※本サイトの一問一答はすべてオリジナルです。試験範囲をもとに独自に作成しています。
配点をおさらい。
- 1.金融犯罪・・・12点
- 2.FATF・・・10点
- 3.国内法規制・・・10点
- 4.リスクベース・アプローチ・・・20点
- 5.管理態勢・・・12点
- 6.顧客管理・・・18点
- 7.疑わしい取引・・・18点
今回は海外送金等の留意点・実務対応・送金取引の確認事項から合計24問(3単元×8問)を出題します。 なぜ海外送金が高リスクなのか(コルレス契約のしくみ)から、委託先の管理、現場での聞き取りまでを整理します。
- 海外送金等は、国境を越えて複数の金融機関を経由するため資金の追跡が難しく、自行の監視も及びにくい高リスク取引。外為法等の国内外の法規制に則り、関係国等の制裁リスト照合等が必須。
- コルレス先・委託先の管理態勢を監視し、相手任せ・委託先任せにしない(委託しても自らリスクの特定・評価・低減)。シェルバンク(営業実態のない架空銀行)とはコルレス契約を締結・維持しない。
- 実務では送金目的・金額・名義・頻度・支店の合理性に不自然な点がないかを聞き取り。齟齬があれば国内口座への変更を促す/疑わしい取引の届出を検討。
コルレス契約とシェルバンク確認(犯罪収益移転防止法9条)
- コルレス契約=国際決済のため海外の金融機関と結ぶ為替業務の契約。直接契約がない相手へは、コルレス先(コルレス契約のある銀行)を経由して送金を中継する(経由する銀行が増えるほど資金の追跡が困難)
- ⚠️ コルレス先のマネロン等対策が不十分だと加担のおそれ→犯罪収益移転防止法9条で相手が架空銀行(シェルバンク)でないこと等を確認
- 具体的には、相手が取引時確認等に相当する措置の体制を整えているか・監督当局の監督を受けているか・無監督の銀行とコルレス契約を結んでいないかを確認(申告やインターネット公表情報で確認)
海外送金で求められる法令上の対応
- 犯罪収益移転防止法10条で、海外送金時に送金人情報(氏名・住居等・口座番号等)と受取人情報(氏名・口座番号等)を通知する義務(FATF勧告を踏まえた措置)
- 外為法では、10万円相当額超の特定為替取引・資本取引に係る契約・200万円相当額超の両替等で本人確認が必要(取引時確認と同様の流れ。なお取引記録の作成までは外為法では求められない)
- 「国内業務だから外為法は関係ない」という認識は誤り。マネロン等対策の本人確認は犯罪収益移転防止法と外為法の双方の適用のもとで行う
金融庁ガイドラインで求められる対応
- 他の金融機関等に委託しても任せきりにしない=自らのリスクベース・アプローチの枠組みでリスクの特定・評価・低減を着実に実行。自らの顧客の海外送金を顧客リスク評価に反映
- 送金取引の確認=申込み支店で取引する合理的理由・年齢/職業に照らした送金目的・金額の妥当性・短期間に頻繁な送金でないか・口座開設目的との齟齬・高リスク国・地域の拠点
- 名義上の者でなく真の送金人・受取人が判明したらそのリスクで属性調査・モニタリング。不自然・不合理なら国内口座への変更を促す・疑わしい取引の届出を検討
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問題 1 / 24
金融機関等がコルレス契約を締結している場合、マネロン・テロ資金供与リスクの低減措置の実効性は相手方の管理態勢によらざるを得ない面があるため、コルレス契約の相手方のリスク管理態勢を適切に監視することが求められる。
コルレス契約や受託の場合、低減措置の実効性は相手方の管理態勢に拠らざるを得ないため、相手方の管理態勢を適切に監視することが求められます。
問題 2 / 24
金融機関等が他の金融機関等に海外送金を委託する場合、リスクの特定・評価・低減の措置は送金を実行する受託先が行うため、委託した金融機関等にはこれらの措置を講じることは求められていない。
他の金融機関等に海外送金を委託する場合でも、自らのリスクベース・アプローチの枠組みの下で位置付け、リスクの特定・評価・低減を着実に実行することが求められます。委託先に任せきりにはできません。
問題 3 / 24
コルレス先が架空銀行であった場合や、コルレス先がその保有する口座を架空銀行に利用されることを許容していた場合、当該コルレス先との契約を締結・維持しないことが求められる。
架空銀行(シェルバンク)は匿名性が高く真の受益者等が隠匿される可能性が高いため、コルレス先として不適格で、契約を締結・維持しないことが求められます。
問題 4 / 24
海外送金等の業務は、取引相手に対して自らの監視が及びやすく、国内に影響範囲がとどまる業務と同程度のリスクしかない。
