第3章 国内法規制【2026年度対応】|④ 外為法・外国為替検査(一問一答)

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今回は第3章 国内法規制「外為法」と「外国為替検査」から合計16問(2単元×8問)を出題します。
「外為法がルールを決め、そのルールを守れているかを財務省が外国為替検査でチェックする」――この2つはセットでつかむと整理できます。
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📌 今回のポイント

  • 外為法の本人確認は、海外送金などの特定為替取引10万円超)が対象。10万円以下は対象外。確認事項は自然人=氏名・住所または居所・生年月日/法人=名称・所在地。記録は7年保存(外為法18条)
  • 顧客が本人確認に応じなければ、金融機関等はその取引を拒める(外為法18条の2)
  • 外為法は、安保理決議等で指定された制裁対象者(テロリスト・北朝鮮・イラン・ロシア等)との取引に許可義務を課して原則禁止し、資産凍結等を実施。銀行は許可の要否と取得を確認する(外為法17条)
  • 海外送金では、外為法犯収法の本人確認が同時にかかることがある。「国内業務だから外為法は関係ない」という思い込みは禁物
  • ルールが守られているかは、財務省(金融庁でも外務省でもない)が外国為替検査で確認。財務省のガイドラインに沿いリスクベース・アプローチで実施し、対象は外国送金などの外為業務を扱う金融機関等
第3章 国内法規制の終盤が、「外為法」と「外国為替検査」です。むずかしく見えますが、外為法がルールを決め、そのルールが守られているかを財務省が外国為替検査で確かめる――この関係でつかめば一気に整理できます。

外為法と外国為替検査の関係(全体像)

一方は法律(ルール)、もう一方はそれを担保する検査(チェック)です。
外為法外国為替検査
正体法律(外国為替及び外国貿易法)財務省が行う検査
役割海外送金・両替等で本人確認等の義務を金融機関等に課す外為法令等を守れているかを確認し、実効性を担保する
主な中身特定為替取引(10万円超)の本人確認/記録は7年保存/応じなければ取引拒否財務省のガイドラインに沿いリスクベース・アプローチで実施
対象銀行等の金融機関等外為業務を扱う金融機関等
(送金の資金移動業者・両替業者なども含む)

① 外為法の本人確認

対象は「特定為替取引(10万円超)」

外為法(外国為替及び外国貿易法)は、海外送金や外貨両替などで金融機関等に本人確認などを義務づけます。中心になるのが特定為替取引――居住者の日本から外国への支払や、居住者と非居住者の間の支払などで、10万円を超えるものが対象です。10万円以下なら対象外になります。

外為法の本人確認のポイント
  • 対象=特定為替取引10万円超)・外貨預金等の口座開設・200万円超の両替など
  • 確認事項=自然人は氏名・住所または居所・生年月日/法人は名称・所在地(外為法18条)
  • 記録=作成して取引終了日等から7年間保存(外為法18条の3)
  • 顧客が応じなければ取引を拒める(外為法18条の2)
犯収法とのつながり(両方かかることがある)

本人確認のルールは外為法だけではありません。海外送金などでは、犯収法(犯罪収益移転防止法)の取引時確認と外為法の本人確認が同時にかかることがあります(手続きの中身は基本的に同じです)。

たとえば10万円を超える非居住者との送金は、いわゆる「外為セクション」が関わるかどうかに関係なく外為法の対象です。「国内業務だから外為法は関係ない」「外為だから犯収法は関係ない」という思い込みは禁物――どちらの法律も同時に意識する必要があります。

② 経済制裁と「許可」の仕組み

制裁対象者との取引は「許可」がいる

外為法は対外取引の自由を基本としつつ、国際平和のため特に必要なときは経済制裁(資産凍結・輸出入の禁止など)を実施できます。具体的には、国連安保理決議等を受けて外務省が指定した制裁対象者との支払や預金・貸付などに主務大臣の許可義務を課し、原則として取引を禁止します。

そこで銀行等には、顧客の取引が許可のいる取引かどうか、いる場合は許可を得ているかを確認する義務があります(外為法17条)。対象者は外務省から随時公告され、いまは主にテロリスト(タリバーン関係者等)・北朝鮮・イラン・ロシアとの取引が指定されています。

米国の制裁「OFAC規制」にも注意

制裁は国連だけでなく、国が単独で行うものもあります。代表が米国財務省OFAC(外国資産管理局)の規制です。OFACは、米国が指定した制裁対象者との米ドル建ての取引などを禁止します。

