日本はマネー・ローンダリング対策にどう取り組んでいるのでしょう。 情報の司令塔「FIU」と、毎年の「危険度調査書」。 この2つを押さえれば、現状が見えてきます。
- 日本の資金情報機関(FIU)は、かつて金融庁にあったが、現在は国家公安委員会に置かれた「犯罪収益対策室(JAFIC)」が担う。
- マネー・ローンダリング対策は、当初の薬物取引対策から重大犯罪の収益隠匿防止へ広がった。海外支店の有無に関わらず対策が必要。
- 犯罪収益移転危険度調査書(NRA)は、国家公安委員会が毎年作成(犯収法3条3項)。取引種別ごとの危険度などを示し、疑わしい取引の判断の参考になる。
- 令和7年の危険度調査書で対抗措置の適用が要請されるのは北朝鮮・イラン。ミャンマーは厳格な顧客管理措置の要請(対抗措置には至らず)。
FIU(資金情報機関)とJAFIC
- FIU(資金情報機関)=マネー・ローンダリングやテロ資金供与に関する情報を一元的に収集・分析し、捜査機関等に提供する政府機関
- 日本では、かつて金融庁に置かれていたが、現在は国家公安委員会に移管されている
- FIUの業務は、国家公安委員会の「犯罪収益対策室(JAFIC)」が担当
- 国境を越えた犯罪に対応するためFIU間の国際的な情報交換が重要(2025年10月末時点で120の国・地域と枠組みを設定)
犯罪収益移転危険度調査書(NRA)の基本
- 英語名はNational Risk Assessment(NRA)。2014年成立の改正犯収法で制度化され、2015年に初公表、以後毎年公表
- 作成・公表するのは国家公安委員会(根拠=犯罪収益移転防止法3条3項)
- 内容=取引の種別ごとの危険性の程度、国・地域や顧客属性の危険度、商品・サービスの危険度などを分析・記載
- 使い方=金融機関は、疑わしい取引の該当性を判断する際などに、危険度調査書の内容を勘案する
| FATFの要請 | 国・地域 |
|---|---|
| 対抗措置の適用を要請(最も厳しい) | 北朝鮮・イラン |
| リスクに見合った厳格な顧客管理措置の適用を要請 | ミャンマー(※対抗措置の適用には至っていない) |
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問題 1 / 16
FIU(資金情報機関)の所管は、以前は国家公安委員会だったが、いまは金融庁に変わっている。
FIUの機能は、かつて金融庁に置かれていたが、現在は国家公安委員会に移管されている。問題文は逆になっている。
問題 2 / 16
FIU(資金情報機関)は、マネー・ローンダリングやテロ資金供与にまつわる情報をひとつにまとめて集約・分析したうえで、捜査機関などへ提供する役割を担う政府機関を指す。
FIUは資金情報機関とも呼ばれ、マネロン・テロ資金供与に関する情報のハブとして機能する。
問題 3 / 16
日本では、FIUの業務を、国家公安委員会に置かれた「犯罪収益対策室(JAFIC)」が担っている。
日本のFIU業務は、国家公安委員会の犯罪収益対策室(JAFIC)が担っている。
問題 4 / 16
組織的犯罪集団やテロリストが手がける事業であっても、それが合法的な活動である以上、特に注意を払う必要はない。
合法的な事業活動であっても、その資金が不法な収益である場合も考えられるため、注視が必要である。
問題 5 / 16
マネー・ローンダリング対策は、当初は薬物取引の取締りが中心であったが、現在は重大犯罪から得た収益の隠匿を防ぐための対策としても位置づけられている。
組織犯罪の国際的な広がりを受けて、対象が重大犯罪から得た収益の隠匿防止へと広がった。
問題 6 / 16
海外支店を持たない金融機関にとっては、マネー・ローンダリングは大きなリスクではない。
2017年には、海外の詐欺グループが日本国内の地域金融機関に犯罪収益を送金した事犯もあり、海外支店の有無に関わらず対策が必要である。
問題 7 / 16
