第3章 国内法規制【2026年度対応】|② 国際テロリスト等財産凍結法・テロ資金提供処罰法(一問一答)

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今回は第3章 国内法規制「テロ対策の2つの法律」から合計16問(2単元×8問)を出題します。国際テロリスト等財産凍結法(資産を凍結する)テロ資金提供処罰法(提供を処罰する)――まずは2つの役割の違いを押さえましょう。
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📌 今回のポイント

  • テロ対策の国内法は役割で2つ=国際テロリスト等財産凍結法(公告国際テロリストの資産を凍結)とテロ資金提供処罰法(テロ資金の提供等を処罰)
  • 国際テロリスト等財産凍結法=公告国際テロリストを相手とする一定の取引には公安委員会の許可が必要。対外取引はもともと外為法で規制、外為法で規制できなかった国内取引を規制するために制定(2014年11月成立・2015年10月施行)
  • 一定の取引(同法9条)=1万5,000円超の規制対象財産(金銭・有価証券・貴金属・土地・建物・自動車等)の贈与/貸付け/売却等の対価の支払/預貯金等債務の履行/特定金銭債権の譲受け(「10万円超」はひっかけ)
  • 2023年6月の改正で、従来の「国際テロリスト財産凍結法」から名称に「等」が加わり、大量破壊兵器の拡散に関係する者の国内取引(居住者間取引)も資産凍結の対象に
  • テロ資金提供処罰法=米国同時多発テロ・FATF勧告を受けて2002年7月施行。禁止対象のテロリスト等にはテロ行為の協力者も含む。資金だけでなく土地・建物・物品・役務の利益提供も対象で、直接・間接の提供者とも処罰(未遂・勧誘も処罰/法人も両罰
第3章 国内法規制には、テロ対策の法律が複数あります。まぎらわしいので、まずは「資産を凍結する法律」と「提供を処罰する法律」という役割の違いで整理しましょう。

テロ対策の2つの法律(全体像)

名前が似ていますが、ねらいが異なります。下の比較表で違いをつかみましょう。
国際テロリスト等財産凍結法テロ資金提供処罰法
役割資産を凍結する(取引を制限)テロ資金の提供等を処罰する
成立・施行2014年11月成立・2015年10月施行
(2023年6月に「等」を追加)
2002年7月施行
(米国同時多発テロ・FATF勧告を受けて)
規制の対象公告国際テロリスト
(+大量破壊兵器の拡散に関係する者)
テロリスト等
テロ行為の協力者を含む
仕組み一定の取引に公安委員会の許可が必要=実質的に禁止し資産を凍結資金・利益の提供、提供させる行為、未遂も処罰(法人も両罰

国際テロリスト等財産凍結法(資産を凍結する)

国際テロリスト等財産凍結法とは

テロリストに対する制限が不十分であるとのFATF第3次対日相互審査の指摘やFATFの声明を受けて制定された法律です(2014年11月成立・2015年10月施行)。

対外取引はもともと外為法で規制されていましたが、外為法では規制できなかった国内取引を規制するために設けられました。公告国際テロリストを相手方として一定の取引を行う場合には公安委員会の許可が必要となり、実質的に取引が禁止されて財産が凍結されます。

もともとは「国際テロリスト財産凍結法」(「等」なし)でしたが、2023年6月の改正(いわゆるFATF勧告対応法)で大量破壊兵器の拡散に関係する者が行う国内取引(居住者間取引)も資産凍結の対象に加わり、名称に「等」が付いて「国際テロリスト等財産凍結法」となりました。

「一定の取引」(同法9条)=許可が必要
  • 1万5,000円超の金銭・有価証券・貴金属等・土地・建物・自動車その他これらに類する財産(規制対象財産)の贈与(「10万円超」はひっかけ)
  • 規制対象財産の貸付け
  • 規制対象財産の売却・貸付けその他の処分の対価の支払
  • 預貯金に係る債務その他政令で定める金銭債務(預貯金等債務)の履行
  • 許可を受けなければならない金銭債権(特定金銭債権)の譲受け
⚠ ここを問われやすい
  • 規制対象は国連安全保障理事会決議第1267号等(アル・カーイダ・タリバーン関係者等)を踏まえて公告される(日本が安保理決議と無関係に独自選定するわけではない
  • 公告国際テロリスト自身が許可なく一定の取引を行うことも、何人も公告国際テロリストを相手方として一定の取引を行うことも、ともに禁止(双方が規制対象)

テロ資金提供処罰法(提供を処罰する)