やっかいなのは、これが米国外の企業・個人にも及ぶ点です。日本から米国以外の国への送金でも、米ドル建てなど米国との接点があればOFAC規制の対象になり得ます。イラン制裁などでは米国との接点がなくても及ぶセカンダリーサンクション(二次的制裁)もあり、注意が必要です。

違反したときの影響は深刻です。金融機関には巨額の制裁金が科されたり、米ドル取引(コルレス先)から事実上締め出されることもあり、経営に直結します。個人が制裁の対象になることもあり、決して他人事ではありません。

③ 外国為替検査(財務省のチェック)

実施するのは「財務省」

ルールが守られているかを担保するのが外国為替検査です。実施するのは財務省――金融庁でも外務省でもありません(根拠は外為法68条1項・犯収法16条1項)。

検査のよりどころは、財務省の外為法令等の遵守に関するガイドラインです(TOC条約ではありません)。財務省は情勢の変化に機動的に対応するためリスクベース・アプローチの考え方をとり、リスクの高いところに重点を置いて検査します(すべて均一の基準、ではありません)。対象は外国送金などの外為業務を扱う金融機関等で、送金を扱う資金移動業者や両替業者なども含まれます。

💬 実務の現場から(システムと「二重の守り」)

制裁対象者かどうかの確認は、実務では人の目だけでなくシステムでの自動照合(フィルタリング)で行うのが基本です。日々の取引を見張る取引モニタリングとセットで、ここは第4章の「取引モニタリング・フィルタリング」とも深くつながります。

ただしシステムだけでは万全ではありません。とくに窓口の第1線には、聴取した内容を見極め、書類には現れない真の送金人(本当の依頼者)を見抜くことも求められます。だからこそ、少しでも違和感があれば踏み込んで確かめる慎重な対応が大切になります。

そして大事なのが二重の守りです。第1線が万が一見落としても、管理部門の第2線のシステムチェックで止まる――現場ではこうして食い止めているケースが実際に少なくありません(この役割分担は第5章「3つの防衛線」につながります)。検査では、こうした態勢が実際に機能しているかも見られます。

覚え方

「ルール(法律)」か「チェック(検査)」かで区別します。外為法=特定為替取引(10万円超)で本人確認・記録7年。外国為替検査財務省財務省のガイドラインに沿ってリスクベースで実施。

