今回は「FATF第4次対日相互審査の結果①(評価の数字とフォローアップ)」と「結果②(報告書の主な評価結果)」から合計16問(2単元×8問)を出題します。 最大のポイントは日本の成績=技術的遵守状況評価は40項目中11項目がPC・NC、有効性評価は11項目中8項目がM(中程度)、そして日本は“合格水準”の通常フォローアップに届かず重点(強化)フォローアップとなりました。
- 第4次対日相互審査結果=技術的遵守状況評価(法令等整備状況審査)は40項目中11項目がPC(一部履行)またはNC(不履行)(内訳=C:4/LC:24/PC:10/NC:1/評価せず(N/A):1)
- 有効性評価(有効性審査)は11項目中8項目がM(中程度)(内訳=S:3/M:8。H(高い)・L(低い)はなし)
- フォローアップは2区分=通常フォローアップ(“合格水準”)/強化フォローアップ(=解説書・全銀協の「重点フォローアップ」と同じ。日本はこちら)。日本は5年間フォローアップ評価・通常3回のフォローアップレポートが求められる
- 通常フォローアップ国=スペイン・イタリア・英国など/重点(強化)フォローアップ国=日本・米国・カナダ・シンガポールなど(第4次は大半の国が重点側・2021年8月末時点)
- FATF議長ステートメント(2021年6月)=日本は成果を上げている(delivering results)としつつ、金融機関等の監督・予防措置、法人等の悪用防止、捜査・訴追などで優先的に取り組む必要があるとされた
- 報告書の主な評価=大規模銀行(GSIB等)等はリスク理解が適切/その他は限定的。金融監督当局は効果的・抑止力ある一連の制裁措置を活用していない。法人の正確かつ最新の実質的支配者情報は一様に得られていない
| 技術的遵守状況評価(TC・40項目) | |
|---|---|
| C(履行) | 4項目 |
| LC(おおむね履行) | 24項目 |
| PC(一部履行) | 10項目 |
| NC(不履行) | 1項目 |
| 評価せず(N/A) | 1項目 |
| うちPC+NC | 11項目 |
| 有効性評価(IO・11項目) | |
|---|---|
| H(高い) | - |
| S(十分) | 3項目 |
| M(中程度) | 8項目 |
| L(低い) | - |
| うちM | 8項目 |
| 分類 | 重点(強化) フォローアップ |
フォローアップ区分(押さえる)
- 通常フォローアップ=“合格水準”といわれる区分(約3年後までに改善状況を示す)
- 強化フォローアップ=報告頻度が高い区分。解説書・全銀協では「重点フォローアップ」と表記されるが同じもの。日本はこちらで、5年間フォローアップ評価・通常3回のレポートが求められる
- 通常フォローアップ国=スペイン・イタリア・ポルトガル・イスラエル・英国など/重点(強化)フォローアップ国=日本・米国・カナダ・シンガポール・スイスなど(大半の国が重点側・2021年8月末時点)
報告書の主な評価結果(頻出)
- 大規模銀行(より高いリスクを有するGSIB等)を含む一定数の金融機関・資金移動業者はリスク理解が適切/その他の金融機関はリスク理解が限定的
- 一定数の金融機関はリスク評価を開始しているが、その他は低減措置を未適用。継続的顧客管理・取引モニタリング・実質的支配者の確認検証など、最近導入・変更された義務の理解が不十分
- 金融監督当局(金融庁を含む)は効果的かつ抑止力のある一連の制裁措置を活用していない
- 法人について正確かつ最新の実質的支配者情報がまだ一様に得られていない/DNFBPs(指定非金融業者および職業専門家)は義務の理解が低い水準
⚠ よくあるひっかけ
- 「ほとんどの金融機関が金融庁のガイドラインに係る義務について十分な理解を有している」は誤り=報告書にそうした記述はなく、理解が限定的な金融機関が明確な期限を設定していないと指摘された
- 実質的支配者情報は「すでに一様に得られている」ではなく、まだ一様に得られていない(要改善)
フォローアップ報告書による格上げ(財務省公表・2026年6月時点)