テロ資金提供処罰法とは

2001年の米国同時多発テロを契機に、テロ資金供与行為自体の犯罪化を求めるFATF勧告に応じて2002年7月に施行されました。

禁止対象となるテロリスト等にはテロ行為の協力者も含まれます。資金(金銭)だけでなく土地・建物・物品・役務等による利益の提供も対象で、直接の提供者だけでなく間接的に利益提供した者も処罰されます。また、テロリスト自身によるテロ行為のための資金獲得活動の禁止も定められています。

故意でテロ資金の提供等を行えば、行為者だけでなくその法人も処罰されます(両罰規定)。

テロ資金提供処罰法のポイント
  • 禁止対象のテロリスト等にはテロ行為の協力者も含まれる(「協力者は含まれない」はひっかけ)
  • 資金だけでなく土地・建物・物品・役務等の利益提供も対象。直接の提供者だけでなく間接的に提供した者も処罰
  • 資金等の提供を勧誘・要請する行為未遂も処罰の対象
  • テロ行為の実行を容易にする目的(故意)が必要(過失による提供まで処罰するものではない
  • 2022年12月の改正(FATF勧告対応法)で法定刑を引上げ、題名も「公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律」に変更
覚え方

2法は「凍結」か「処罰」かで区別します。

財産凍結法=資産をらせる(公告国際テロリスト・公安委員会の許可・1万5,000円超)/提供処罰法=提供をする(協力者も・直接も間接も・未遂も・法人も)。

数字のひっかけは「1万5,000円超」を「10万円超」に変えるパターンが定番です。

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問題 1 / 16
FATF第3次対日相互審査でテロリストへの規制が甘いと指摘され、その声明を踏まえる形で国際テロリスト等財産凍結法が新たに作られた。
FATF第3次対日相互審査で、外為法による取引制限が限定的でテロリストの迅速な資産凍結ができないと指摘され、これを受けて制定されました(2014年11月成立・2015年10月施行)。
問題 2 / 16
国際テロリスト等財産凍結法では、公告国際テロリストを相手方として一定の取引を行う場合、公安委員会の許可が必要となる。
公告国際テロリストを規制対象とし、これを相手方とする一定の取引には公安委員会の許可が必要です(同法9条)。許可なく行うことは実質的に禁止されています。
問題 3 / 16
国際テロリスト等財産凍結法が「一定の取引」として制限している贈与は、10万円超の金銭等の規制対象財産の贈与である。
制限対象は1万5,000円超の金銭・有価証券・貴金属等・土地・建物・自動車等(規制対象財産)の贈与です。「10万円超」は誤りです。
問題 4 / 16
国際テロリスト等財産凍結法は、規制対象財産の贈与のほか、規制対象財産の貸付けや、売却その他の処分の対価の支払なども「一定の取引」として制限している。
一定の取引には、規制対象財産の贈与・貸付け・売却等の処分の対価の支払のほか、預貯金等債務の履行、特定金銭債権の譲受けが含まれます(同法9条)。
問題 5 / 16
国際テロリスト等財産凍結法は、国際テロリストによる国内取引も対外取引も、いずれも外為法では規制できなかったため、これらをまとめて規制する目的で制定された。
対外取引はもともと外為法で規制されていました。外為法では規制できなかった国際テロリストによる国内取引等を規制するために制定されたものです。
問題 6 / 16
2023年6月の改正により名称が「国際テロリスト等財産凍結法」に変更され、大量破壊兵器の拡散に関係する者が行う国内取引(居住者間取引)も資産凍結の対象に加えられた。
いわゆるFATF勧告対応法による2023年6月施行の改正で、大量破壊兵器の拡散に関係する者の居住者間取引(国内取引)も資産凍結の対象となり、従来の「国際テロリスト財産凍結法」から「国際テロリスト等財産凍結法」へ名称に「等」が加わりました。
問題 7 / 16
国際テロリスト等財産凍結法が財産凍結の対象として公告する国際テロリストは、国際連合安全保障理事会決議とは無関係に、日本が独自の基準で選定している。
規制対象は、国連安全保障理事会決議第1267号等で指定された者(アル・カーイダ・タリバーン関係者等)などを踏まえて公告されます。安保理決議と無関係に独自選定するわけではありません。
問題 8 / 16
国際テロリスト等財産凍結法による規制は、公告国際テロリストを相手方とする者にのみ及び、公告国際テロリスト自身が一定の取引を行うことは規制されていない。