ひっかけの定番は「検査は金融庁/外務省」(実は財務省)「TOC条約をもとに検査」(実は財務省ガイドライン)「均一基準」(実はリスクベース)の3つです。

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問題 1 / 16
銀行法で定める金融機関等は、日本から外国に向けた支払に係る為替取引を顧客と行う際、当該取引の額にかかわらず、外為法等に基づく本人特定事項の確認(本人確認)を行わなければならない。
取引額が10万円以下である場合は「特定為替取引」に該当しないため、本人特定事項の確認は不要です。額にかかわらず必要、ではありません(外為法18条1項)。
問題 2 / 16
居住者による日本から外国へ向けた支払や、居住者による非居住者との間の支払は、外為法上の「特定為替取引」に該当し、本人特定事項の確認(本人確認)の対象となりうる。
居住者の日本から外国への支払や、居住者と非居住者との間の支払は「特定為替取引」に該当し、10万円相当額を超えるものについて本人確認の対象となります(外為法18条1項)。
問題 3 / 16
外為法に基づく本人確認では、自然人については氏名・住所または居所・生年月日を、法人については名称および主たる事務所の所在地を確認しなければならない。
確認事項は顧客の区分で異なり、自然人は氏名・住所または居所・生年月日、法人は名称および主たる事務所の所在地を確認します(外為法18条)。
問題 4 / 16
銀行法で定める金融機関等は、本人確認を行った場合、その記録を作成し、当該取引が終了した日その他の財務省令で定める日から、7年間保存しなければならない。
外為法に基づく本人確認の記録は、取引が終了した日等から7年間保存しなければなりません(外為法18条の3第2項等)。
問題 5 / 16
顧客等が本人特定事項の確認(本人確認)に応じない場合であっても、金融機関等は、その取引に係る義務の履行を拒むことはできない。
顧客が本人確認に応じない場合、金融機関等はその取引に係る義務の履行を拒むことができます(外為法18条の2)。
問題 6 / 16
外為法の実効性を担保するために金融機関等に対して行われる外国為替検査は、金融庁が実施している。
外国為替検査を実施するのは財務省です。金融庁ではありません(外為法68条1項・犯収法16条1項に基づき財務省が実施)。
問題 7 / 16
外為法の実効性を担保するために行われる外国為替検査の対象は、外国送金等の外国為替業務を取り扱う金融機関等となっている。
外国為替検査の対象は、外国送金等の外国為替業務を取り扱う金融機関等です(外国送金を扱う資金移動業者や両替業者なども含まれます)。
問題 8 / 16
外為法は対外取引が自由に行われることを基本としているため、テロリストや北朝鮮関連の者に対して経済制裁措置を実施することはできない。
外為法は対外取引の自由を基本としつつ、国際平和への寄与などのため特に必要があるときは経済制裁措置を実施できます。テロリストや北朝鮮関連の者への資産凍結等が行われています。
問題 9 / 16
外国為替検査において、財務省はリスクベース・アプローチを導入しておらず、すべての金融機関に均一な基準を適用している。
財務省はリスクベース・アプローチの考え方に沿って、リスクの高低に応じて資源を配分し、実効的・効率的に外国為替検査を実施するとしています。均一な基準ではありません。
問題 10 / 16
外国為替検査は、「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(TOC条約)」に定められた内容をもとに実施されている。
外国為替検査は、財務省「外国為替取引等取扱業者のための外為法令等の遵守に関するガイドライン」の内容をもとに実施されています。TOC条約をもとに、ではありません。
問題 11 / 16
外国為替検査は、主に外国送金等の外国為替業務を取り扱う金融機関や、外国送金を取り扱う資金移動業者、電子決済手段等取引業者、外貨両替業務を取り扱う金融機関・両替業者等が対象となっている。
外国為替検査の対象は、外国送金等の外国為替業務を取り扱う金融機関等で、資金移動業者・電子決済手段等取引業者・両替業者なども含まれます。
問題 12 / 16
外国為替検査は、対象先が「外務省」が定める外為法令等の遵守に関するガイドラインに沿って外為法令等を遵守しているか否かを確認するものである。
よりどころとなるのは財務省の外為法令等の遵守に関するガイドラインです。「外務省」ではありません。
問題 13 / 16
財務省は、外為法68条1項および犯収法16条1項の規定に基づいて、金融機関等に対し外国為替検査を実施している。
財務省は外為法68条1項および犯収法16条1項の規定に基づいて外国為替検査を実施し、外為法令等の遵守状況を確認しています。
問題 14 / 16
外国為替検査の指針となる「外国為替取引等取扱業者のための外為法令等の遵守に関するガイドライン」は、2024年4月1日から適用されている。
同ガイドラインは2023年11月24日に策定され、2024年4月1日から適用されています(改正外為法の施行に合わせたもの)。
問題 15 / 16
2022年12月に成立した改正外為法(2024年4月1日施行)により、外国為替取引等取扱業者が遵守すべき「外国為替取引等取扱業者遵守基準」が新設された。
改正外為法(2024年4月1日施行)により、銀行等・資金移動業者・電子決済手段等取引業者・両替業者が遵守すべき「外国為替取引等取扱業者遵守基準」が新設されました。
問題 16 / 16
いわゆるステーブルコインの仲介業者(電子決済手段等取引業者)は、外国為替検査の対象に含まれない。
電子決済手段等取引業者(いわゆるステーブルコインの仲介業者)も外国為替取引等取扱業者として外国為替検査の対象に含まれます。
第3章 国内法規制
第3章 国内法規制
外為法・外国為替検査
問正解 / 16問中
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✅ まとめ・要点整理

第3章④まとめ:外為法/外国為替検査
  • 外為法の本人確認=特定為替取引10万円超)が中心。記録は7年保存、応じなければ取引拒否(10万円以下は対象外)
  • 海外送金は外為法犯収法の本人確認が同時にかかることがある(「国内業務だから外為法は無関係」は誤り)
  • 制裁対象者(テロリスト・北朝鮮・イラン・ロシア等)との取引は外務省が指定→許可義務で原則禁止・資産凍結。銀行は許可の要否と取得を確認(外為法17条)
  • 米国のOFAC規制米ドル建てなどで米国外にも及ぶ(イラン等は接点がなくても及ぶセカンダリーサンクション
  • 外国為替検査財務省(金融庁・外務省でない)が財務省のガイドラインに沿いリスクベース・アプローチで実施。対象は外為業務を扱う金融機関等
「外為法=海外送金等の“特定為替取引(10万円超)”で本人確認・記録は7年保存/応じなければ取引を拒める」「外国為替検査=財務省(金融庁でも外務省でもない)が、財務省のガイドラインに沿ってリスクベースで実施」――ここが頻出です!

試験、頑張ってください‼

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