第7章 疑わしい取引【2026年度対応】|⑧ 疑わしい取引の参考事例(口座の利用形態・外国との取引)(一問一答)

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お金の「出入りの仕方」と「行き先」——
同じ口座でも、使われ方のパターンや、送金先の国によって、
マネー・ローンダリングのにおいが立ちのぼることがあります。
「口座の利用形態」と「外国との取引」、2つの視点を一問一答で確認しましょう。
最新!2026年度版対応

📊 この章「疑わしい取引」の配点は100点満点中18点
本サイトの一問一答は2026年度版(2026.7〜2027.6実施の試験)に対応。問題はすべてオリジナルで、試験範囲をもとに独自に作成しています。
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📌 今回のポイント

  • 口座の利用形態=お金の出入りの「パターン」に注目。突如の多額入出金、開設後すぐ解約、現金払戻し直後の別名義での送金などに注意。
  • 解約・休止した口座も対象。「もう口座がないから対応不要」は誤り。
  • 外国との取引はマネー・ローンダリング・テロ資金供与に悪用されやすい。「他国」には日本国内の非居住者も含む。
  • 新しい手口として、暗号資産交換業者の口座への送金や、オンラインカジノの収納・決済代行が疑われる入金、不正利用口座と同一のアクセス環境(IPアドレス・端末等)からの非対面アクセスにも注意。
  • 中古車貿易など実体のある事業でも、経済特区を経由する複雑な送金や説明拒否などのレッドフラグが重なればリスクは高い(イラン・北朝鮮に直接該当しなくても迂回に注意)。

口座の“使われ方”に注目する

同じ口座でも、お金の出入りの仕方(パターン)に不自然さが表れることがあります。金融庁の「疑わしい取引の参考事例」では、口座の利用形態に着目した事例として、次のような取引が挙げられています。
口座の“使われ方”のあやしさ(4つの視点)
  • お金の流れが不自然顧客の属性、収入、資産、過去の取引額等に照らして多額・頻繁な入出金/通常は動きがないのに突如多額の入出金/開設後すぐ多額・頻繁な入出金をして解約・休止/多数の人に頻繁に送金(送金の直前に多額の入金)
  • 送金の経由がおかしい…現金で払い戻した直後に、名義人と異なる人を依頼人として送金/代理店契約などで受け取ったお金の大半を別口座へ送る(代理送金)
  • 第三者が動かしている…異なる名義の複数口座が同じ時間帯・同じATMで頻繁に入出金/匿名・架空名義からの送金を受ける
  • 新しい手口暗号資産交換業者の口座への送金/オンラインカジノの収納・決済代行が疑われる入金/テスト送金の後すぐ高額取引

外国との取引に注目する

国境をまたぐ取引は、資金の流れを追いにくく、マネー・ローンダリングやテロ資金供与に悪用されやすいため、金融庁の参考事例でも独立した類型として挙げられています。
外国との取引のあやしさ(4つの視点)
  • 情報があいまい…他国(日本国内の非居住者を含む)への送金で、送金先・目的・原資に合理的な理由がない/貿易書類や電文の氏名・住所・最終目的地が矛盾
  • 経済合理性がない…理由のない多額の海外送金・受取/多額の信用状で輸出国・数量・価格の説明がつかない
  • あやしい国・地域…マネー・ローンダリング対策に非協力的な国・地域や不正薬物の仕出国に拠点を置く相手との取引/人身取引リスクの高い国へ繰り返し少額送金
  • 貿易を装う…中古車貿易などの商業活動を装い、経済特区を経由して資金が流れる複雑な取引/輸出先の技術水準に合わない製品の輸出
⚠ 「あなたの口座を貸して」に注意(代理送金)

「代理店契約」などと持ちかけられ、自分の口座に振り込まれたお金の一定割合を手数料として受け取り、残りを指定の別口座へ送る——これは、本人が罪の意識のないままマネー・ローンダリングに加担してしまう典型的な手口です。「まず指定口座に自分のお金を振り込んで」と前払いを求められるものは、本人が金銭をだまし取られる詐欺の入口でもあります。