- 第1回(2022年9月)=勧告2(国内関係当局間の協力)がPC→LC
- 第2回(2023年10月)=勧告5・6・24・28がPC→LC、勧告8(NPOの悪用防止)がNC→PC
- 第3回(2024年10月)=勧告7・8・12・22・23・25の6つがPC→LCに格上げ
- ただし日本全体の分類は引き続き重点(強化)フォローアップの対象(卒業はしていない)
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問題 1 / 16
法制度の整備状況などを審査する技術的遵守状況評価(法令等整備状況審査)において、日本は40項目中11項目で「一部履行(PC)」もしくは「不履行(NC)」とされた。
日本は技術的遵守状況評価でC:4・LC:24・PC:10・NC:1・評価せず(N/A):1となり、PCとNCを合わせて40項目中11項目でした。
問題 2 / 16
法制度の運用やリスクに応じた対応の実現度・有効性を審査する有効性評価(有効性審査)において、日本は11項目中8項目で「中程度(M)」とされた。
日本は有効性評価でS(十分):3・M(中程度):8でした。HやLと評価された項目はありませんでした。
問題 3 / 16
改善状況のフォローアップにおいて、日本は報告頻度の低い「通常フォローアップ」には届かず、より報告頻度の高い区分に分類され、5年間フォローアップ評価が行われ、通常3回のフォローアップレポートの作成が求められることとなった。
日本は“合格水準”といわれる通常フォローアップには届かず、報告頻度の高い区分(問題集では「強化フォローアップ」、解説書・全銀協では「重点フォローアップ」)に分類され、5年間の評価と通常3回のレポート作成が求められます。
問題 4 / 16
第4次相互審査を受けたFATF加盟国のうち、日本とメキシコを除くほとんどの国が「通常フォローアップ国」に分類された。
第4次相互審査では大半の国が重点(強化)フォローアップ国とされ、日本・米国・カナダなどが含まれます。通常フォローアップ国はスペイン・イタリア・英国など一部にとどまります。
問題 5 / 16
日本の技術的遵守状況評価(法令等整備状況審査)では、40項目すべてが評価対象とされ、「評価せず(N/A)」とされた項目はなかった。
日本の技術的遵守状況評価では「評価せず(N/A)」が1項目ありました。内訳はC:4・LC:24・PC:10・NC:1・N/A:1です。
問題 6 / 16
日本の有効性評価(有効性審査)では、最高評価の「高い(H)」とされた項目も、最低評価の「低い(L)」とされた項目もあった。
日本の有効性評価はS(十分):3・M(中程度):8で、H(高い)やL(低い)と評価された項目はありませんでした。
問題 7 / 16
FATF議長は2021年6月のステートメントで、日本のマネー・ローンダリング・テロ資金供与対策は成果を上げている(delivering results)と結論づける一方、金融機関等の監督・予防措置などの分野で優先的に取り組む必要があるとした。
2021年6月のFATF議長ステートメントでは、日本は成果を上げているとされつつ、金融機関等の監督・予防措置、法人等の悪用防止、捜査・訴追などで優先的に取り組む必要があるとされました。
問題 8 / 16
「重点フォローアップ」と「強化フォローアップ」は別の分類であり、日本は「重点フォローアップ」には該当するが「強化フォローアップ」には該当しない。
「重点フォローアップ」(解説書・全銀協の表記)と「強化フォローアップ」(問題集の表記)は同じ分類を指します。日本はこの分類(通常フォローアップより報告頻度が高い)に該当します。
問題 9 / 16
大規模銀行(より高いリスクを有するとされるGSIB等)を含む一定数の金融機関や資金移動業者は、リスクについて適切な理解を有しているが、その他の金融機関では、自らのリスクの理解が限定的であると評価された。
大規模銀行や資金移動業者の一定数はリスクを適切に理解している一方、その他の金融機関ではリスク理解が限定的と評価されました。