公告国際テロリスト自身が許可なく一定の取引を行うことも、何人も公告国際テロリストを相手方として一定の取引を行うことも、ともに禁止されています。双方が規制対象です。
問題 9 / 16
2001年に起きた米国での同時多発テロをきっかけに、テロへの資金供与そのものを犯罪とするよう求めるFATFの勧告があり、それに対応する形でテロ資金提供処罰法が施行された。
2001年の米国同時多発テロを契機に国際的なテロ資金対策が高まり、テロ資金供与行為自体の犯罪化を求めるFATFの勧告に応じて2002年7月に施行されました。
問題 10 / 16
テロ資金提供処罰法が提供を禁止するテロリスト等の範囲には、テロ行為の協力者は含まれない。
テロリスト等にはテロ行為の協力者も含まれます(同法2条〜5条)。協力者を除外する点がひっかけです。
問題 11 / 16
テロ資金提供処罰法がカバーするのは金銭に限らず、土地や建物、物品、役務といった形での利益供与も含まれ、本人が直接渡した場合だけでなく、間に人を挟んで間接的に渡した場合も罰せられる。
土地・建物・物品・役務等の利益提供も対象に含まれ、直接の提供者だけでなく間接的に利益提供した者も処罰の対象です(同法3条・4条)。
問題 12 / 16
テロ資金提供処罰法が禁じているのは第三者からテロリストへの資金提供だけでなく、テロリスト本人がテロの実行に向けて自ら資金を集める活動も対象に含まれる。
同法は、テロリスト等への資金等の提供の禁止に加え、テロリスト自身によるテロ行為のための資金獲得活動の禁止も規定しています(同法2条・5条)。
問題 13 / 16
テロ資金提供処罰法に違反してテロ資金の提供等が行われた場合、処罰されるのは行為を行った個人のみであり、その者が属する法人が処罰されることはない。
法人の業務に関して従業者等がテロ資金提供等の罪を犯した場合、行為者を罰するほか、その法人にも罰金刑が科されます(両罰規定)。
問題 14 / 16
テロ資金提供処罰法では、実際にテロ資金が提供された場合のみが処罰の対象であり、資金提供を勧誘・要請する行為や未遂は処罰されない。
資金等の提供を勧誘・要請する行為や、提供の未遂も処罰の対象です(同法3条・4条)。「提供された場合のみ」は誤りです。
問題 15 / 16
テロ資金提供処罰法は2022年12月の改正で、テロ資金等提供罪の対象範囲が広がり法定刑も引き上げられた上、正式名称も一新された。
いわゆるFATF勧告対応法により2022年12月に改正され、テロ資金等提供罪の強化(対象の追加・法定刑の引上げ)が行われ、題名も変更されました。
問題 16 / 16
テロ資金提供処罰法は、テロ行為を助ける意図(故意)がなく過失でテロ資金を提供した場合であっても、処罰の対象としている。
同法が処罰するのは、テロ行為の実行を容易にする目的で(故意で)資金等を提供する行為です。過失による提供まで処罰するものではありません。
第3章 国内法規制
第3章 国内法規制
国際テロリスト等財産凍結法・テロ資金提供処罰法
問正解 / 16問中
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✅ まとめ・要点整理

第3章②まとめ:国際テロリスト等財産凍結法・テロ資金提供処罰法
  • テロ対策の国内法は役割で2つ=国際テロリスト等財産凍結法(資産を凍結)とテロ資金提供処罰法(提供を処罰)
  • 国際テロリスト等財産凍結法=公告国際テロリストを相手とする一定の取引には公安委員会の許可が必要。対外取引は外為法、国内取引を規制するために制定
  • 一定の取引の贈与は1万5,000円超(「10万円超」はひっかけ)。貸付け・対価の支払・預貯金等債務の履行・特定金銭債権の譲受けも含む。2023年6月に「等」追加で大量破壊兵器の拡散関係者の国内取引も対象に
  • テロ資金提供処罰法=米国同時多発テロ・FATF勧告を受け2002年7月施行。テロリスト等にはテロ行為の協力者も含む。土地・建物・物品・役務の利益提供も対象で直接・間接とも処罰
  • テロ資金提供処罰法は未遂・勧誘も処罰し、法人も両罰。ただし処罰には目的(故意)が必要(過失は対象外)
「財産凍結法=1万5,000円超の贈与・公安委員会の許可」「提供処罰法=テロ行為の協力者も含む・直接も間接も・未遂や勧誘も処罰・法人も両罰」――この区別が頻出ひっかけです!
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