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問題 1 / 16
多数の者に頻繁に送金を行う口座で、送金を行う直前に多額の入金が行われる取引は、疑わしい取引に該当する可能性のある取引として注意を払う必要がある。
多数の相手に頻繁に送金する口座で、送金の直前に多額の入金があるのは、資金を素早く動かして経由させている可能性があり、注意が必要です。
問題 2 / 16
口座開設後、短期間で多額かつ頻繁な入出金が行われ、その後に解約された口座は、すでに口座が存在しないため、疑わしい取引に該当する可能性は低く、その後の対応を検討する必要はない。
口座開設後、短期間で多額・頻繁な入出金が行われ、その後に解約または取引が休止した口座も、疑わしい取引に該当する可能性のある取引として注意が必要です。解約済みであることは対応不要の理由になりません。
問題 3 / 16
通常は資金の動きがないにもかかわらず、突如多額の入出金が行われる口座に係る取引は、疑わしい取引に該当する可能性のある取引として注意を払う必要がある。
ふだん動きのない口座で突然多額の入出金が行われるのは不自然で、第三者による利用などの可能性があり、注意が必要です。
問題 4 / 16
口座から現金で払戻しをし、直後に、払い戻した口座の名義人と異なる者を送金依頼人として現金を送金する取引は、疑わしい取引に該当する可能性のある取引として注意を払う必要がある。
現金で払い戻した直後に、口座名義人とは異なる人を送金依頼人として送金するのは、資金の出どころを分かりにくくする手口の可能性があり、注意が必要です。
問題 5 / 16
預入れ額が多額であるにもかかわらず、合理的な理由もなく利回りの高い商品を拒む顧客は、自分が損をしているだけなので、疑わしい取引として注意を払う必要はない。
多額の預入れがあるのに合理的な理由なく利回りの高い商品を拒むのは、経済合理性から見て異常な取引であり、資金を早く動かすことが目的の可能性があるため注意が必要です。
問題 6 / 16
代理店契約として、自分の口座に振り込まれた金額の一定割合を手数料として受け取り、残りを指定された別の口座へ送金するビジネスは、本人に儲けがあるだけで、マネー・ローンダリングとは無関係である。
振り込まれたお金の大半を別口座へ送るこうした代理送金は、真の送金依頼人や受取人が表に出ず、本人が罪の意識のないままマネー・ローンダリングに加担している可能性が高い取引です。
問題 7 / 16
異なる名義の複数の口座からの入出金が、同一の時間帯または同一の現金自動支払機(ATM)等を用いて頻繁に行われるなど、第三者による口座の管理等が疑われる取引は、疑わしい取引に該当する可能性のある取引として注意を払う必要がある。
名義の異なる複数の口座が、同じ時間帯や同じATMで頻繁に使われるのは、一人の第三者がまとめて口座を管理している可能性があり、注意が必要です。
問題 8 / 16
非対面取引において、不正利用が確認された口座と同一のIPアドレス・端末などのアクセス環境からアクセスがある場合でも、口座の名義が異なっていれば、疑わしい取引として注意を払う必要はない。
非対面取引で、不正利用が確認された口座と同一のアクセス環境(IPアドレス、端末等)からのアクセスがある場合は、名義が異なる顧客でも第三者による口座の操作などが疑われ、疑わしい取引に該当する可能性のある取引として注意が必要です。
問題 9 / 16
他国への送金にあたり虚偽の疑いがある情報や不明瞭な情報を提供する顧客との取引でも、日本国内の非居住者への送金であれば、疑わしい取引として注意を払う必要はない。
ここでいう「他国」への送金には、日本国内の非居住者への送金も含まれます。送金先・送金目的・送金原資について合理的な理由が認められない情報を提供する顧客との取引は、注意が必要です。
問題 10 / 16
多額の信用状の発行に係る取引で、輸出国や輸入数量、輸入価格等について合理的な理由が認められない情報を提供する顧客との取引は、疑わしい取引に該当する可能性のある取引として注意を払う必要がある。
多額の信用状の発行で、輸出国・輸入数量・輸入価格などの説明に合理性がないのは、貿易を装った資金移動の可能性があり、注意が必要です。
問題 11 / 16
マネー・ローンダリング対策に非協力的な国・地域に拠点を置く者との間で顧客が行う取引は、疑わしい取引に該当する可能性のある取引として注意を払う必要がある。
マネー・ローンダリング対策に非協力的な国・地域や、不正薬物の仕出国・地域に拠点を置く相手との取引は、リスクが高く、注意が必要です。
問題 12 / 16
経済合理性のない目的のために他国へ多額の送金を行う取引や、経済合理性のない多額の送金を他国から受ける取引は、疑わしい取引に該当する可能性のある取引として注意を払う必要がある。
経済合理性のない多額の海外送金や受取は、資金を国外へ移したり持ち込んだりすることが目的の可能性があり、注意が必要です。
問題 13 / 16
中古車貿易業など実体のある事業を営む顧客であれば、中東の経済特区を経由する複雑な送金や、不自然な現金の引出しがあっても、テロ資金供与のリスクは低いと考えてよい。
中古車貿易などの商業活動とテロ組織の結びつきは深いとされ、経済特区を経由する複雑な送金や不自然な現金引出しなどのレッドフラグが重なる取引は、実体のある事業に見えてもリスクが高いと考えられます。
問題 14 / 16
犯収法上、マネー・ローンダリング対策の制度整備が不十分な国としてイラン・北朝鮮が指定されているため、この2か国に直接該当しない取引であれば、外国との取引で特に注意すべきことはない。
イラン・北朝鮮に直接該当しない取引でも、経済特区などを経由して制裁を迂回する複雑な仕組みがあり、2か国に該当するかどうかだけで安全と判断するのは適切ではありません。
問題 15 / 16
貿易書類や取引電文上の氏名・法人名・住所・最終目的地等の情報が矛盾している取引は、疑わしい取引に該当する可能性のある取引として注意を払う必要がある。
貿易書類や電文上の氏名・住所・最終目的地などが食い違うのは、真の取引相手や目的地を隠している可能性があり、注意が必要です。
問題 16 / 16
人身取引のリスクが高い国・地域に対し、親族と思われる者へ繰り返し少額の送金を行う取引は、1回ごとの金額が少額であれば、疑わしい取引として注意を払う必要はない。
人身取引リスクの高い国・地域へ、親族と思われる者へ繰り返し少額の送金を行う取引は、1回が少額でも注意が必要な事例として挙げられています。少額であることは安全の理由になりません。
第7章 疑わしい取引
第7章 疑わしい取引
疑わしい取引の参考事例(口座の利用形態・外国との取引)
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✅ まとめ・要点整理

