第2章 FATF【2026年度対応】|② FATF勧告の変遷・新40の勧告(第4次勧告)(一問一答)

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今回は「FATF勧告の変遷」と「新40の勧告(第4次勧告)」から合計16問(2単元×8問)を出題します。
FATF勧告は時系列(年表)で覚えるのがコツ。1990年の「40の勧告」から2012年の「新40の勧告」までの流れを、下の年表で整理しましょう。
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📌 今回のポイント

  • FATF勧告は時系列で覚える:1990年「40の勧告」(第1次)→1996年 改訂(第2次・重大犯罪へ)→2001年8の特別勧告(テロ資金供与)→2003年 再改訂(第3次・DNFBPs適用)→2004年9の特別勧告→2012年新40の勧告(第4次)
  • 第1次(1990年)=顧客の本人確認・疑わしい取引の報告/第2次(1996年)=前提犯罪を薬物犯罪→重大犯罪に拡大
  • 8の特別勧告(2001年・テロ資金供与)→9の特別勧告(2004年・国境を越える資金の物理的移転防止を追加)。⚠「2001年=9」「2004年=8」は逆
  • 第3次(2003年)=DNFBPsへの勧告適用が代表的トピック。⚠法人・信託/電信送金の透明性向上は2012年の第4次勧告(第3次と混同しやすい)
  • 新40の勧告(第4次・2012年)=「40の勧告」(第3次)と「9の特別勧告」を統合。リスクベース・アプローチ強化/透明性向上/当局機能・国際協力強化/新たな脅威(国内PEPs・税犯罪収益・大量破壊兵器拡散への金融制裁
  • 新40の勧告はAPGを含む9つのFATF型地域体にも適用され、200以上の国・地域で適用。FATF第4次対日相互審査も新40の勧告の基準で実施
FATF勧告は、社会の変化や新たな脅威に合わせてくり返し改訂されてきました。年号と「何が変わったか」をセットで覚えるのが得点のコツです。

① FATF勧告の変遷(年表で覚える)

FATF勧告の歩み

1990年の「40の勧告」(第1次)から始まり、テロ資金供与対策の「8の特別勧告」(2001年)・「9の特別勧告」(2004年)を経て、2012年にこれらを統合した新40の勧告(第4次勧告)に至ります。下の年表で流れをつかみましょう。

1988年麻薬新条約の採択(薬物犯罪収益のマネー・ローンダリング犯罪化を義務付け)
1989年アルシュ・サミットでFATFの設置を採択
1990年FATF「40の勧告」(第1次勧告)を策定=顧客の本人確認・疑わしい取引の報告
1996年「40の勧告」を一部改訂(第2次勧告)=前提犯罪を薬物犯罪から重大犯罪へ拡大
1998年バーミンガム・サミットでFIU(資金情報機関)の設置に合意
2001年米国同時多発テロ → 「8の特別勧告」を策定(テロ資金供与対策)
2003年「40の勧告」を再改訂(第3次勧告)=DNFBPs(指定非金融業者・職業専門家)へ勧告を適用
2004年「8の特別勧告」を「9の特別勧告」に改訂(国境を越える資金の物理的移転防止を追加)
2012年「40の勧告」と「9の特別勧告」を統合 → 「新40の勧告」(第4次勧告)
変遷で押さえるポイント
  • 第1次(1990年)=顧客の本人確認・疑わしい取引の報告/第2次(1996年)=前提犯罪を薬物犯罪→重大犯罪に拡大
  • 8の特別勧告(2001年・テロ資金供与対策)→9の特別勧告(2004年・国境を越える資金の物理的移転防止を追加)
  • 第3次(2003年)=DNFBPsへの勧告適用。⚠「2001年=9」「2004年=8」と順序を逆にするひっかけに注意
第3次勧告(2003年)の主な内容
  • ①マネー・ローンダリングの罪として処罰すべき範囲の拡大・明確化
  • ②本人確認等の顧客管理の徹底
  • ③法人形態を利用したマネー・ローンダリングへの対応=DNFBPs(指定非金融業者・職業専門家)へのFATF勧告の適用
  • ④FIU・監督当局・法執行当局等、マネー・ローンダリング対策に携わる政府諸機関の国内および国際的な協調

