第6章 顧客管理【2026年度対応】|⑧ 顧客管理の実務事例(外国PEPsの確認・なりすまし)(一問一答)

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「日本人だから関係ない」——外国PEPsの確認を断られたら?
「Aさん」を名乗る別人らしき人が、大金の払戻しを求めてきたら?
実務事例の第2弾は、外国PEPsの確認と、なりすましが疑われる取引。
現場の落ち着いた判断を、一問一答で身につけましょう。
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📊 この章「顧客管理」の配点は100点満点中18点
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📌 今回のポイント

  • 外国PEPsの該当性は、日本にリストがないため、商業用データベースの活用・インターネット等の公刊情報の活用・顧客への申告依頼などで確認する。申告を断られても、日本人が外国PEPsの家族(配偶者・親族等)に当たることもあると伝えて申告を促す。
  • 外国PEPsの確認は、各特定事業者が合理的と考える方法で行い、確認できた範囲で厳格な顧客管理を行うもので、取引謝絶を前提とするものではない。外国PEPsと判明したら、犯罪収益移転防止法等に基づき適切な情報を取得・確認する(自己申告任せにしない)。
  • なりすましの疑いがある継続的取引の特定取引は、厳格な取引時確認が必要な高リスク取引。ほかに「偽りの疑い」「イラン・北朝鮮に居住・所在する顧客との取引」「外国PEPsとの特定取引」も高リスク取引(犯罪収益移転防止法4条2項)。
  • なりすましの疑いがあるときは、質問や追加情報の収集などの調査を行い、統括管理者等に疑わしい点があるか確認してもらう。あわせて、最初の取引時確認で求めた書類に加え、別の本人確認書類・補完書類等を求めて確認する。
  • 資産および収入の状況の確認が必要になるのは、政令で定める200万円を超える取引(100万円ではない)。法人顧客の場合は、貸借対照表・損益計算書・有価証券報告書等の書面で確認する。

外国PEPsの確認を断られたら

取引時確認で「外国PEPsですか」とうかがったところ、「日本人だから答えない」と断られた——こんな場面の対応です。まず、外国PEPsかどうかはどう確かめるのかを押さえます。
外国PEPsの確認のポイント
  • 確認の方法…日本に外国PEPsのリストはない商業用データベースの活用・インターネット等の公刊情報の活用・顧客への申告依頼などで確認する
  • 日本人でも対象…日本人が外国PEPsの配偶者・親族等に該当することもあるため、その旨を伝えて申告を促す
  • 謝絶が前提ではない…確認は各特定事業者が合理的と考える方法で行い、確認できた範囲で厳格な顧客管理を行う。取引謝絶を前提とするものではない
  • 判明したら適切に取得…外国PEPsと判明したら、犯罪収益移転防止法等に基づいて適切な情報を取得・確認する(顧客の自己申告任せにしない)
📋 現場での判断メモ:外国PEPsで迷ったら
  • 有名人でも手順は同じ…著名人や芸能人でも、外国PEPsに当たるかは決まった手順(商業用データベース・公刊情報・申告)で確認する。身構えず淡々と進める
  • 日本人でも省かない…「日本人だから」で確認を飛ばさない。外国の元首だった人の配偶者やお子さんなどは、日本人でも当たることがある
  • 断られても止めない…申告を断られても、家族等に当たる可能性を伝えて促し、確認できた範囲で対応する
  • 該当=お断り、ではない…外国PEPsでも取引謝絶が前提ではない。通常より手厚い(厳格な)顧客管理で丁寧に対応する
  • ここは対象外…国連などの国際機関の職員/日本の総理大臣・日本銀行総裁など日本の要人(「外国」ではないため)

