この記事は、第2章「FATF」の入り口となる、FATF(金融活動作業部会)とは何かを早わかり表でつかみ、APG/JAFIC/DNFBPs/FATCAの違いまで整理してから、一問一答に進む構成です。 これまで約30年、銀行でマネロン対策と向き合ってきた私が(本試験合格済み)、試験に出る要点を一問一答にまとめました。似た名前の組織が多いテーマなので、違いを意識しながら解いてください。 加盟国数などの数字は「いつ時点か」まで確認し、法令基準日2026年7月1日にあわせて内容を見直しています。
- FATF(Financial Action Task Force=金融活動作業部会)=1989年のアルシュ・サミット経済宣言を受けて設立された政府間会合組織。
当初は薬物犯罪のマネー・ローンダリング防止が目的→2001年〜テロ資金供与対策
2012年〜拡散金融対策も対象に(指導的な役割) - FATFの全体会合(総会)は年に3回(2月・6月・10月)
日本からの出席は財務省・金融庁・警察庁・法務省・外務省の5省庁(経済産業省・内閣府は含まない) - FATFの主な役割は4つ:
①FATF勧告の策定・見直し
②参加国間の相互審査
③非参加国への遵守推奨
④手口・傾向の研究
事務局はOECD(経済協力開発機構)に設置。(APGではない) - 参加は38の国・地域+2つの地域機関(欧州委員会EC・湾岸協力理事会GCC)=2025年10月末時点。
日本は設立当初メンバー。
インサイダー取引の防止対策は対象外 - 機能が類似する国際組織=APG(Asia/Pacific Group on Money Laundering)(1997年設立)。
JAFIC=日本のFIU
・DNFBPs=勧告の適用対象者
・FATCA=米国の税法はいずれも「FATFと類似の国際組織」ではない - APGの役割:
FATF勧告実施の推奨、域内の法整備促進、相互審査、手口・傾向の情報交換
APG参加は42の国・地域(2026年8月時点・FATFの38と混同しやすい)
まずは要点を「FATF早わかり表」で押さえましょう(時点が変わりうる数字は、いつ現在かを明記しています)。
| 正式名称 | Financial Action Task Force(金融活動作業部会) |
|---|---|
| 設立 | 1989年(アルシュ・サミット経済宣言を受けて) |
| 当初の目的 | 薬物犯罪に係るマネー・ローンダリングの防止 |
| 現在の対象 | マネー・ローンダリング テロ資金供与(2001年〜) 拡散金融(大量破壊兵器の拡散防止・2012年〜) |
| 事務局 | OECD(経済協力開発機構)内 ※「APG内」ではない |
| 全体会合(総会) | 年3回(2月・6月・10月) |
| 日本の出席省庁 | 財務省・金融庁・警察庁・法務省・外務省 の5省庁 |
| 参加 | 38の国・地域+2つの地域機関(欧州委員会EC・湾岸協力理事会GCC) 2025年10月末時点 |
| 日本の立場 | 設立当初からのメンバー/1998〜1999年に議長国 |
| 主な役割(4つ) | ①勧告の策定・見直し ②相互審査 ③非参加国への遵守推奨 ④手口・傾向の研究 |
1989年にサミットの宣言から生まれた政府間会合で、いまは薬物だけでなくテロ資金供与と拡散金融までを見ている。これがFATFの輪郭です。
- FATFの主な役割は4つ=
①勧告の策定・見直し
②相互審査
③非参加国への遵守推奨
④手口・傾向の研究 - 全体会合は年3回(2月・6月・10月)
→「年4回」「9月・12月」は誤り - 出席は財務省・金融庁・警察庁・法務省・外務省の5省庁
→「経済産業省」「内閣府」は含まない - 事務局はOECD(経済協力開発機構)内
→「APG内」は誤り - 対象はマネロン・テロ資金供与・拡散金融
→「インサイダー取引」は対象外
→「マネー・ローンダリングのみ」「テロ資金供与は担っていない」も誤り - 類似組織はAPGだけ。
JAFIC=日本のFIU(国内機関)
DNFBPs=勧告の適用対象者
FATCA=米国の税法
→いずれも「FATFと機能が類似する国際組織」ではない - 参加の数字はFATF=38の国・地域+2つの地域機関(2025年10月末時点)
APG=42の国・地域(2026年8月時点)
→「120」「138」への置き換え、38と42の取り違えが定番の出題。数字は「いつ時点か」までセットで覚える
加盟国は時点で変わります(下の一覧は2025年10月末時点)。数字を「120」「138」に置き換えた選択肢が定番です。
FATF加盟国 38の国・地域+2つの地域機関(2025年10月末時点・一覧)
アイスランド、アイルランド、アルゼンチン、イスラエル、イタリア、インド、インドネシア、英国、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、豪州、サウジアラビア、シンガポール、スイス、スウェーデン、スペイン、中国、デンマーク、ドイツ、トルコ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、フィンランド、ブラジル、フランス、米国、ベルギー、ポルトガル、香港、マレーシア、南アフリカ、メキシコ、ルクセンブルク、ロシア(38の国・地域)
地域機関:欧州委員会(EC)、湾岸協力理事会(GCC)
※ロシアは2023年2月以降、FATFへの加盟資格が停止されています。
数字だけを覚えるなら38の国・地域。顔ぶれより、この数と「時点で変わる」という前提のほうが問われます。
- FATF勧告=マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策の国際基準(40項目)。1990年初版→2012年に大幅改定(「新40の勧告」)。法的拘束力はないが、事実上の国際標準として各国が遵守
- 相互審査(ミューチュアル・エバリュエーション)=FATF加盟国が互いのマネー・ローンダリング・テロ資金供与対策を審査し合う仕組み。審査結果は公表され、国際的な信頼性・評判に直結