海外送金等の業務は、取引相手に対して自らの監視が及びにくいなど、国内に影響範囲がとどまる業務とは異なるリスクに直面している点に留意が必要です。
問題 5 / 24
自らまたは他の金融機関等を通じて海外送金等を行う場合には、外為法をはじめとする国内外の法規制等に則り、関係国等の制裁リストとの照合等の必要な措置を講ずる必要がある。
海外送金等では、外為法をはじめとする国内外の法規制等に則り、関係国等の制裁リストとの照合等の必要な措置を講ずることが当然に求められます。
問題 6 / 24
送金人や受取人が自らの直接の顧客でない場合には、制裁リストとの照合のみで足り、コルレス先や委託元金融機関等と連携した厳格な顧客管理を検討する必要はない。
直接の顧客でない場合でも、制裁リストとの照合だけでなく、コルレス先や委託元金融機関等と連携しながら、必要に応じてリスクに応じた厳格な顧客管理を検討することが求められます。
問題 7 / 24
送金依頼書等の名義上の者ではなく、真の送金人や受取人が存在することが判明した場合には、その真の送金人・受取人のリスクを踏まえて属性の調査や取引モニタリング等の措置を講ずる必要がある。
名義上の者ではなく真の送金人・受取人が判明した場合は、そのリスクを踏まえて属性調査や取引モニタリング等の措置を講ずる必要があります。
問題 8 / 24
コルレス先のリスク管理態勢は、契約締結時に一度確認すれば足り、その後に定期的な監視や見直しを行う必要はない。
コルレス先については、リスク評価に応じた頻度で監視し、得られた情報も加味してリスク評価を見直すことが求められます。一度の確認では足りません。
問題 9 / 24
遠隔地の別支店に口座を有する顧客がY支店に来店し、多額の現金による海外送金を依頼した場合、既存顧客であることが本人確認資料等で確認できれば、そのまま依頼に沿って海外送金を受け付けてよい。
送金申込みのあった支店で取引を行うことに合理的な理由があるかという観点で、職員が顧客に聞き取りを行い、信頼に足る証跡を求める必要があります。既存顧客の確認だけでは足りません。
問題 10 / 24
顧客が2,000万円の現金を持ち込み海外送金を依頼した場合、既存顧客であり職業が大学生と登録されていることを確認して本人確認ができれば、送金を受け付けてよい。
顧客の年齢や職業等に照らして送金目的・金額に不合理な点が認められる場合は、聞き取りや信頼に足る証跡を求める等により、実態確認・調査を行う必要があります。
問題 11 / 24
既存顧客から海外送金を受け付けた後、10日間にわたり同じ顧客から海外送金依頼が続いた場合でも、初回と同様の取引時確認のみを行えば足りる。
短期間のうちに頻繁に行われる送金についても、信頼に足る証跡を求める等により、追加で顧客や取引の実態確認・調査をすることが求められます。
問題 12 / 24
顧客が現金を持ち込み海外送金を依頼した際、送金目的が口座開設時の取引目的と齟齬が認められたため、顧客に聞き取りを行った対応は妥当である。
送金目的が口座開設時の取引目的と齟齬する場合は、聞き取りにより実態を確認することが求められます。妥当な対応です。
問題 13 / 24
送金取引を受け付けるにあたっては、送金申込みのあった支店で取引を行うことについて合理的な理由があるか、という観点での確認・調査が求められる。
「金融機関等における送金取引等についての確認事項等について」では、申込み支店で取引する合理的理由の有無等を確認・調査することが求められます。
問題 14 / 24
送金取引の確認では、顧客の年齢や職業・事業内容等に照らして、送金目的や送金金額に不合理な点がないかを確認・調査することが求められる。
顧客の年齢や職業・事業内容等に照らし、送金目的や送金金額に不合理な点がないかを確認・調査することが求められます。
問題 15 / 24
これまで資金の動きがない口座に突如多額の入出金が行われるなど、取引頻度や金額に不合理な点がないかは、送金取引の確認事項に含まれる。
取引頻度・金額に不合理な点がないか(資金の動きがない口座の突然の多額入出金等)も、送金取引の確認事項に含まれます。
問題 16 / 24
顧客またはその実質的支配者が、マネロン・テロ資金供与リスクが高いとされる国・地域に拠点を置いているかどうかは、送金取引の確認事項とは無関係である。
顧客やその実質的支配者が高リスクとされる国・地域に拠点を置いていないかも、送金取引の確認事項に含まれます。
問題 17 / 24
A生命保険会社がB銀行に海外送金を委託する場合、委託先のB銀行が制裁リスト照合等を行うため、A社は送金先についていっさい確認をしなくてよい。