② 新40の勧告(第4次勧告・2012年)

新40の勧告(第4次勧告)とは

大量破壊兵器の拡散などの脅威に効果的に対処するため、「40の勧告」(第3次)と「9の特別勧告」を統合して2012年に策定されたのが新40の勧告(第4次勧告)です。FATF第4次対日相互審査も、この新40の勧告の基準で行われました。

新40の勧告の主な内容
  • 「40の勧告」(第3次)と「9の特別勧告」を統合(密接に関係する両者を一本化)
  • リスクベース・アプローチの強化(高リスク分野に厳格な措置・低リスク分野に簡便な措置)
  • 法人・信託・電信送金システムの透明性向上(実質的支配者情報等の基準を厳格化)
  • 当局機能・国際協力体制の強化(法執行機関・FIUの役割と機能を明確化)
  • 新たな脅威への対応PEPsの定義拡大(外国+国内PEPs)/税犯罪収益のマネー・ローンダリング罪対象化/大量破壊兵器拡散への金融制裁
⚠ 「第3次」と「第4次」の取り違えに注意
  • 法人・信託/電信送金システムの透明性向上2012年・新40の勧告(第4次)の内容(2003年の第3次勧告ではない
  • FIU・監督当局・法執行当局の国内/国際的な協調2003年・第3次勧告の内容(新40で初めて提言されたわけではない)
  • 新40の勧告はAPGを含む9つのFATF型地域体にも適用され、200以上の国・地域で適用