基準をつくる勧告と、守れているかを見る相互審査。この2本柱でFATFは動いている、と押さえてください。
- 2021年8月=第4次対日相互審査報告書が公表。日本は強化フォローアップ(重点フォローアップ)の対象に
- 2024年10月10日=第3回(最終)フォローアップ報告書が公表され、第4次審査への対応が一区切り(財務省)
- 現在は第5次対日相互審査に向けて準備中。オンサイト審査は2028年6月、審査結果の採択は2029年2月の予定(財務省公表・2026年5月時点)。行動計画(2024〜2026年度)を推進中
第4次で重点フォローアップとなり、第3回報告で一区切り、いまは第5次へ。日本の立ち位置はこの流れで覚えると迷いません。
- ブラックリスト(高リスク国)=対策が著しく不十分で、強化措置(対抗措置)を求める国・地域。金融機関は取引に特に高い注意が必要
- グレーリスト(強化モニタリング対象)=改善が必要としてFATFが監視している国・地域
対策が著しく足りない国がブラックリスト、改善を約束して見張られている国がグレーリスト。厳しさの順番で覚えるのがいちばん確実です。
APGの参加は42の国・地域(2026年8月時点)。FATFの38と混同しないよう注意。
APG参加国・地域 42の国・地域(2026年8月時点・一覧)
アフガニスタン、オーストラリア、バングラデシュ、ブータン、ブルネイ、カンボジア、カナダ、台湾、中国、クック諸島、フィジー諸島、香港、インド、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マカオ、マレーシア、モルディブ、マーシャル諸島、モンゴル、ミャンマー、ナウル、ネパール、ニュージーランド、ニウエ、パキスタン、パラオ、フィリピン、パプアニューギニア、サモア、シンガポール、ソロモン諸島、スリランカ、タイ、ツバル、東ティモール、トンガ、米国、バヌアツ、ベトナム(42の国・地域)
APGは42の国・地域、FATFは38の国・地域。似た数字が並ぶので、どちらがどちらかだけは取り違えないようにしてください。
- APG=FATFと類似の国際組織(APGの役割はFATF勧告実施の推奨・域内の法整備促進・相互審査・情報交換/参加は42の国・地域=2026年8月時点)
- JAFIC(Japan Financial Intelligence Center)=日本のFIU(資金情報機関)。国際組織ではなく国内機関
- DNFBPs(Designated Non-Financial Businesses and Professions)=指定非金融業者および職業専門家=FATF勧告の適用対象者
- FATCA(Foreign Account Tax Compliance Act)=外国口座税務コンプライアンス法(米国の税法・2010年制定)。マネー・ローンダリング対策の国際枠組みではない
国際組織はAPGだけです。JAFICは国内機関、DNFBPsは対象者、FATCAは米国の税法。国際枠組みかどうかで仕分けると混ざりません。
- FATF=Financial Action Task Force(金融活動作業部会)
- APG=Asia/Pacific Group on Money Laundering(アジア・太平洋マネー・ローンダリング対策グループ)
- FIU=Financial Intelligence Unit(資金情報機関。各国への設置はバーミンガム・サミットで合意)
- JAFIC=Japan Financial Intelligence Center(日本のFIU。現在は警察庁に属し、2025年10月末時点で120の国・地域と情報交換の枠組みを設定)
- DNFBPs=Designated Non-Financial Businesses and Professions(指定非金融業者および職業専門家)
- FATCA=Foreign Account Tax Compliance Act(外国口座税務コンプライアンス法・米国法/米国外の金融機関に口座情報の提供を求める)
- FSAP=Financial Sector Assessment Program(世界銀行・国際通貨基金〈IMF〉による金融セクター評価プログラム)
- OECD=Organisation for Economic Co-operation and Development(経済協力開発機構。FATF事務局が置かれる)
略語は音が似ているだけで、正式名称まで戻れば中身は別物です。頭文字が何の略かをたどれるようにしておくと安全です。
〇か✖をタップ!
正解の場合は青で表示されます
不正解の場合は赤で表示されます
16問解くと結果が表示されます。
もう一度チャレンジを押すと、出題の順番が入れ替わります。

FATFとは・機能が類似する国際組織
- FATF(Financial Action Task Force)=1989年アルシュ・サミットを受けて設立。当初は薬物犯罪のマネー・ローンダリング防止→2001年〜テロ資金供与・2012年〜拡散金融も対象
- 全体会合は年に3回(2月・6月・10月)
出席5省庁=財務省・金融庁・警察庁・法務省・外務省。事務局はOECD内 - FATFの主な役割は4つ(勧告策定/相互審査/非参加国への遵守推奨/手口・傾向の研究)。参加は38の国・地域+2地域機関(2025年10月末時点)
- 機能が類似する国際組織はAPG(1997年・42の国・地域=2026年8月時点)。APGの役割はFATFに類似。JAFIC=日本のFIU、DNFBPs=適用対象者、FATCA=米国の税法は別物
- 数字は「いつ時点か」を確認(FATF38/APG42)。インサイダー取引は対象外
「会合は年3回(2月・6月・10月)」「出席は財務省・金融庁・警察庁・法務省・外務省の5省庁」「JAFIC=日本のFIU、FATCA=米国の税法」。この区別が頻出ひっかけです! 試験、頑張ってください‼
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