第5章 管理態勢【2026年度対応】|⑧ 有効性検証(一問一答)

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今回は新設の注目テーマ「有効性検証」から合計16問(2単元×8問)を出題します。
「有効性検証」の主語は当局ではなく金融機関自身、主導するのは経営陣。ここを押さえればこのテーマも怖くありません。
最新!2026年度版対応

📊 この章「管理態勢」の配点は100点満点中12点
本サイトの一問一答は2026年度版(2026.7〜2027.6実施の試験)に対応。問題はすべてオリジナルで、試験範囲をもとに独自に作成しています。
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📌 今回のポイント

  • 有効性検証=金融機関等が「自社が」リスクの特定・評価・低減を適切に実施していることを確認する取組み(当局ではない!)
  • ある時点で態勢整備済みでも有効性が担保され続けるわけではない
  • 態勢整備・自ら説明・改善対応への主導的関与は経営陣の役割
  • 実施計画は内外の情報を勘案して対象を選定、すべてを単年で検証する必要はない
  • 低減の検証は特定したリスクの「すべて」に規程・システム・管理体制があるか(過半数✕)
  • 金融犯罪対策は「協調領域」→他の金融機関との情報共有・連携強化
  • FATF第5次対日相互審査(2028年8月〜オンサイト)では一部金融機関へのインタビューも想定
  • ⚠️ ひっかけ:「当局が確認する取組み」「すべての行職員が主導」「過半数で足りる」→ 不適切!
  • 検証対象の選定材料=リスク特定・評価の結果/監査・当局の指摘/規程改定・組織変更/商品・サービスの変化/過去の検証結果。具体的な取組みは金融庁の有効性検証の事例集も参考に
  • 有効性検証は担当部門の専属業務ではない=営業・管理・監査の各部門の役割・責任を経営陣の責任のもとで明確にし、適切な資源配分を行って組織的に対応
  • 低減策の整備の検証=環境変化で不要になった取引モニタリングの検知シナリオは削除し、リソースを他分野へという見直しも含む

有効性検証とは

有効性検証の定義

金融庁のディスカッション・ペーパー「マネー・ローンダリング等対策の有効性検証に関する対話のための論点・プラクティスの整理」(2025年3月31日)で示された考え方で、金融機関等が、変化するマネー・ローンダリング等リスクに対して有効な管理態勢を構築することを目的に、「自社が、直面するマネー・ローンダリング等リスクの特定・評価・低減を適切に実施していること」を確認する取組みをいいます。

ガイドラインに沿った態勢をある時点で整備していても、それで終わりではありません。リスクの変化に応じて特定・評価を見直し、低減につなげられて初めて「有効」といえます。

検証の観点(特定・評価・低減)
  • 特定・評価:対象としている内外の情報は十分か/特定したリスクをすべて評価しているか/見直しの頻度・更新時期は適切か
  • 低減策の整備:特定したリスクすべてに規程・システム・管理体制等が存在するか/リスク評価に応じた内容か/範囲・内容が見直されているか
  • 低減措置の実施:規程どおりの実務対応か/システムは仕様どおり稼働しているか/管理体制は設計どおり運用されているか
  • 実施計画:監査・当局の指摘、商品・サービスの変化等を勘案して対象を選定。毎年検証する業務と数年ごとの業務があってよい

金融庁「取組と課題」の2大メッセージ

「マネー・ローンダリング等及び金融犯罪対策の取組と課題」(2025年6月)

① 有効性検証を通じた態勢の高度化:基礎的な態勢整備の完了で終わりにせず、リスクの変化に対応して態勢を維持・高度化する。営業・管理・監査の各部門の役割を経営陣の責任のもとで明確化し、組織的に対応します。