問題 10 / 16
一定数の金融機関は自らのリスク評価を開始しているが、その他の金融機関はリスクに基づいた低減措置を適用しておらず、継続的顧客管理・取引モニタリング・実質的支配者の確認や検証など、最近導入・変更された義務について十分な理解を有していないと評価された。
一部はリスク評価を開始しているものの、その他は低減措置を適用しておらず、継続的顧客管理・取引モニタリング・実質的支配者の確認検証などの新しい義務への理解が不十分と評価されました。
問題 11 / 16
ほとんどの金融機関は金融庁のガイドラインに係る義務について十分な理解を有しているものの、義務を履行するための明確な期限を設定していないと評価された。
報告書に「ほとんどの金融機関が十分な理解を有している」という記述はありません。リスク理解が限定的な金融機関が、新しい義務を履行するための明確な期限を設定していないと指摘されました。
問題 12 / 16
金融庁を含む金融監督当局は、金融機関に対する効果的かつ抑止力のある一連の制裁措置を十分に活用していると評価された。
報告書では逆に、金融庁を含む金融監督当局は、効果的かつ抑止力のある一連の制裁措置を活用していないと指摘されました。
問題 13 / 16
指定非金融業者および職業専門家(DNFBPs)は、リスクや対策に係る義務について、低いレベルの理解しか有していないと評価された。
DNFBPs(指定非金融業者および職業専門家)は、リスクや義務について低いレベルの理解にとどまると評価されました。
問題 14 / 16
疑わしい取引の届出の総件数は増加傾向にあり、その大部分は金融分野からのものであると評価された。
疑わしい取引の届出件数は増加傾向で、その大部分は金融分野からのもの(3分の1は大規模銀行)と評価されました。
問題 15 / 16
暗号資産交換業者は、暗号資産取引に関連する犯罪リスクについて全く理解しておらず、基本的な対策上の義務も実施していないと評価された。
暗号資産交換業者は、犯罪リスクについて一般的な知識を有し、基本的な対策上の義務を実施していると評価されました。「全く理解していない」わけではありません。
問題 16 / 16
法人について、正確かつ最新の実質的支配者情報は、日本ではすでに一様に得られていると評価された。
報告書では、法人について正確かつ最新の実質的支配者情報がまだ一様に得られておらず、対応が必要だと指摘されました。

第2章 FATF
FATF第4次対日相互審査の結果(日本の成績・フォローアップ)
FATF第4次対日相互審査の結果(日本の成績・フォローアップ)
問正解 / 16問中
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第2章⑦まとめ:FATF第4次対日相互審査の結果①②
- 技術的遵守状況評価=40項目中11項目がPC・NC(C:4/LC:24/PC:10/NC:1/N/A:1)/有効性評価=11項目中8項目がM(S:3/M:8)
- 日本は強化フォローアップ(=重点フォローアップ)=“合格水準”の通常フォローアップには届かず。5年間評価・通常3回のレポート
- 大半の国が重点(強化)フォローアップ(日本・米国・カナダなど)/通常フォローアップはスペイン・イタリア・英国など一部(2021年8月末時点)
- 報告書=大規模銀行等は理解適切/その他は限定的、新しい義務(継続的顧客管理等)の理解が不十分/金融監督当局は抑止力ある制裁措置を活用せず
- ひっかけ=「ほとんどの金融機関がガイドラインの義務を十分理解」は誤り/実質的支配者情報はまだ一様に得られていない
「技術的遵守は40中11がPC・NC/有効性は11中8がM(数字を入れ替えるひっかけ)」「日本は“合格水準”の通常フォローアップではなく重点(強化)フォローアップ」「“ほとんどの金融機関がガイドラインの義務を十分に理解”は誤り」――この3つが頻出ひっかけです! 試験、頑張ってください‼
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