他の金融機関等に委託する場合でも、A社自身が海外送金等によるリスクの特定・評価・低減を着実に行う必要があり、送金先の属性確認をいっさい行わないのは低減措置が不十分と評価されかねません。
問題 18 / 24
国内に住所登録のある契約者から満期保険金の海外送金を依頼された場合、取引時確認済みの既存顧客であることが確認できれば、依頼どおり指定された海外口座へ送金してよい。
取引時確認済みかどうかだけでなく、海外送金が必要な理由や送金先口座の名義人(依頼者本人の口座か)等を確認し、不自然・不合理な点があれば国内口座への変更を促すことや疑わしい取引の届出も検討すべきです。
問題 19 / 24
短期間に多件数・高額の一時払年金保険を現金で契約した顧客から、全契約の解約と解約返戻金の海外送金(契約者名義と異なる海外口座)を依頼された場合、短期解約や海外送金が必要な理由等を聞き取ることは妥当である。
貯蓄性保険の現金・一括払い・短期解約・名義の異なる海外送金等はマネロン・テロ資金供与の可能性を検討すべき状況で、短期解約や海外送金の理由、送金先口座の管理状況等を確認することが考えられます。
問題 20 / 24
死亡保険金受取人から複数の海外口座への分割支払を依頼された場合、指定口座が受取人本人名義であれば、国内口座の有無や口座分割の理由を確認せずに送金してよい。
本人名義であっても、海外送金が必要な理由や口座分割を行う理由等を確認し、不自然・不合理な点があれば国内口座への変更を促すことや疑わしい取引の届出も検討すべきです。
問題 21 / 24
他の金融機関等に海外送金等を委託する場合でも、自らが行う他の業務と同様に、海外送金等によるマネロン・テロ資金供与リスクの特定・評価・低減を着実に行うことが求められる。
委託する場合でも、自らのリスクベース・アプローチの枠組みの下で、リスクの特定・評価・低減を着実に実行することが求められます。
問題 22 / 24
他の金融機関等に海外送金等を委託する場合でも、自らの顧客が海外送金取引を行っていること自体を顧客リスク評価に反映し、評価に応じた継続的な顧客管理を実施することが求められる。
委託する場合でも、自らの顧客が海外送金取引を行っていることを顧客リスク評価に反映し、評価に応じた継続的な顧客管理を実施することが求められます。
問題 23 / 24
送金先として指定された口座の名義が契約者と異なることを許容する場合には、当該口座名義人についても、関係各国の制裁リストとの照合等による属性確認を行うことが不可欠である。
送金先口座は契約者名義が望ましく、名義が異なることを許容するなら、当該口座名義人についても制裁リスト照合等による属性確認が不可欠です。
問題 24 / 24
顧客の確認の結果、不自然・不合理な点があっても、いったん受け付けた海外送金については、国内口座への変更を促すことや疑わしい取引の届出を検討する必要はない。
確認の結果、不自然・不合理な点があれば、国内口座への支払先変更を促すことや疑わしい取引の届出を検討すべきです。

第4章 リスクベース・アプローチ
海外送金等の留意点・実務対応・送金取引の確認事項
海外送金等の留意点・実務対応・送金取引の確認事項
問正解 / 24問中
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第4章⑧まとめ:海外送金等の留意点・実務対応・送金取引の確認事項
- 海外送金は資金追跡が難しく監視も及びにくい高リスク取引。外為法等の法規制+関係国等の制裁リスト照合が必須
- コルレス契約=海外金融機関と結ぶ為替契約。直接契約がなければコルレス先を経由して中継。犯罪収益移転防止法9条でシェルバンク(架空銀行)でないこと等を確認
- 犯罪収益移転防止法10条=送金人・受取人情報の通知義務/外為法=10万円超の特定為替取引等で本人確認(犯罪収益移転防止法と外為法の双方が適用)
- 委託しても任せきりにせず自らリスクの特定・評価・低減。コルレス先・委託先の管理態勢を監視。自らの顧客の海外送金を顧客リスク評価に反映
- 送金取引の確認=支店の合理性・年齢/職業に照らした目的金額・頻繁な送金・口座開設目的との齟齬・高リスク国地域の拠点
- 不自然・不合理なら国内口座への変更を促す・疑わしい取引の届出を検討。名義が異なる送金先は口座名義人の制裁リスト照合が不可欠
「委託先・コルレス先に任せきりにしない」「架空銀行とはコルレス契約しない」「不自然・不合理なら国内口座への変更や疑わしい取引の届出も検討」――この3つが頻出です! 試験、頑張ってください‼
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