今回は第6章の総合演習です。①〜⑧の全範囲から40問をプールし、毎回ランダムに20問を出題します(「もう一度」で別の20問に入れ替わります)。 特定取引の見極めから、外国PEPs・実質的支配者・実務事例まで、章をまたいだ顧客管理の総点検に使ってください。
- ① 特定取引=口座開設・200万円超の大口現金・10万円超の現金送金など。敷居値以下でも特別の注意を要する取引なら特定取引(分割した取引も対象)。自然人の目的・職業は申告でよい。
- ② 法人の目的は申告でよい・登記事項証明書は6ヵ月以内・取引担当者の社員証提示は不可(委任状等はOK)。取引時確認済みの顧客は特定取引でなければ確認不要。
- ③ 本人確認書類はA〜C群。個人番号の通知カードは除外。顧客管理措置=情報を最新に保つ措置+内部管理態勢の整備(努力義務)。
- ④ 内部管理態勢の10項目=教育訓練・規程・統括管理者・作成書面等・情報収集分析・継続的精査・承認・記録保存・採用・監査。統括管理者は「各営業店に必ず1名」ではない。
- ⑤ 外国PEPs=元首・要職・その家族・実質的支配者である法人。国際機関の職員は含まれない。日本人でも該当しうる。確認は商業用データベース等・謝絶が前提ではない。
- ⑥ 実質的支配者=議決権25%超の自然人まで遡る。資本多数決法人か否かで判断方法が異なる(持分会社は「以外」)。複数該当なら全員。
- ⑦ 口座開設は本人特定事項+目的・職業の申告。信頼に足る証跡は口頭では足りない。外国人は住民登録の有無で本人確認書類が異なる(登録なしでも取引可)。
- ⑧ 外国PEPsの確認は謝絶が前提ではない。なりすまし・偽り・イラン北朝鮮・外国PEPsとの取引は厳格な取引時確認。資産収入の確認は200万円超。
①〜⑧ ひと目でおさらい
- ①特定取引・自然人=敷居値以下でも特別の注意を要する取引は特定取引/目的・職業は申告
- ②法人・確認済み顧客=登記事項証明書は6ヵ月以内/社員証提示は不可/特定取引でなければ確認不要
- ③本人特定事項の確認方法・顧客管理措置=A〜C群/通知カードは除外/内部管理態勢は努力義務
- ④内部管理態勢の整備=10項目/統括管理者は「各営業店に必ず1名」ではない/記録は7年間
- ⑤外国PEPs=元首・要職・家族・実質的支配者の法人/国際機関の職員は含まない/日本人でも該当
- ⑥実質的支配者=議決権25%超・自然人まで遡る/資本多数決法人か否かで判断方法が異なる
- ⑦実務事例=口座開設は目的・職業の申告/信頼に足る証跡/外国人は住民登録の有無で書類が異なる
- ⑧実務事例=外国PEPsの確認は謝絶が前提でない/なりすまし等は厳格な取引時確認/資産収入は200万円超
⚠ ここを間違えやすい(各記事の代表ひっかけ)
- ①「敷居値以下は特別の注意を要しても特定取引でない」「分割すれば対象外」は誤り
- ②「登記事項証明書は1年以内でよい」「社員証の提示で担当者確認できる」は誤り(6ヵ月以内・社員証不可)
- ③「個人番号の通知カードは本人確認書類に使える」「内部管理態勢の整備は法的義務」は誤り(除外・努力義務)
- ④「統括管理者は各営業店に必ず1名」「権限の委任は禁止」は誤り
- ⑤「外国PEPsに国際機関の職員も含む」「日本人は確認不要」「リストと照合して確認」は誤り
- ⑥「実質的支配者の議決権基準は10%」「持分会社は資本多数決法人」「複数なら1名を選ぶ」は誤り(25%超・以外・全員)
- ⑦「信頼に足る証跡は口頭で足りる」「外国人は住民登録がないと取引できない」は誤り
- ⑧「外国PEPsの確認は謝絶が前提」「資産収入の確認基準は100万円超」は誤り(謝絶前提でない・200万円超)
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問題 1 / 20
口座の新規開設のほか、200万円を超える多額の現金取引や、10万円を超える現金の送金なども特定取引に当たり、取引時確認が必要となる。
預貯金口座の開設や大口の現金取引、一定額を超える現金送金などは特定取引に該当し、取引時確認が必要です。
問題 2 / 20
自然人の本人特定事項として確認するのは、氏名・住居・生年月日である。
自然人については、氏名・住居・生年月日という本人特定事項を確認します。
問題 3 / 20
マイナンバーカード(個人番号カード)は、運転免許証などと同じく、顔写真付きの本人確認書類として使うことが認められている。
個人番号カードは、写真付きの本人確認書類として用いることが認められています(犯罪収益移転防止法施行規則7条1項イ)。
問題 4 / 20