「別人かも?」なりすましが疑われる取引

よく知っている「Aさん」とは別の人が、Aさん名義の口座から大金を引き出そうとしている——なりすましの疑いがあるときの対応です。こうした取引は高リスク取引として、通常より厳しい確認(厳格な取引時確認)が求められます。
厳格な取引時確認が必要な高リスク取引(犯罪収益移転防止法4条2項)
  • 取引時確認をした顧客等・代表者等になりすましている疑いがある取引
  • 取引時確認の際に確認事項を偽っていた疑いがある顧客等との取引
  • イラン・北朝鮮に居住・所在する顧客等との取引や、これらの者への財産の移転を伴う取引
  • 外国PEPsである顧客等との特定取引
なりすまし疑いへの具体的な対応
  • 調査と確認…質問や、取引時確認で確認した事項の追加情報の収集などの調査を行い、統括管理者等に疑わしい点があるかを確認してもらう
  • 別の書類も求める…最初の取引時確認で求めた本人確認書類・補完書類等に加え、別の本人確認書類・補完書類等を求めて確認する
  • 資産・収入の確認…政令で定める200万円を超える取引では、資産および収入の状況を確認する(100万円ではない)。法人は貸借対照表・損益計算書・有価証券報告書等の書面で確認
💬 実務の現場から

「いつものAさんと様子が違う」——窓口での小さな違和感が、なりすましを見抜く第一歩になります。とはいえ、その場で決めつけるのではなく、質問や追加確認を行い、統括管理者等に相談するのが正しい流れです。外国PEPsの確認も同じで、お断りするための確認ではありません。お客さまに失礼のないよう、理由を添えて丁寧にうかがう姿勢が大切です。

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問題 1 / 16
顧客が外国PEPsかどうかの申告に応じてくれない場合は、警察庁が公表している外国PEPsのリストと照合して確認することになる。
日本では外国PEPsのリストは作成されていません。該当性は、商業用データベースの活用、インターネット等の公刊情報の活用、顧客等に申告を求める方法等によって確認します。
問題 2 / 16
外国PEPsの該当性は、商業用データベースの活用や、インターネット等の公刊情報の活用、顧客等に申告を求める方法等によって確認する。
リストがない代わりに、商業用データベースや公刊情報を使う方法、顧客に申告を求める方法などで確認することが考えられます。
問題 3 / 16
外国PEPsの申告を再度求めても回答を得られない場合は、確認が完了するまで、その顧客とはいっさいの取引に応じることができない。
外国PEPsの確認は各特定事業者が合理的と考えられる方法で行われるべきで、確認できた範囲で厳格な顧客管理を行うことになります。取引をすべて止めなければならないわけではありません。
問題 4 / 16
外国PEPsの確認は、確認できた範囲で厳格な顧客管理を行うためのものであって、取引の謝絶を前提として行われるものではない。
外国PEPsの確認は、取引を断ることを前提に行うものではなく、確認できた範囲でリスクに応じた厳格な顧客管理につなげるためのものです。
問題 5 / 16
顧客が外国PEPsであることが判明した場合は、犯罪収益移転防止法等に基づいて適切な情報を取得し、確認する必要がある。
外国PEPsであることが確認された場合は、顧客の自己申告に委ねるのではなく、犯罪収益移転防止法等にもとづき適切な情報を取得・確認します。
問題 6 / 16
「日本人だから」と申告を断られても、日本人が外国PEPsの配偶者や親族などに当たることもあると説明し、申告に応じてもらうよう促す。
日本人であっても外国PEPsの家族等に該当することはあり得るため、その可能性を説明したうえで申告を促すことが適切な対応です。
問題 7 / 16
外国PEPsに該当するのは外国人に限られるため、日本人の顧客に対して外国PEPsに当たるかどうかの確認を行う必要はない。
日本人が外国PEPs本人やその家族等に該当することもあるため、顧客が日本人であっても確認の対象とすべきものとされています。
問題 8 / 16
外国PEPsとの特定取引は、通常の取引時確認を行えば足り、資産および収入の状況の確認などの厳格な取引時確認までは求められない。
外国PEPsとの特定取引は、厳格な取引時確認を要する高リスク取引に位置づけられており、通常の確認では足りません。
問題 9 / 16
よく知っているAさんとは別人がAさん名義の預貯金の払戻しを求めている疑いがある場合、なりすましの疑いがある継続的取引の特定取引に当たる可能性があり、厳格な取引時確認を行う必要がある。
なりすましの疑いがある継続的取引の特定取引は高リスク取引に当たり、厳格な取引時確認が求められます(犯罪収益移転防止法4条2項)。
問題 10 / 16
なりすましの疑いがある者に対しては、質問をしたり取引時確認で得た事項の追加情報を集めたりする調査を行うとともに、統括管理者等に、その取引に疑わしい点がないかを確認してもらうことも欠かせない。
質問等の調査を行ったうえで、当該取引に疑わしい点があるかどうかを統括管理者等に確認してもらうことが求められます(犯罪収益移転防止法8条3項、同法施行規則27条1項1号ハ)。
問題 11 / 16
資産および収入の状況の確認が求められるのは、政令で定める「100万円」を超える財産の移転を伴う取引の場合である。
資産および収入の状況の確認が求められる政令で定める額は「200万円」であり、100万円ではありません(犯罪収益移転防止法施行令11条)。
問題 12 / 16
なりすましの疑いがある者との取引では、最初の取引時確認で求めた本人確認書類・補完書類等に加えて、別の本人確認書類・補完書類等を求めて確認する必要がある。
なりすましが疑われる取引では、当初の確認に用いた書類とは別の本人確認書類・補完書類等の提示等を受けて確認します(犯罪収益移転防止法4条2項)。
問題 13 / 16
法人顧客について資産および収入の状況を確認する場合は、代表者への口頭による確認のみで足りる。
法人の場合は、貸借対照表や損益計算書、有価証券報告書等の書面によって資産および収入の状況を確認する必要があります。
問題 14 / 16
取引時確認をした顧客等になりすましている疑いがある取引、確認事項を偽っていた疑いがある取引、イラン・北朝鮮に居住・所在する顧客等との取引、外国PEPsとの特定取引は、いずれも厳格な取引時確認を要する高リスク取引である。
これらはいずれも、犯罪収益移転防止法4条2項等が定める厳格な取引時確認を要する高リスク取引に位置づけられています。
問題 15 / 16
資産および収入の状況の確認は個人顧客についてのみ必要であり、法人顧客については確認する必要がない。
法人顧客についても、貸借対照表や損益計算書、有価証券報告書等の書面によって資産および収入の状況を確認する必要があります。
問題 16 / 16
なりすましの疑いがある取引であっても、その金額が200万円以下であれば、厳格な取引時確認を行う必要はない。
なりすましの疑いがある取引は、金額にかかわらず厳格な取引時確認を要する高リスク取引に当たります。200万円という基準は、資産および収入の状況を確認するかどうかの目安です。
第6章 顧客管理
第6章 顧客管理
実務事例(外国PEPsの確認・なりすまし)
問正解 / 16問中
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✅ まとめ・要点整理

