会社との取引、そして「前にも確認したお客さま」との取引—— 法人の本人確認は、代表者や取引担当者の権限まで見ます。 一度確認した顧客なら、どこまで省けるのか。 法人取引と取引時確認済み顧客のルールを、一問一答で整理しましょう。
- 法人の取引時確認事項=本人特定事項(名称・所在地)は書類で確認するが、取引を行う目的は申告でよい。実質的支配者や取引担当者(代表者等)の確認も必要。
- 対面の法人の本人特定事項は、提示日前6ヵ月以内に作成された登記事項証明書・印鑑登録証明書等で確認(1年以内ではない)。非対面は、法人の本人確認書類と取引担当者(代表者等)の本人確認書類の送付+本店等所在地宛の転送不要郵便で確認する方法がある。
- 取引担当者(代表者等)の確認は、2014年改正で社員証の提示は不可に。認められるのは委任状の保有/代表権を有する役員としての登記/電話等/法人との関係をよく知っていて、法人のために取引の任に当たっていることが明らかな場合。
- 取引時確認済みの顧客でも、その取引が特定取引でなければ取引時確認は不要。特定取引かつ厳格な取引時確認を要する取引なら厳格な確認が必要。
- 取引時確認済顧客に行う確認方法(確認記録の顧客と同じ人かを確かめる方法)=預貯金通帳等の提示・送付/顧客しか知りえない事項の申告/面識がある場合等。この方法をとらないときは通常の取引時確認を行う。確認記録に検索事項・取引日付・取引種類を追加し7年間保存する。
会社(法人)との取引では、会社そのものの確認に加えて、実際に窓口に来る取引担当者(代表者等)の権限まで確認します。ポイントは「目的は申告でよい」「証明書は提示日前6ヵ月以内に作成されたもの」「社員証はもう使えない」の3つです。
法人の取引時確認のルール
- 確認事項…本人特定事項(名称・本店等の所在地)は書類で確認。取引を行う目的は申告でよい。実質的支配者・取引担当者(代表者等)の確認も必要
- 対面の本人特定事項…提示日前6ヵ月以内に作成された登記事項証明書・印鑑登録証明書等で確認(1年以内ではない)
- 非対面の本人特定事項…法人の本人確認書類と、取引担当者(代表者等)の本人確認書類の送付を受け、本店等所在地宛に取引文書を転送不要郵便で送り、到達を確認する方法がある
- 取引担当者の確認…2014年改正で社員証の提示は不可。認められるのは、委任状の保有/代表権を有する役員としての登記/電話をかける等/法人との関係をよく知っていて、法人のために取引の任に当たっていることが明らかな場合
一度取引時確認をした顧客との取引では、毎回同じ確認を繰り返すわけではありません。ただし「省ける/省けない」の線引きがあります。まずその取引が特定取引か、次に厳格な取引時確認が要るかで決まります。
取引時確認済みの顧客との取引
- 特定取引でなければ不要…その取引が特定取引に当たらないなら、取引時確認は行わなくてよい
- 特定取引かつ厳格…厳格な取引時確認を要する取引なら、確認済顧客に行う確認方法では足りず厳格な確認が必要
- 確認済顧客に行う確認方法…特定取引だが厳格でない場合は、確認記録の顧客と同じ人かを①預貯金通帳等の提示・送付/②顧客しか知りえない事項(暗証番号等)の申告/③面識がある場合等で確かめればよい。この方法をとらないときは、通常の取引時確認を行う
- 記録の追加と保存…確認記録に「口座番号等の検索事項」「取引の日付」「取引の種類」を追加し、7年間保存する
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問題 1 / 16
法人の取引時確認では、名称・所在地・取引を行う目的・事業内容のすべてを書面で確認しなければならない。
法人について、本人特定事項(名称・所在地)は書類で確認しますが、「取引を行う目的」は申告によって確認することが認められています(犯罪収益移転防止法4条1項2号、同法施行規則9条)。
問題 2 / 16
法人との取引において、取引を行う目的は、書面ではなく申告によって確認することが認められている。
法人の取引時確認事項のうち、取引を行う目的は申告によって確認してよいとされています。
問題 3 / 16
対面取引で法人の本人特定事項を確認する際に提示を受ける登記事項証明書や印鑑登録証明書は、提示日前1年以内に作成されたものであればよい。
対面取引で提示を受ける登記事項証明書や印鑑登録証明書は、提示を受ける日前6ヵ月以内に作成されたものでなければなりません(犯罪収益移転防止法施行規則10条)。
問題 4 / 16
法人の本人特定事項として確認するのは、名称と、本店または主たる事務所の所在地である。
法人については、名称および本店または主たる事務所の所在地を本人特定事項として確認します。
問題 5 / 16
非対面で法人の本人特定事項を確認する方法として、法人の本人確認書類と取引担当者(代表者等)の本人確認書類の送付を受けたうえで、記載された本店等の所在地宛に取引文書を書留郵便等で転送不要郵便物として送り、到達を確認する方法がある。
非対面取引では、法人と取引担当者(代表者等)それぞれの本人確認書類の送付を受け、本店等の所在地宛に転送不要郵便で取引文書を送って到達を確認する方法が認められています(犯罪収益移転防止法施行規則6条1項3号ニ)。
問題 6 / 16