200万円以下の現金取引や外貨両替、あるいは10万円以下の送金は、特別の注意を要する取引に当たる場合でも、特定取引には該当せず取引時確認はいらない。
敷居値以下の取引でも、顧客管理を行ううえで特別の注意を要する取引に該当する場合は特定取引に当たり、取引時確認が必要となります。
問題 5 / 20
国民年金手帳については、基礎年金番号を尋ねることが法律上禁じられているため、本人特定事項の確認では使うことができない。
国民年金手帳は本人確認書類として用いることができます。犯罪収益移転防止法等の規定どおり事務処理をしていれば、直ちに国民年金法の規定に反するものではないと考えられています。
問題 6 / 20
法人との取引において、取引を行う目的は、書面ではなく申告によって確認することが認められている。
法人の取引時確認事項のうち、取引を行う目的は申告によって確認してよいとされています。
問題 7 / 20
取引時確認済みの顧客であっても、その取引が特定取引に当たり、しかも厳格な取引時確認が求められる取引でもあるときは、厳格な取引時確認を行う。
特定取引かつ厳格な取引時確認を要する取引に当たる場合は、厳格な取引時確認を行います。
問題 8 / 20
法人の取引時確認では、名称・所在地・取引を行う目的・事業内容のすべてを書面で確認しなければならない。
法人について、本人特定事項(名称・所在地)は書類で確認しますが、「取引を行う目的」は申告によって確認することが認められています(犯罪収益移転防止法4条1項2号、同法施行規則9条)。
問題 9 / 20
対面取引で法人の本人特定事項を確認する際に提示を受ける登記事項証明書や印鑑登録証明書は、提示日前1年以内に作成されたものであればよい。
対面取引で提示を受ける登記事項証明書や印鑑登録証明書は、提示を受ける日前6ヵ月以内に作成されたものに限られます(犯罪収益移転防止法施行規則10条)。
問題 10 / 20
取引時確認済顧客に行う簡便な確認方法を行いさえすれば、その取引が厳格な取引時確認を要する取引であっても、取引時確認は完了する。
厳格な取引時確認を要する取引では、簡便な確認方法では足りず、厳格な取引時確認を行う必要があります。
問題 11 / 20
顧客の現在の住居が、提示を受けた本人確認書類の記載と食い違っている場合には、別の本人確認書類や補完書類の提示などを受けて、現在の住居を確かめる必要がある。
本人確認書類の住所が引っ越し前のまま、といった場合には、別の本人確認書類や、公共料金領収書などの補完書類によって、現在の住居を確認します。
問題 12 / 20
預金契約など継続的な契約にもとづく取引で、契約締結の際の取引時確認に偽りの疑いがあるときは、その契約の際に確認した書類とは別の書類を、少なくとも1つ確認する必要がある。
なりすましや偽りが疑われる場合には、当初の契約時に使った書類以外の本人確認書類または補完書類を最低1つ確認します。例えば運転免許証で確認していた預金契約なら、個人番号カードなど運転免許証以外の書類で確認することになります。
問題 13 / 20
顧客管理措置とは、取引時確認や取引記録等の保存、疑わしい取引の届出などを的確に行うために特定事業者が講じる措置で、確認した情報を最新に保つ措置と、内部管理態勢の整備の2つからなる。
犯罪収益移転防止法11条は、「取引時確認をした事項に係る情報を最新の内容に保つための措置」と「内部管理態勢の整備」という2本柱を特定事業者に求めています。
問題 14 / 20
住居の確認に用いる公共料金の領収書などの補完書類は、領収日付の押印や発行年月日が、提示を受ける日からさかのぼって1年以内のものであれば認められる。
補完書類として認められる公共料金領収書などは、領収日付の押印または発行年月日が「6カ月以内」のものに限られます。1年以内ではありません。
問題 15 / 20
犯罪収益移転防止法は、取引時確認などを的確に行うための内部管理態勢の整備を、必ず果たさなければならない法的義務として特定事業者に課している。
内部管理態勢の整備は、同法11条で「努力義務」として求められているものです。必ず果たさなければならない法的義務として課されているわけではありません。
問題 16 / 20
必要な能力をもつ者を採用するための措置の例としては、採用の際に面接などを行って、反社会的勢力にあたる人物を採らないようにすることや、教育訓練とあわせて能力を身につけられる適性があるかを把握することが考えられる。
面接等による適性の把握や、反社会的勢力に該当する者を採用しないことなどが、採用に関する措置の具体例として考えられています。
問題 17 / 20