② 金融機関・官民の連携:金融犯罪対策は業界全体で底上げを図る「協調領域」。他の金融機関との情報共有・連携を強化します。

なお、2028年8月からオンサイトで実施予定のFATF第5次対日相互審査では、一部金融機関等への審査員からのインタビューも想定されています。

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問題 1 / 16
有効性検証とは、金融当局が、金融機関等のマネー・ローンダリング等リスクの特定・評価・低減の実施状況を確認する取組みのことをいう。
主語が違う。有効性検証は「金融機関等が」、「自社が」リスクの特定・評価・低減を適切に実施していることを確認する取組み。当局ではない。
問題 2 / 16
金融庁ガイドラインの「対応が求められる事項」に則した管理態勢をある時点で整備していれば、その後もマネー・ローンダリング等対策の有効性は担保されているといえる。
リスクは変化するため、ある時点の態勢整備だけでは有効性は担保されない。リスクの変化に応じた特定・評価の見直しと低減ができて初めて有効といえる。
問題 3 / 16
有効性検証を実施するための態勢整備や、自社の対策が有効であることの説明、発見した課題への改善対応への主導的な関与は、マネー・ローンダリング等対策を担うすべての行職員に求められている。
これらは担当役員をはじめとする「経営陣」に求められている。経営陣の主導的関与がポイント。「すべての行職員」は誤り。
問題 4 / 16
有効性検証の実施計画の作成にあたっては、監査や当局からの指摘事項、商品・サービスの変化等を勘案して検証対象を選定することができ、必ずしもすべての業務を単年で検証する必要はない。
リスクに応じて、毎年検証する業務と数年ごとに検証する業務があってよい。「一律にすべて単年で」は求められていない。
問題 5 / 16
金融庁は、金融機関等が有効性検証に取り組む際に参考となる具体的な取組み事例をまとめた事例集を公表している。
金融機関等の有効性検証にあたって参考となる具体的な取組み事例は、金融庁の事例集で公表されている。ディスカッション・ペーパーとあわせて確認しておくと実務のイメージがつかみやすい。
問題 6 / 16
有効性検証の目的は、FATFによる対日相互審査において高い評価を獲得することにあるとされている。
有効性検証の目的は、変化するリスクに対して有効な管理態勢を構築すること。審査対応は結果としてついてくるものであり、審査のための一過性の取組みと捉えるのは誤りである。
問題 7 / 16
有効性検証の実施計画では、過去の有効性検証の結果や、社内の規程・手続の改定状況、組織・体制の変更なども勘案して、検証を行う対象を選定することが考えられるとされている。
ほかに、リスクの特定・評価の結果、監査や当局からの指摘事項、自社で取り扱う商品・サービスの変化なども選定の材料になる。内外の情報を幅広く見て「今年どこを検証するか」を決める。
問題 8 / 16
有効性検証は、マネー・ローンダリング等対策の担当部門が専属で取り組むべきものとされており、営業部門や監査部門など他部門の関与は想定されていない。
担当部門だけが取り組めばよいものではなく、営業・管理・監査の各部門が担う役割・責任を経営陣の責任のもとで明確にし、適切な資源配分を行って組織的に対応を進めることが重要とされている。
問題 9 / 16
マネー・ローンダリング等リスクの特定に関する検証は、リスクを洗い出す際に材料としている国内外の情報量が足りているかどうかという視点から行うことが考えられる。
特定・評価の検証の観点のひとつ。ほかに、特定したリスクをすべて評価しているか、評価の見直し頻度・更新時期は適切かといった観点もある。
問題 10 / 16
マネー・ローンダリング等リスクの低減に係る検証では、特定したリスクのうち少なくとも過半数について、低減を行うための規程やシステム・管理体制等が存在していれば足りる。
「過半数」ではなく「すべて」。特定したマネー・ローンダリング等リスクすべてに対して規程・システム・管理体制等が存在するかを検証する。
問題 11 / 16
金融犯罪対策は、業界全体のレベルアップを目指す「協調領域」であるという認識のもと、他の金融機関と情報を分かち合い、連携を深めていく必要があるとされている。
金融庁「マネー・ローンダリング等及び金融犯罪対策の取組と課題」のメッセージ。1つの金融機関だけでは把握できる事例・ノウハウに限界がある。
問題 12 / 16
FATFによる第5次の対日相互審査においては、一部の金融機関等を対象に、審査員が直接インタビューを行うことが見込まれている。
2028年8月からオンサイト審査が予定され、主に監督と予防措置の有効性評価に関して、一部金融機関へのインタビューが想定されている。
問題 13 / 16
有効性検証は、金融当局が実施すべき検証の内容を検討して計画を作成し、金融機関等がその計画に沿って検証を実施して、検証結果に応じた改善対応を行うという流れで進めることが重要とされている。
計画の作成から検証の実施、改善対応まで、すべて金融機関等が自ら行う。当局が計画を作り金融機関がなぞるという構図ではない。ここでも「主語のすり替え」に注意。
問題 14 / 16
リスクの評価に係る検証は、リスク評価を常に途切れなく更新し続けているかという観点で行うものとされ、定期的な見直しという運用は認められていない。
定期的にリスク評価を見直す頻度や、随時の更新時期が適切かという観点から検証することが考えられるとされている。「常時更新が必須・定期見直しは不可」という極端な言い切りはすり替えである。
問題 15 / 16
リスクの評価に係る検証では、疑わしい取引の届出状況などの分析も踏まえてリスク評価を行っているか、という観点から検証することが考えられるとされている。
評価に使っている情報が十分かを確かめる観点のひとつ。届出の多い取引類型の分析は、自社のリスクの実像を映す貴重なデータになる。
問題 16 / 16
取引モニタリングの検知の仕組みが、導入した当時は有効でも環境の変化により不要になったと判明した場合に、その仕組みを外して浮いた人員・労力を別の分野に振り向けるという見直しは、低減策の整備に係る検証の考え方に沿っている。
整備した規程・システム・管理体制の範囲や内容が、リスクの特定・評価の結果を踏まえて適切に見直されているかも検証の観点。作ったものを聖域にせず、効果の薄いものは削って資源を組み替える。
第5章 管理態勢
第5章 管理態勢
有効性検証
問正解 / 16問中
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✅ まとめ・要点整理

有効性検証 まとめ
  • 主語は金融機関等(自社のことを自社で確認。当局✕)
  • 経営陣が主導(態勢整備・自ら説明・改善対応への主導的関与)
  • ある時点の態勢整備では有効性は担保されない(変化に対応)
  • 計画:リスクに応じ対象選定、単年で全業務をやる必要なし
  • 低減の検証は特定したリスクのすべてが対象(過半数✕)
  • 金融犯罪対策は協調領域→情報共有・官民連携
  • 2028年8月〜FATF第5次対日相互審査(一部金融機関へのインタビュー想定)
  • 有効性検証は計画作成〜検証〜改善対応まで金融機関等が自ら実施(当局が計画を作るのではない)
  • リスク評価の検証=定期的な見直しの頻度・随時の更新時期が適切か(疑わしい取引の届出状況等の分析も活用)
  • 実施の検証=規程どおりの実務対応・システムの仕様どおりの稼働・設計どおりの運営(人員配分・研修の実施まで)
新設問題は「定義の主語」と「数字・範囲」のすり替えが定番。
「当局が」「すべての行職員が」「過半数で」「常時更新が必須」と来たら✕です。
試験、頑張ってください‼
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