第7章⑧まとめ:疑わしい取引の参考事例(口座の利用形態・外国との取引)
  • 口座の利用形態のあやしさ=突如の多額入出金/開設後すぐ多額・頻繁→解約・休止/現金払戻し直後に別名義で送金/多数の人へ頻繁送金(直前に多額入金)/同一時間帯・同一ATMで異名義の複数口座。
  • 「もう解約された口座だから」「自分の口座への入金だから」で安心しない。経済合理性のない取引(高利回りを拒む等)も注意。
  • 外国との取引のあやしさ=送金先・目的・原資の説明があいまい/経済合理性のない多額送金・受取/非協力的な国・地域や不正薬物の仕出国/人身取引リスクの高い国へ繰り返し少額送金。「他国」は日本国内の非居住者を含む。
  • 新しい手口=暗号資産交換業者への送金、オンラインカジノの収納・決済代行が疑われる入金。
  • 中古車貿易等の商業活動はテロ資金供与と結びつきやすい。実体ある事業でもレッドフラグが重なればリスク高。イラン・北朝鮮の直接該当だけで判断しない(経済特区経由の迂回)。
【頻出ひっかけ】
・解約された口座だから対応不要 → ✕(解約・休止した口座も注意)
・日本国内の非居住者への送金は外国取引の事例から除く → ✕(「他国」に含む)
・利回りの高い商品を拒む=損するだけで無関係 → ✕(経済合理性のない異常取引)
・イラン・北朝鮮に直接該当しなければ安心 → ✕(経済特区を経由する迂回に注意)
試験、頑張ってください‼
💬 実務の現場から

中古車貿易のように実体のある事業でも、中東向けの輸出・不自然な現金引出し・複数国にまたがる複雑な送金・説明の拒否——こうした“引っかかり(レッドフラグ)”がいくつも重なると、テロ資金供与などのリスクが高い取引かもしれません。取引時確認(本人確認)が形式的に済んでいても、それで終わりにしないことが大切です。言葉の壁があっても、疑問に答える説明の義務は顧客側にあるという姿勢で、根気よく確認していきます。

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