法人の取引の担当者について、その会社が発行した社員証(身分証明書)を提示してもらう方法で、取引の権限を確認することが認められている。
2014年の犯罪収益移転防止法等の改正により、社員証等の提示による取引担当者の確認は認められなくなりました。
問題 7 / 16
法人の取引担当者(代表者等)が取引の任に当たっていることの確認方法として、当該法人が作成した委任状を有していることの確認が認められている。
取引担当者の確認方法としては、法人が作成した委任状を有していることの確認などが認められています(犯罪収益移転防止法施行規則12条5項)。
問題 8 / 16
法人の取引担当者(代表者等)の確認方法として、法人の役員として登記されていれば、代表権限の有無にかかわらず認められる。
登記による確認は「法人を代表する権限を有する役員として登記されていること」に限られます。単に役員として登記されているだけでは足りません。
問題 9 / 16
取引時確認を行ったことのある顧客との取引が、特定取引に該当せず厳格な取引時確認にも当たらない場合は、通常の取引時確認を行う必要がある。
取引時確認済みの顧客に限らず、特定取引に当たらない取引なら、取引時確認は要りません。
問題 10 / 16
取引時確認済みの顧客であっても、その取引が特定取引に当たり、しかも厳格な取引時確認が求められる取引でもあるときは、厳格な取引時確認を行う。
特定取引かつ厳格な取引時確認を要する取引に当たる場合は、厳格な取引時確認を行います。
問題 11 / 16
取引時確認済みの顧客との特定取引で、厳格な取引時確認を要しないなら、確認済みの顧客向けの確認方法をとっていれば、取引時確認は済んだことになる。
特定取引だが厳格な取引時確認を要しない取引では、取引時確認済顧客に行う確認方法を行っていれば確認は完了します。
問題 12 / 16
取引時確認済顧客に行う確認方法を行いさえすれば、その取引が厳格な取引時確認を要する取引であっても、取引時確認は完了する。
厳格な取引時確認を要する取引では、取引時確認済顧客に行う確認方法では足りず、厳格な取引時確認を行う必要があります。
問題 13 / 16
取引時確認済顧客に行う確認方法として、預貯金通帳など、確認記録に記録された顧客と同一であることを示す書類等の提示・送付を受ける方法が認められている。
取引時確認済顧客への確認方法の一つとして、預貯金通帳等の書類の提示・送付を受ける方法があります(犯罪収益移転防止法施行規則16条)。
問題 14 / 16
取引時確認済顧客に行う確認方法として、暗証番号など顧客しか知りえない事項の申告を受けることが認められている。
顧客しか知りえない事項(暗証番号等)の申告を受けることも、取引時確認済顧客への確認方法として認められています。
問題 15 / 16
特定事業者が顧客と面識がある場合であっても、「面識があること」を取引時確認済顧客への確認方法として用いることはできない。
顧客と面識があり、確認記録の顧客等と同一であることが明らかな場合も、取引時確認済顧客への確認方法として認められています。
問題 16 / 16
取引時確認済顧客との取引では、確認記録に検索事項・取引の日付・取引の種類を追加して記録し、取引の日から3年間保存すればよい。
追加して記録した確認記録は、取引が行われた日から7年間保存しなければなりません。3年間ではありません。

第6章 顧客管理
取引時確認義務(法人・取引時確認済みの顧客)
取引時確認義務(法人・取引時確認済みの顧客)
/16問
点数はご使用の端末に保存されます。問題は毎回並び替わります。
第6章②まとめ:取引時確認義務(法人・取引時確認済みの顧客)
- 法人の本人特定事項(名称・所在地)は書類で確認、取引の目的は申告でよい。実質的支配者・取引担当者の確認も必要。
- 対面の法人本人特定事項=提示日前6ヵ月以内の登記事項証明書等(1年以内ではない)。非対面=法人と取引担当者の本人確認書類の送付+本店等所在地宛の転送不要郵便。
- 取引担当者の確認=社員証は不可(2014年改正)。委任状/代表権を有する役員登記/電話等/法人との関係をよく知っていて取引の任に当たることが明らか、が認められる。
- 取引時確認済みの顧客でも、特定取引でなければ取引時確認は不要。特定取引かつ厳格なら厳格な取引時確認。確認済方法をしても厳格取引は完了しない。
- 確認済顧客に行う確認方法(同じ人かを確かめる)=預貯金通帳等の提示・送付/顧客しか知りえない事項の申告/面識。確認記録は検索事項・日付・種類を追加し7年間保存。
【ひっかけ】 ・法人の登記事項証明書は「1年以内」のもの → ✕(6ヵ月以内) ・取引担当者の確認は社員証の提示でよい → ✕(2014年改正で不可) ・特定取引でなくても取引時確認は必要 → ✕(特定取引でなければ不要) ・確認済み顧客への確認方法をすれば厳格な取引でも完了 → ✕(厳格取引は別) 試験、頑張ってください‼
📎 公式情報・出典(別タブで開きます)
● 図やまとめで整理して覚えたい方へ
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図解、ひっかけ、まとめ、直前チェック等を収録しています。
このブログと合わせて、学びにお役立てください。


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