第2章 FATF【2026年度対応】|⑧ 行動計画(2024-2026年度)とFATF第5次相互審査へ(一問一答)

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今回は「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画(2024-2026年度)」と「FATF第5次相互審査に向けて」から合計16問(2単元×8問)を出題します。
ポイントは、行動計画がFATF第5次対日相互審査のオンサイト審査を“見据えた”ものであること、そして第5次では審査周期が10年→6年に短縮され、暗号資産・拡散金融(PF)・実質的支配者・環境犯罪などが重点になることです。
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📌 今回のポイント

  • 「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画(2024-2026年度)」=日本政府が公表。FATF第5次対日相互審査のオンサイト審査を見据え、国内対策の実効性向上とリスク環境の変化への対応が目的。「金融機関等」=金融機関+暗号資産交換業者
  • 行動内容の柱=(a)取引モニタリング共同システムの充実・効率化とモニタリング強化/(b)リスクベース・アプローチに基づく検査監督の実践/(c)金融機関等によるリスクベース・アプローチに基づく取組の促進(いずれも継続実施)
  • 取引フィルタリング・取引モニタリングを共同化して担う為替取引分析業者=2022年6月成立の改正資金決済法で許可制(届出制ではない)
  • FATF相互審査の周期=約10年→6年に短縮。日本の第5次は書面審査2027年秋・オンサイト審査2028年6月・全体会合での採択2029年2月の予定(財務省公表・2026年6月時点)
  • 第5次の重点(被審査国のリスクにフォーカス)=①暗号資産 ②大量破壊兵器拡散金融(PF)対策 ③実質的支配者の透明性向上 ④環境犯罪からのマネー・ローンダリング対策PF対策は第5次から審査項目となることが決定
  • 第5次は有効性審査をさらに重視/重点(強化)フォローアップに該当しないための基準が厳格化(ハードルが上昇)。日本は第4次で不履行(NC)だったNPO(非営利団体)の悪用防止に注意
第2章の総仕上げは、第4次の結果を踏まえた「行動計画」と、すでに動き出しているFATF第5次相互審査の方向性です。第5次は審査の周期が短くなり有効性審査がさらに重視され、新しいリスク分野が重点になります。

① 行動計画(2024-2026年度)

“第5次を見据えた”実効性向上の計画

「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画(2024-2026年度)」は、FATF第5次対日相互審査のオンサイト審査を見据え、国内対策の実効性を高め、リスク環境の変化に対応するために日本政府が公表したものです。ここでの「金融機関等」は金融機関と暗号資産交換業者を指します。

行動計画(2024-2026年度)の主な柱(継続実施)
(a) 取引モニタリング共同システムの充実・効率化と、金融機関等による取引モニタリング等の強化
(b) 監督当局による金融機関等へのリスクベース・アプローチに基づく検査監督の実践
(c) 金融機関等によるリスクベース・アプローチに基づく取組の促進(政府広報も活用し官民連携)
共同システムと為替取引分析業者(押さえる)
  • 取引スクリーニング・取引モニタリングの共同システムの実用化=各社が独自に開発・運用するのではなく、共同で利用するシステムを開発・実用化する(特に態勢構築がこれからの金融機関を官民連携で支援)
  • 共同化を担う為替取引分析業者=預金取扱金融機関等の委託を受け、取引フィルタリング(制裁対象者該当性の分析)や取引モニタリング(疑わしい取引該当性の分析)を共同実施。2022年6月成立の改正資金決済法で許可制が導入された

② FATF第5次相互審査に向けて

周期短縮・有効性重視・基準厳格化

FATF相互審査の周期は約10年から6年へ短縮されました。日本の第5次審査はオンサイト審査2028年6月・全体会合での採択2029年2月が予定されています(書面審査は2027年秋から)。第5次では有効性審査がこれまで以上に重視され、被審査国のリスクにフォーカスした審査が想定されています。