特定業務に係る高リスク取引について、情報を集めて整理・分析した結果をまとめた書面等は、確認記録や取引記録等とあわせて保存することとされている。
高リスク取引については、その取引がどのような理由で高リスクとされているかに着目して分析結果を書面等にし、確認記録・取引記録等とともに保存します。
問題 18 / 20
確認記録や取引記録等は、それぞれ取引が終わった後、5年間保存すればよい。
確認記録・取引記録等の保存期間は、それぞれ取引終了後「7年間」です。電磁的記録媒体で保存した場合の期間も、同じく7年間とする必要があります。
問題 19 / 20
統括管理者は、金融機関の規模にかかわらず、各営業店に必ず1名ずつ配置しなければならない。
統括管理者に該当する者は、事業者の規模や組織構成によりさまざまな者が想定されており、「各営業店に必ず1名」という決まりはありません。必ずしも1名である必要はなく、複数名を選任することもできます。
問題 20 / 20
特定事業者作成書面等は、金融庁が公表しているマネロン・テロ資金供与対策のガイドラインの記載をもとに作成することとされている。
特定事業者作成書面等は、国家公安委員会が公表する「犯罪収益移転危険度調査書」の関係部分をもとに、必要に応じて自社のリスク要因を加味して作成します。金融庁のガイドラインではありません。
問題 21 / 20
外国PEPsには、重要な公的地位にある自然人本人だけでなく、その者が実質的支配者となっている法人も含まれる。
外国PEPsの範囲には、外国の元首やこれに準じる者などの本人・家族に加えて、これらの者が実質的支配者である法人も含まれます。対象は自然人に限られません。
問題 22 / 20
外国の中央銀行の役員に相当する職にある者は、外国PEPsに該当する。
外国で中央銀行の役員に相当する職にある者は、法令が列挙する外国PEPsの対象に含まれています。
問題 23 / 20
外国PEPsに該当するかどうかの確認方法としては、商業用データベースの活用、インターネット等の公刊情報の活用、顧客への申告依頼などがある。
リストがない代わりに、商業用データベースや公刊情報を使う方法、顧客等に申告を求める方法などによって確認することが考えられます。
問題 24 / 20
外国PEPsの対象には、本人の家族のほか、本人と個人的に近い間柄にある側近や友人も含まれる。
家族として定められた範囲に、本人と近い間柄にあるだけの側近や友人は含まれていません。対象は法令で定められた家族に限られます。
問題 25 / 20
顧客が外国PEPsに該当するかどうかは、日本が作成・公表している外国PEPsリストと照合して確認する。
日本では外国PEPsのリストの作成・公表は予定されていません。該当性はデータベースや公刊情報の活用、顧客への申告依頼などで確認します。
問題 26 / 20
法人の実質的支配者とは、その会社の経営を実質的にコントロールできる立場にある者をいう。
実質的支配者は、法人の性質に従って定められており、議決権その他の手段によって法人を支配する自然人にまで遡って確認することになります。
問題 27 / 20
議決権の保有割合を判定する際は、直接保有している分と間接保有している分を合計して計算する。
議決権の計算にあたっては、直接保有と間接保有を合計することになります(犯罪収益移転防止法施行規則11条2項)。
問題 28 / 20
ある法人について実質的支配者を調べたところ、当てはまる自然人が何人もいた場合には、そのうちの1名を法人に選んで定めてもらう必要がある。
該当する自然人が複数いた場合には、そのすべてが実質的支配者に該当します。1名に絞ってもらうわけではありません。
問題 29 / 20
持分会社である合名会社・合資会社・合同会社は、実質的支配者を確認する際、「資本多数決法人」として判断する。
持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)は、「資本多数決法人以外の法人」として判断します。
問題 30 / 20
資本多数決法人の実質的支配者を確認する際に基準となる議決権の保有割合は、10%である。
資本多数決法人で確認する議決権の保有割合の基準は「25%超」です。
問題 31 / 20
取引目的が「給与受取」なのに職業が「無職」と記載されるなど矛盾がある場合は、申告のみに頼らず、会社員なら社員証、失業中なら離職票等の提示を求めて口座開設の目的等を改めて確認すべきである。
取引目的と職業に食い違いがあるときは、虚偽の疑いも考えられるため、裏づけとなる書類の提示を求めて再確認することが適切な対応です。
問題 32 / 20