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問題 1 / 16
FATFは、設立翌年の1990年に「40の勧告」(第1次勧告)を策定し、金融機関等における顧客の本人確認や疑わしい取引の報告制度等を提言した。
1989年設立の翌1990年に、各国がとるべき措置を「40の勧告」としてとりまとめました。本人確認・疑わしい取引の報告が柱です。
問題 2 / 16
FATFが設立の翌年(1990年)に最初に策定した勧告は、「8の特別勧告」である。
1990年に最初に策定したのは「40の勧告」(第1次勧告)です。「8の特別勧告」はテロ資金供与対策として2001年に策定されました。
問題 3 / 16
1996年の「40の勧告」改定(第2次勧告)では、マネー・ローンダリングの前提となる犯罪が、薬物犯罪だけでなく一定の重大犯罪まで拡大された。
組織犯罪が薬物犯罪以外にも広がったことを背景に、1996年の改定で前提犯罪が重大犯罪まで拡大されました。
問題 4 / 16
2003年の「40の勧告」再改定(第3次勧告)で、法人・信託や電信送金システムに関する透明性の向上が初めて盛り込まれた。
法人・信託や電信送金の透明性向上が盛り込まれたのは2012年の「新40の勧告」(第4次勧告)です。第3次勧告の柱はDNFBPsへの勧告適用等でした。
問題 5 / 16
2003年の「40の勧告」再改定(第3次勧告)では、不動産業者や宝石商、弁護士・会計士等の指定非金融業者および職業専門家(DNFBPs)にも勧告が適用されることとなった。
第3次勧告では、マネー・ローンダリング罪の処罰範囲拡大・顧客管理の徹底に加え、DNFBPsへの勧告適用が盛り込まれました。
問題 6 / 16
FATFは2001年に「9の特別勧告」を策定し、その後2004年にこれを「8の特別勧告」へと改めた。
順序が逆です。2001年に「8の特別勧告」を策定し、2004年に「9の特別勧告」へ改訂しました(国境を越える資金の物理的移転防止を追加)。
問題 7 / 16
「9の特別勧告」(2004年)は、既存の「8の特別勧告」に対し、現金等を国境をまたいで物理的に運ぶ形の資金移転を食い止める措置を新たに加えたものである。
2001年の「8の特別勧告」に、現金等の国境を越える物理的移転防止の措置を加えて、2004年に「9の特別勧告」となりました。
問題 8 / 16
「8の特別勧告」は、薬物犯罪に係るマネー・ローンダリングの防止を目的として策定された。
「8の特別勧告」(2001年)はテロ資金供与対策が目的です。米国同時多発テロを受けて、テロ資金供与の犯罪化等が盛り込まれました。
問題 9 / 16
2012年に策定された「新40の勧告」(第4次勧告)は、「40の勧告」(第3次勧告)と「9の特別勧告」を統合したものである。
密接に関係する両者を一本化し、双方の対策をカバーする「新40の勧告」(第4次勧告)が策定されました。
問題 10 / 16
「新40の勧告」(第4次勧告)で初めて、FIUや監督当局・法執行当局の国内的・国際的な協調が提言された。
FIU・監督当局・法執行当局の協調は2003年の「40の勧告」(第3次勧告)で提言された内容です。新40で初めてではありません。
問題 11 / 16
「新40の勧告」(第4次勧告)では、リスクベース・アプローチが強化され、高リスク分野には厳格な措置、低リスク分野には簡便な措置を認めることとされた。
リスク評価を幅広く行い、高リスクには厳格・低リスクには簡便な措置を認めることで、効率的な対応が求められました。
問題 12 / 16
「新40の勧告」(第4次勧告)では、重要な公的地位を有する者(PEPs)の定義が拡大され、外国PEPsだけでなく国内PEPs等も厳格な顧客管理の対象とされた。
PEPsの定義が拡大され、外国PEPsに加え国内PEPs等についても厳格な顧客管理が求められることとされました。
問題 13 / 16
「新40の勧告」(第4次勧告)は、大量破壊兵器の拡散に関与する者に対する金融制裁は対象としていない。
国際連合安全保障理事会決議に沿って、大量破壊兵器の拡散に関与する者への金融制裁が新たに勧告化されました。
問題 14 / 16
FATF第4次対日相互審査は、2003年に再改定された「40の勧告」(第3次勧告)の基準をもとに行われた。
FATF第4次対日相互審査は、2012年の「新40の勧告」(第4次勧告)の基準をもとに行われました。
問題 15 / 16
2012年策定の「新40の勧告」(第4次勧告)が適用される範囲はFATF加盟国だけにとどまらず、APGなど9つのFATF型地域体を通じて世界200以上の国・地域にまで及んでいる。
FATF勧告は、APG等の9つのFATF型地域体を通じて、200以上の国・地域でマネー・ローンダリング・テロ資金供与対策の基準となっています。
問題 16 / 16
「新40の勧告」(第4次勧告)では、税犯罪によって生じた収益の資金洗浄は、マネー・ローンダリング罪の対象から除外された。
税犯罪によって生じた収益を資金洗浄する行為も、マネー・ローンダリング罪の対象とすることが求められました。除外ではありません。
第2章 FATF
第2章 FATF
FATF勧告の変遷・新40の勧告(第4次勧告)
問正解 / 16問中
結果はスクリーンショットで保存してくださいね 📸

✅ まとめ・要点整理

第2章②まとめ:FATF勧告の変遷・新40の勧告(第4次勧告)
  • FATF勧告は時系列で:1990年(第1次)→1996年(第2次・重大犯罪へ)→2001年(8の特別勧告)→2003年(第3次・DNFBPs)→2004年(9の特別勧告)→2012年(新40の勧告/第4次)
  • 第1次(1990年)=本人確認・疑わしい取引の報告/第2次(1996年)=前提犯罪を薬物犯罪→重大犯罪に拡大
  • 9の特別勧告(2004年)=「8の特別勧告」に国境を越える資金の物理的移転防止を追加
  • 新40の勧告(2012年・第4次)=第3次「40の勧告」と「9の特別勧告」を統合。リスクベース・アプローチ強化・透明性向上・国内PEPs・大量破壊兵器拡散への金融制裁
  • ひっかけ=透明性向上は第4次(2012年)/FIU等の協調は第3次(2003年)/2001年=8・2004年=9(順序)/第4次対日相互審査は新40の勧告の基準
「法人・信託や電信送金の透明性向上は“第4次(2012年)”」「FIU等の協調は“第3次(2003年)”」「2001年=8の特別勧告/2004年=9の特別勧告」――この3つが変遷の頻出ひっかけです!
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