① 暗号資産(Virtual Asset)
勧告15改訂(2019年6月)でFATF基準の適用を明確化。トラベルルール等のモニタリング継続
② 大量破壊兵器拡散金融(PF)対策
第5次からリスク評価に基づくPF対策が審査項目となることが決定済み
③ 実質的支配者の透明性向上
勧告24改定案を2022年3月承諾。第5次から適用
④ 環境犯罪からのマネー・ローンダリング対策
環境犯罪はマネロンの前提犯罪の1つ。2021年10月に勧告の語彙集で定義を例示
🗓 第5次対日相互審査のスケジュール(財務省公表・2026年6月時点)
  • 審査周期は第4次の約10年から6年に短縮
  • 日本の流れ=書面審査2027年秋(法令遵守状況・有効性の自己申告書)→ オンサイト審査2028年6月 → 全体会合での採択2029年2月の予定
  • 第5次は有効性評価(実効性)をこれまで以上に重視=自らが高リスクと特定した前提犯罪への一貫した対応に力点が置かれる
⚠ ここがひっかかりやすい
  • 重点(強化)フォローアップに該当しないための基準が厳格化(ハードルが上昇)=例:技術的遵守状況評価でPC(一部履行)が5つ以上、有効性評価でM(中程度)が6つ以上、L(低い)が1つでもある等
  • 環境犯罪はマネー・ローンダリングの前提犯罪の1つとして整理(2021年10月に勧告の語彙集で定義を例示)
  • 日本が第4次で不履行(NC)と評価されたNPO(非営利団体)の悪用防止は、第5次でフォーカスされる可能性が指摘されている

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問題 1 / 16
「マネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画(2024-2026年度)」は、FATF第5次対日相互審査のオンサイト審査を見据え、国内対策の実効性を高めるとともにリスク環境の変化に対応するため、日本政府が公表したものである。
この行動計画は、FATF第5次対日相互審査のオンサイト審査を見据え、対策の実効性向上とリスク環境の変化への対応のために日本政府が公表したものです。
問題 2 / 16
この行動計画では、取引モニタリング共同システムの充実・効率化や、金融機関等による取引モニタリング等の強化を継続して実施することとされている。
行動内容として、為替取引分析業者の検査監督等を通じて共同システムの安定運営を確保しつつ、金融機関等による取引モニタリング等を強化することが挙げられています。
問題 3 / 16
この行動計画では、監督当局による金融機関等に対するリスクベース・アプローチに基づく検査監督の実践等を継続して実施することとされている。
監督当局間の連携や、リスクベース・アプローチに基づくメリハリのある検査監督の実践などが行動内容に挙げられています。
問題 4 / 16
この行動計画では、金融機関等によるリスクベース・アプローチに基づく取組の促進等を継続して実施することとされている。
金融機関等のリスク理解を向上させ、リスク評価に基づく実効性ある取組を促すことなどが行動内容に挙げられています。
問題 5 / 16
この行動計画における「金融機関等」とは金融機関のみを指し、暗号資産交換業者は含まれない。
この行動計画における「金融機関等」とは、金融機関と暗号資産交換業者を指します。暗号資産交換業者も含まれます。
問題 6 / 16
金融機関等から委託を受けて取引フィルタリングや取引モニタリングを共同で実施する「為替取引分析業者」は、許可を要しない届出制で参入することができる。
2022年6月成立の改正資金決済法により、為替取引分析業者には許可制が導入され、一定の財産的基礎や体制整備義務などの参入要件が課されます。
問題 7 / 16
取引モニタリング等の共同システムは、各金融機関がそれぞれ独自に開発・運用することを基本とし、共同で利用することは想定されていない。
すべての金融機関が各々で開発・運用するのではなく、共同で利用するシステムを開発・実用化することを目指すものです(特に態勢構築がこれからの金融機関を対象に官民連携で進めます)。
問題 8 / 16
この行動計画は、マネー・ローンダリング対策とテロ資金供与対策のみを対象とし、拡散金融(大量破壊兵器の拡散に関する金融)対策は対象としていない。
この行動計画は「マネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画」であり、拡散金融(大量破壊兵器の拡散に関する金融)対策も対象に含みます。
問題 9 / 16
FATFの相互審査の周期は、平均で約10年であったこれまでから、6年周期へと短縮されることになった。
相互審査の周期は約10年から6年へ短縮されました。日本の第5次審査は、書面審査が2027年秋、オンサイト審査が2028年6月、全体会合での採択が2029年2月に予定されています(財務省公表・2026年6月時点)。
問題 10 / 16
FATF第5次相互審査から、リスク評価に基づいた大量破壊兵器拡散金融(PF)対策が審査項目となることが、すでに決定している。
第5次相互審査から、リスク評価に基づいた大量破壊兵器拡散金融(PF)対策が審査項目となることが既に決定しています。
問題 11 / 16
FATF第5次相互審査では被審査国のリスクにフォーカスした審査が想定され、暗号資産、大量破壊兵器拡散金融対策、実質的支配者の透明性向上、環境犯罪からのマネー・ローンダリング対策などが重点となる可能性がある。
第5次相互審査では被審査国のリスクにフォーカスし、暗号資産、大量破壊兵器拡散金融対策、実質的支配者の透明性向上、環境犯罪からの資金洗浄対策などが重点になる可能性があります。
問題 12 / 16
FATF第5次相互審査では、法令が整備されているかという形式面(技術的遵守状況評価)が一層重視され、有効性評価(有効性審査)の比重は第4次より下がる見込みである。
第5次相互審査では、むしろ有効性審査(法令の執行状況とその有効性)がさらに重視される見込みです。
問題 13 / 16
FATF第5次相互審査では、重点(強化)フォローアップの対象とならないための基準が緩和され、ハードルが下がった。
第5次相互審査では、重点フォローアップ先に該当しないための基準が厳格化され、ハードルが上がりました(例:技術的遵守状況評価でPCが5つ以上、有効性評価でM(中程度)が6つ以上など)。
問題 14 / 16
環境犯罪は、FATF勧告において資金洗浄(マネー・ローンダリング)の前提犯罪には含まれないものとして整理されている。
環境犯罪はマネー・ローンダリングの前提犯罪の1つとされ、2021年10月にFATF勧告の語彙集でその定義が例示されました。
問題 15 / 16
暗号資産については、2019年6月にFATF勧告15が改訂され、FATF基準が暗号資産に関する金融活動にも適用されることが明確化された。
2019年6月の勧告15改訂により、FATF基準が暗号資産に関する金融活動にも適用されることが明確化されました(トラベルルールは犯収法改正で2023年6月1日施行)。
問題 16 / 16
日本は、FATF第4次対日相互審査において非営利団体(NPO)の悪用防止で最高評価を受けており、第5次相互審査でこの分野が問題となる可能性は低い。
日本は第4次対日相互審査で非営利団体(NPO)の悪用防止について不履行(NC)と評価されており、第5次相互審査でフォーカスされる可能性が指摘されています。
第2章 FATF
第2章 FATF
行動計画(2024-2026年度)とFATF第5次相互審査へ
問正解 / 16問中
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✅ まとめ・要点整理

