にある国または地域を指し、未承認国家もこれに当たるため、その元首なども外国PEPsとして扱うことになります。
問題 6 / 16
外国の中央銀行の役員に相当する職にある者は、外国PEPsに該当する。
外国で中央銀行の役員に相当する職にある者は、法令が列挙する外国PEPsの対象に含まれています。
問題 7 / 16
現在はその職を退いていても、かつて外国の元首や大臣に相当する職にあった者は、外国PEPsに該当する。
過去に元首や大臣に相当する職などにあった者も外国PEPsの対象とされており、退任していることは対象から外れる理由になりません。
問題 8 / 16
外国PEPsに当たるかどうかは元首や大臣に相当する職で判断され、統合幕僚長のような軍の高位の職に相当する者は含まれない。
外国で統合幕僚長・陸上幕僚長などに相当する職にある者も、法令が列挙する外国PEPsの対象に含まれています。
問題 9 / 16
顧客が外国PEPsに該当するかどうかは、日本が作成・公表している外国PEPsリストと照合して確認する。
日本では外国PEPsのリストの作成・公表は予定されていません。該当性はデータベースや公刊情報の活用、顧客への申告依頼などで確認します。
問題 10 / 16
外国PEPsに該当するかどうかの確認方法としては、商業用データベースの活用、インターネット等の公刊情報の活用、顧客への申告依頼などがある。
リストがない代わりに、商業用データベースや公刊情報を使う方法、顧客等に申告を求める方法などによって確認することが考えられます。
問題 11 / 16
外国PEPsとの取引は、直ちに取引を断る必要はなく、事後的にデータベース等で確認し、該当した場合に追加の確認を行うことも認められる。
外国PEPsとの取引はただちに謝絶につながるものではなく、必ずしも取引成立前の確認が求められるわけではありません。事後にデータベース等で確認し、該当時に追加確認を行うことも認められます。
問題 12 / 16
外国PEPsは外国人を対象とするものであるため、顧客が日本人であれば、外国PEPsに該当するかどうかを確認する必要はない。
日本人が外国PEPsに該当する可能性もあるため、顧客が日本人であっても確認の対象とすべきものとされています。
問題 13 / 16
予算について国会の議決を経る、または承認を受けなければならない法人の役員に相当する外国の職にあった者は、その任を終えた後も外国PEPsに該当する。
この類型の職にある者は外国PEPsに含まれ、過去に当該職にあった者も対象とされているため、任を終えた後も外国PEPsに当たります。
問題 14 / 16
外国PEPsとの特定取引はハイリスク取引に当たり、200万円を超える財産の移転を伴う場合には、資産および収入の状況を確認する必要がある。
外国PEPs等との特定取引は厳格な取引時確認を要するハイリスク取引に位置づけられ、200万円を超える財産の移転を伴う取引では、資産および収入の状況の確認が求められます。
問題 15 / 16
外国PEPsに該当する顧客との厳格な取引(EDD)では、取引の実施について現場の担当者の判断で足り、上級管理職の承認を得る必要はない。
厳格な顧客管理では、当該顧客との取引の実施等について上級管理職の承認を得ることが求められます。担当者限りで判断してよいわけではありません。
問題 16 / 16
外国PEPsに該当する顧客であっても、いったん厳格な顧客管理(EDD)を実施すれば、その後の取引モニタリングの敷居値を通常より緩やかに設定してよい。
厳格な顧客管理では、リスクに応じて取引モニタリングの敷居値を厳格化したり調査頻度を増やしたりすることが求められます。敷居値を通常より緩めることは想定されていません。

第6章 顧客管理
外国PEPsの顧客管理
外国PEPsの顧客管理
問正解 / 16問中
結果はスクリーンショットで保存してくださいね 📸
第6章⑤まとめ:外国PEPsの顧客管理
- 外国PEPsの中身=①外国の元首②大臣・議長・最高裁裁判官・大使・統合幕僚長・中央銀行の役員・予算について国会の議決を経る法人の役員などに相当する外国の職③過去に①②だった者④①〜③の家族⑤①〜④が実質的支配者である法人。自然人だけでなく法人も対象。
- 家族=配偶者(事実婚を含む)・父母・子・兄弟姉妹・配偶者の父母および子。近い間柄にある者は含まれない。国連・IMF・FATF・OECD等の国際機関の職員も含まれない。未承認国家の元首なども対象。
- 確認方法=日本に外国PEPsリストはなく、商業用データベース・インターネット等の公刊情報・顧客への申告依頼などで確認。日本人でも該当しうるので確認の対象とする。
- 外国PEPsとの特定取引はハイリスク取引。直ちに謝絶する必要はなく事後の確認も可能だが、200万円を超える財産の移転を伴う取引では資産・収入の状況の確認が必要。
- 厳格な顧客管理(EDD)=資産・収入・資金源などの追加情報の入手、上級管理職の承認、モニタリングの敷居値の厳格化など。退任後も外国PEPsに当たる点にも注意。
【頻出ひっかけ】 ・外国PEPsと「近い間柄の側近・友人」も家族に含まれる → ✕(家族の範囲は限定・近い間柄は含まない) ・国連・IMF・FATFなど国際機関の職員も外国PEPs → ✕(国際機関は含まれない) ・日本に外国PEPsリストがあり照合で確認する → ✕(リストはなく、データベース等で確認) ・顧客が日本人なら確認不要 → ✕(日本人でも外国PEPsの可能性あり) 試験、頑張ってください‼
📎 公式情報・出典(別タブで開きます)
スポンサーリンク
試験対策には公式問題集が最適です。試験の傾向をつかむのに役立ちます。

🛒 2026年度版 AML/CFTスタンダードコース試験問題集(楽天)
📦 Amazonで購入する方はこちら
2026年度版 AML/CFTスタンダード問題集(Amazon)
AML/CFT資格攻略道場