日本は現金の使用率や口座保有率が高い傾向にあり、マネー・ローンダリングに悪用されやすい要素がある。
現金の使用率・口座保有率の高さは、マネー・ローンダリングに悪用されやすい要素となりうる。
問題 8 / 16
FIU当局間の情報交換は各国の判断に委ねられており、国際的に推進するという合意はない。
FIU間の情報交換の推進は国際的な合意であり、日本も2025年10月末時点で120の国・地域との間に情報交換の枠組みを設定している。
問題 9 / 16
犯罪収益移転防止法などにもとづいて国家公安委員会が年に一度作成しているのが、犯罪収益移転危険度調査書である。
危険度調査書は国家公安委員会が毎年作成する(犯罪収益移転防止法3条3項)。
問題 10 / 16
犯罪収益移転危険度調査書は、金融庁が作成・公表している。
作成・公表するのは国家公安委員会であり、金融庁ではない。
問題 11 / 16
犯罪収益移転危険度調査書には、特定事業者が扱う取引を種類別に見たときの、犯罪収益が移転する危険の大きさなどがまとめられている。
取引の種別ごとの危険度や、その他の調査・分析の結果が記載される。
問題 12 / 16
犯罪収益移転危険度調査書は、危険度の高い特定事業者を公表し、その取引を禁止することを目的としている。
目的は、金融機関等が疑わしい取引の該当性を判断したりマネー・ローンダリング対策を行う際の参考にすること。事業者の公表や取引禁止が目的ではない。
問題 13 / 16
「令和7年 犯罪収益移転危険度調査書」は、対抗措置をとるべき国・地域として、イラン・北朝鮮に加えミャンマーも含めた3カ国を名指ししている。
対抗措置の適用が要請されるのは北朝鮮とイランの2カ国。ミャンマーは厳格な顧客管理措置の要請にとどまり、対抗措置には至っていない。
問題 14 / 16
犯罪収益移転危険度調査書は、犯罪による収益の移転に係る手口やその状況に関する調査・分析を行ったうえで作成される。
危険度調査書は、犯罪収益の移転の手口や状況の調査・分析を踏まえて、取引の種別ごとの危険度などをまとめたものである。
問題 15 / 16
金融機関は、疑わしい取引に該当するかどうかを判断する際に、犯罪収益移転危険度調査書の内容を勘案する。
金融機関は、疑わしい取引の該当性を判断するにあたり、取引時確認の結果や取引の態様などとともに、危険度調査書の内容を勘案する(犯収法8条3項)。
問題 16 / 16
犯罪収益移転危険度調査書には、取引の種別ごとの危険度は記載されるが、国・地域や顧客属性の危険度については記載されない。
危険度調査書には、取引の種別ごとの危険度に加え、国・地域や顧客属性の危険度、商品・サービスの危険度なども記載される。

第1章 金融犯罪
日本の対策の現状・犯罪収益移転危険度調査書
日本の対策の現状・犯罪収益移転危険度調査書
問正解 / 16問中
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第1章②まとめ:日本の対策の現状と危険度調査書
- 日本のFIU(資金情報機関)は、現在国家公安委員会に移管され、「犯罪収益対策室(JAFIC)」が担う(かつては金融庁)。
- マネー・ローンダリング対策は薬物取引対策から重大犯罪の収益隠匿防止へ拡大。海外支店の有無に関わらず必要。
- 犯罪収益移転危険度調査書は国家公安委員会が毎年作成(犯収法3条3項)。疑わしい取引の判断で勘案する。
- 令和7年の調査書で対抗措置=北朝鮮・イラン、ミャンマー=厳格な顧客管理措置(対抗措置には至らず)。
「FIUは今は国家公安委員会(JAFIC)が担う(金融庁ではない)」「対抗措置は北朝鮮・イランの2か国(ミャンマーは厳格な顧客管理)」が頻出ひっかけ!危険度調査書は国家公安委員会が毎年作成です。 試験、頑張ってください‼
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