第6章⑧まとめ:顧客管理の実務事例(外国PEPsの確認・なりすまし)
  • 外国PEPsの確認=日本にリストなし商業用データベース・公刊情報・申告依頼で確認。申告を断る日本人にも、外国PEPsの家族等に当たる可能性を伝えて申告を促す。
  • 外国PEPsの確認は取引謝絶を前提としない。合理的な方法で確認できた範囲で厳格な顧客管理を行い、外国PEPsと判明したら適切な情報を取得・確認する。
  • 厳格な取引時確認を要する高リスク取引=なりすましの疑い/偽りの疑い/イラン・北朝鮮に居住・所在する顧客との取引/外国PEPsとの特定取引(犯罪収益移転防止法4条2項)。
  • なりすまし疑い=質問・追加情報収集の調査+統括管理者等に疑わしい点を確認してもらう+最初の書類に加え別の本人確認書類・補完書類等で確認。
  • 資産・収入の状況の確認が要る基準=政令の200万円超(100万円ではない)。法人は貸借対照表・損益計算書・有価証券報告書等の書面で確認。
【頻出ひっかけ】
・外国PEPsの確認は日本のPEPsリストと照合 → ✕(日本にリストはない)
・外国PEPsの確認は取引謝絶が前提 → ✕(謝絶を前提とするものではない)
・資産・収入の確認が要る基準は100万円超 → ✕(200万円超)
・なりすまし疑いは最初と同じ書類の再確認で足りる → ✕(別の書類も求める)
試験、頑張ってください‼

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