第7章 疑わしい取引【2026年度対応】|② 情報の活用・捜査機関等による活用(一問一答)

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今回は第7章の第2回、「疑わしい取引の情報はどこへ行くのか」「どの捜査機関がどう使うのか」から合計16問(2単元×8問)です。
情報の流れ(特定事業者→行政庁→JAFIC→捜査機関等)と、捜査機関ごとの役割の使い分けがポイントです。
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📊 この章「疑わしい取引」の配点は100点満点中18点
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📌 今回のポイント

  • 疑わしい取引の届出先は行政庁(例:銀行・保険会社→金融庁、農業協同組合(信用・共済)→各都道府県知事
  • 各行政庁→国家公安委員会(JAFIC)→整理・分析→捜査機関等・外国FIUに提供という流れ
  • JAFICが作成するのは「犯罪収益移転危険度調査書」(「犯罪白書」は法務省
  • 届出情報は捜査記録や司法書類に一切記録されない(秘密保持の徹底)
  • 警察庁「犯罪収益移転防止に関する年次報告書」で捜査機関等の活用状況がまとめられている
  • 活用機関の役割:税関=関税法違反・物品密輸水際阻止 / 証券取引等監視委員会=インサイダー取引・粉飾決算等
疑わしい取引として届け出た情報は、どこへ行き、誰がどのように使うのでしょうか。今回は情報の流れ(届出先→JAFIC→捜査機関等)と、各捜査機関の役割の使い分けを整理します。

① 疑わしい取引に関する情報の活用

JAFIC(国家公安委員会)が情報を集約する

特定事業者からの届出情報は、各行政庁を経て国家公安委員会(JAFIC)に集約されます。JAFICがデータを整理・分析して捜査機関等に提供する仕組みです。

ステップ内容
①特定事業者疑わしい取引を所管行政庁に届出(銀行・保険会社等→金融庁 / 農業協同組合→都道府県知事)
②各行政庁届出情報を国家公安委員会(JAFIC)に通知
③JAFIC届出情報を整理・分析し、捜査機関等に提供・外国FIUにも提供可
④捜査機関等内偵捜査・余罪洗い出し・犯則調査等に活用
JAFICは届出情報をもとに「犯罪収益移転危険度調査書」を作成・公表します。この調査書は、特定事業者が疑わしい取引の届出の要否を判断する際の参考資料にもなります。なお「犯罪白書」は法務省が発行するもので別物です。
届出情報の秘密保持
  • 捜査機関等に提供された届出情報は、捜査記録や司法書類には一切記録されない
  • JAFICは外国のFIU(資金情報機関)にも必要に応じて情報を提供できる
  • 届出者(特定事業者)の特定につながる情報が公表されることはない

② 国の捜査機関等による疑わしい取引に関する情報の活用

機関ごとの役割の使い分けがポイント

捜査機関等はそれぞれの管轄に応じて届出情報を活用します。どの機関がどの犯罪を担当するかが試験の頻出ポイントです。

捜査機関等主な活用場面
検察庁内偵捜査・被疑者の供述の裏付け・余罪洗い出し等
厚生労働省 地方厚生局麻薬取締部薬物密売・密輸等の薬物事犯捜査
証券取引等監視委員会インサイダー取引・粉飾決算等、金融市場の公正を害する行為の犯則調査
税関関税法違反の犯則調査・物品密輸等の水際阻止
国税庁データベース化して全国で情報共有・各種情報との照合等に活用
捜査機関等の活用で問われやすいポイント
  • 警察庁が公表する「犯罪収益移転防止に関する年次報告書」に、捜査機関等における疑わしい取引情報の活用状況がまとめられている旨が明記された
  • 試験では税関国税庁の役割の違い、証券取引等監視委員会麻薬取締部の管轄の違いが問われやすい
もう一歩踏み込む(届出情報の活用の実際)
  • 都道府県警察は、疑わしい取引情報を端緒として検挙した事件(端緒事件)だけでなく、すでに着手している事件捜査の過程で活用して検挙した事件(活用事件)にも用いている
  • 制裁対象者(タリバーン関係者等)と関連すると疑われる取引は、警察庁から所管行政庁(銀行は金融庁)を通じてリストが発出され、取引時確認義務・疑わしい取引の届出義務等の履行徹底が求められる