本人特定事項などの確認にあたって顧客が証明書等を提出しようとしない場合でも、口座開設を必ず断らなくてよいが、疑わしい取引の届出を行うことは検討すべきである。
証明書等の提出に応じないときでも直ちに謝絶が必須となるわけではありませんが、疑わしい取引の届出を検討することが求められます。
問題 33 / 20
外国人顧客が住民登録をしている場合は、在留カードや運転免許証、個人番号カード等の顔写真付きの本人確認書類の提示を求めて本人特定事項を確認する。
住民登録をしている外国人顧客については、顔写真付きの本人確認書類の提示を受けて本人特定事項を確認します。
問題 34 / 20
取引の目的および職業の申告は、必ず書面で受けなければならず、口頭による申告は認められない。
取引の目的および職業の申告は、口頭で受けることも認められています。
問題 35 / 20
外国人顧客との取引は、その顧客が住民登録をしていない場合には行うことができない。
外国人顧客との取引は、住民登録がなくても行うことができます。ただし、住民登録の有無によって用いる本人確認書類が異なります。
問題 36 / 20
外国PEPsの確認は、確認できた範囲で厳格な顧客管理を行うためのものであって、取引の謝絶を前提として行われるものではない。
外国PEPsの確認は、取引を断ることを前提に行うものではなく、確認できた範囲でリスクに応じた厳格な顧客管理につなげるためのものです。
問題 37 / 20
なりすましの疑いがある者に対しては、質問をしたり取引時確認で得た事項の追加情報を集めたりする調査を行うとともに、統括管理者等に、その取引に疑わしい点がないかを確認してもらうことも欠かせない。
質問等の調査を行ったうえで、当該取引に疑わしい点があるかどうかを統括管理者等に確認してもらうことが求められます(犯罪収益移転防止法8条3項、同法施行規則27条1項1号ハ)。
問題 38 / 20
外国PEPsとの特定取引は、通常の取引時確認を行えば足り、資産および収入の状況の確認などの厳格な取引時確認までは求められない。
外国PEPsとの特定取引は、厳格な取引時確認を要する高リスク取引に位置づけられており、通常の確認では足りません。
問題 39 / 20
外国PEPsに該当するのは外国人に限られるため、日本人の顧客に対して外国PEPsに当たるかどうかの確認を行う必要はない。
日本人が外国PEPs本人やその家族等に該当することもあるため、顧客が日本人であっても確認の対象とすべきものとされています。
問題 40 / 20
資産および収入の状況の確認が求められるのは、政令で定める「100万円」を超える財産の移転を伴う取引の場合である。
資産および収入の状況の確認が求められる政令で定める額は「200万円」であり、100万円ではありません(犯罪収益移転防止法施行令11条)。

第6章 顧客管理
総合演習(全分野チェック)
総合演習(全分野チェック)
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第6章⑨まとめ:総合演習(①〜⑧の総点検)
- ①:特定取引=口座開設・大口現金・現金送金など。敷居値以下でも特別の注意を要する取引なら特定取引。自然人の目的・職業は申告でよい。
- ②:法人の登記事項証明書は6ヵ月以内。取引担当者の社員証提示は不可。特定取引でなければ取引時確認は不要。
- ③:本人確認書類はA〜C群、個人番号の通知カードは除外。顧客管理措置=最新に保つ措置+内部管理態勢(努力義務)。
- ④:内部管理態勢は10項目。統括管理者は「各営業店に必ず1名」ではなく、権限の委任も禁止されていない。
- ⑤:外国PEPs=元首・要職・その家族・実質的支配者である法人。国際機関の職員は含まない。日本人でも該当し、謝絶が前提ではない。
- ⑥:実質的支配者は議決権25%超の自然人まで遡る。資本多数決法人か否かで判断方法が異なる。複数該当なら全員。
- ⑦:口座開設は目的・職業の申告。信頼に足る証跡は口頭では足りない。外国人は住民登録の有無で本人確認書類が異なる。
- ⑧:外国PEPsの確認は謝絶が前提でない。なりすまし等は厳格な取引時確認。資産・収入の確認基準は200万円超。
第6章のヤマは「敷居値以下でも特別の注意を要する取引は特定取引」「登記事項証明書は6ヵ月以内」「外国PEPsは日本人でも該当・謝絶が前提ではない」「実質的支配者は議決権25%超・自然人まで遡る」「資産収入の確認は200万円超」! 試験、頑張ってください‼
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