第2章⑧まとめ:行動計画(2024-2026年度)とFATF第5次相互審査へ
  • 行動計画(2024-2026年度)=第5次のオンサイト審査を見据えた政府公表。柱は(a)取引モニタリング共同システム (b)リスクベース・アプローチに基づく検査監督 (c)金融機関等によるリスクベース・アプローチに基づく取組の促進
  • 「金融機関等」=金融機関+暗号資産交換業者/共同化を担う為替取引分析業者許可制(届出制ではない)
  • FATF相互審査の周期=約10年→6年に短縮(日本はオンサイト審査2028年6月・全体会合での採択2029年2月の予定)/第5次は有効性審査をこれまで以上に重視・フォローアップ基準厳格化
  • 第5次の重点=暗号資産・大量破壊兵器拡散金融(PF)対策・実質的支配者の透明性向上・環境犯罪からの資金洗浄対策。PF対策は審査項目化が決定済み
  • ひっかけ=暗号資産は勧告15改訂(2019年6月)でFATF基準適用を明確化/環境犯罪は前提犯罪の1つ(2021年10月に定義例示)/日本のNPO悪用防止は第4次で不履行(NC)
「行動計画(2024-2026年度)は第5次のオンサイト審査を“見据えた”もの」「審査周期は10年→6年に短縮」「第5次は有効性審査をさらに重視&フォローアップ基準が厳格化」「環境犯罪もマネー・ローンダリングの前提犯罪」――この4つが頻出ひっかけです!
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