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問題 1 / 16
農業協同組合(信用事業・共済事業)から疑わしい取引の届出を受ける行政庁は、金融庁である。
農業協同組合(信用事業・共済事業)の疑わしい取引の届出先は、金融庁ではなく各都道府県知事です。
問題 2 / 16
特定事業者から疑わしい取引の届出を受けた各行政庁は、国家公安委員会に通知する。
各行政庁(金融庁等)は受理した届出情報を国家公安委員会(JAFIC)に通知します。JAFICが情報を集約・整理・分析する仕組みです。
問題 3 / 16
国家公安委員会は疑わしい取引に関する情報を「犯罪白書」としてまとめ、毎年公表している。
「犯罪白書」は法務省が毎年発行するものです。疑わしい取引情報をもとにJAFICがまとめるのは「犯罪収益移転危険度調査書」です。
問題 4 / 16
国家公安委員会は整理・分析した疑わしい取引情報を、警察・検察等の捜査機関に提供する。
JAFICは届出情報を整理・分析し、警察・検察等の捜査機関等に提供します。この提供を通じて犯罪収益移転防止対策が実効化されます。
問題 5 / 16
JAFICは必要に応じて、外国の資金情報機関(FIU)に対しても疑わしい取引情報を提供することができる。
JAFICは国際連携の観点から、外国のFIU(資金情報機関)にも情報を提供できます。国際的な犯罪収益移転防止対策の一環です。
問題 6 / 16
捜査機関等に提供された疑わしい取引の届出情報は、犯罪捜査の証拠として捜査記録や司法書類に適切に記録される。
届出情報は捜査機関等に提供された場合も、捜査記録や司法書類には一切記録されません。届出者の秘密保持が徹底されています。
問題 7 / 16
犯罪収益移転危険度調査書は、特定事業者が疑わしい取引の届出の要否を判断するための参考情報として活用されている。
「犯罪収益移転危険度調査書」は、特定事業者が自社の取引リスクや届出判断に役立てる参考資料として公表されています。
問題 8 / 16
銀行が行う疑わしい取引の届出先は、財務省(財務大臣)である。
銀行(預金取扱金融機関)の疑わしい取引の届出先は財務省ではなく、金融庁(内閣総理大臣)です。
問題 9 / 16
関税法違反に係る犯則調査に疑わしい取引の届出情報を活用しているのは、国税庁である。
関税法違反の犯則調査・物品密輸の水際阻止に活用しているのは税関です。国税庁が活用するのは所得税・法人税等の税務調査等です。
問題 10 / 16
検察庁は疑わしい取引の届出情報を、内偵捜査・被疑者の供述の裏付け・余罪洗い出し等に活用している。
検察庁は届出情報を内偵捜査の端緒や、被疑者供述の裏付け・余罪洗い出しなどに活用しています。
問題 11 / 16
タリバーン関係者等の制裁対象者が関連すると疑われる取引については、外国為替及び外国貿易法(外為法)上の規制の対象であるため、犯罪収益移転防止法にもとづく疑わしい取引の届出の対象とはならない。
制裁対象者に関連すると疑われる取引については、警察庁から所管行政庁(銀行の場合は金融庁)を通じてリストが発出され、リストに掲げられた者と関連すると疑われる取引について、取引時確認義務・疑わしい取引の届出義務等の履行を徹底することが求められています。外為法とは別に、犯罪収益移転防止法上の届出の対象です。
問題 12 / 16
厚生労働省地方厚生局麻薬取締部は、疑わしい取引の届出情報を薬物事犯捜査に活用している。
麻薬取締部は薬物密輸・密売等の薬物事犯捜査に届出情報を活用しています。
問題 13 / 16
証券取引等監視委員会は、インサイダー取引や有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)等、金融市場の公正を害する行為の犯則調査に届出情報を活用している。
証券取引等監視委員会は、インサイダー取引・粉飾決算等、金融市場の公正を害する行為の調査に届出情報を活用しています。
問題 14 / 16
国税庁は疑わしい取引の届出情報の活用対象機関に含まれていない。
国税庁は届出情報をデータベース化して全国で情報共有し、各種情報との照合等に活用しています。活用対象機関に含まれます。
問題 15 / 16
警察庁が公表する「犯罪収益移転防止に関する年次報告書」に、捜査機関等における疑わしい取引情報の活用状況がまとめられている。
警察庁は「犯罪収益移転防止に関する年次報告書」を公表しており、捜査機関等における届出情報の活用状況がまとめられています。
問題 16 / 16
疑わしい取引に関する情報を端緒として都道府県警察が事件を検挙することはあるが、すでに着手している事件の捜査の過程で当該情報が活用されることはない。
疑わしい取引情報を端緒として検挙した事件(端緒事件)だけでなく、すでに着手している事件捜査の過程で当該情報を活用して検挙した事件(活用事件)も多数あります。端緒としての活用に限られません。
第7章 疑わしい取引
第7章 疑わしい取引
情報の活用・捜査機関等による活用
問正解 / 16問中
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✅ まとめ・要点整理

第7章②まとめ:情報の活用・捜査機関等による活用
  • 農業協同組合(信用・共済)の届出先は各都道府県知事金融庁ではない
  • 情報の流れ:特定事業者→行政庁→JAFIC(国家公安委員会)→整理分析→捜査機関等・外国FIU
  • JAFICが作成するのは「犯罪収益移転危険度調査書」(「犯罪白書」は法務省
  • 届出情報は捜査記録・司法書類に一切記録されない(秘密保持の徹底)
  • 税関=関税法違反の犯則調査・物品密輸水際阻止 / 証券取引等監視委員会=インサイダー取引・粉飾決算等の犯則調査
  • 警察庁「犯罪収益移転防止に関する年次報告書」で捜査機関等の活用状況をまとめている
「農業協同組合(信用・共済)の届出先は各都道府県知事(金融庁ではない)」「疑わしい取引情報はJAFIC(国家公安委員会)が整理分析して捜査機関等に提供」「関税法違反の犯則調査に使うのは税関(国税庁ではない)」――ここが頻出の引っかけです!

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