第5章 管理態勢【2026年度対応】|⑤ グループベースの管理態勢(一問一答)

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今回はグループベースの管理態勢から合計16問(2単元×8問)を出題します。
キーワードは「グループ全体で整合的に」。グループの範囲の判断と、海外拠点の扱いがひっかけポイントです。
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📌 今回のポイント

  • グループを形成する場合はグループ全体で整合的な方針・手続・計画等を策定・実施
  • グループの範囲は持分割合で機械的に判断しない(リスク等に応じて個別判断)
  • 疑わしい取引の届出に係る顧客情報は本人の同意なしでグループ内共有OK
  • 金商法のファイアーウォール規制も適用除外→事前の書面同意は不要
  • 海外の規制が日本より緩い場合→日本水準を適用。現地法令で許容されなければ日本の当局に情報提供
  • 外国金融グループの在日拠点は当局等への説明責任を果たす
  • ⚠️ ひっかけ:「持分割合で機械的に判断」「各社の自主対応に委ねる」「現地基準でOK」→ 不適切!
  • 対象グループ会社は特定事業者に限られない(法令等にとらわれず規模・顧客属性等に応じて)。範囲の例=持株会社傘下の各金融機関等・資本関係のある銀行・証券会社等
  • グループ各社に求める水準もリスク等に応じ個別判断だが、本社のグループ管理統括部署の承認が必要(各社の裁量に丸投げしない)
  • 買収で新たにグループを形成する場合は事前に買収先のリスクを分析・検証/「海外拠点等」には現地法人・支店・駐在員事務所等も含まれる
  • 海外拠点が現地当局から検査・行政処分を受けたら、本店・グループ本社が適時適切に報告を受けて対応

グループベースの管理態勢とは

グループベースの管理態勢

金融機関等がグループを形成している場合は、グループ全体としての方針・手続・計画等を策定し、傘下事業者の業態の違いも踏まえながら、グループ全体で整合的な形で実施することが求められます。

ここでいう「グループ」の範囲は、連結子会社や持分法適用会社といった持分割合で機械的に決まるものではなく、グループ各社のリスク等に応じて個別具体的に判断します。

対応が求められる事項(6つ)
  • ① グループとして一貫した方針・手続・計画等を策定し、顧客の受入れに関する方針・顧客管理・記録保存等の具体的手法をグループ全体で整合的に実施すること
  • ② グループ全体としてのリスク評価や実効性確保のために必要なグループ内の情報共有態勢を整備すること
  • ③ 海外拠点等を有するグループは、各拠点に適用される法規制等を遵守し、各拠点のリスクを特定・評価・可視化したうえで、リスクに見合う人員配置などグループ全体での低減措置を講ずること
  • ④ 各拠点の情報保護法制や外国当局のスタンスを理解し、異常取引に係る情報や届出状況等を共有・統合管理できる態勢(ITシステムの構築・更新を含む)を構築すること
  • ⑤ 海外拠点の国・地域の法規制が日本より厳格でない場合は日本の方針等を適用し、現地法令で許容されない場合は日本の当局に情報提供を行うこと
  • 外国金融グループの在日拠点は、グループ全体の管理態勢やコルレス先を含む日本の金融機関等との取引状況について、当局等を含むステークホルダーに説明責任を果たすこと

情報共有のルール(ひっかけ注意)

グループ内の情報共有と法律の関係

個人情報保護法:疑わしい取引の届出をした顧客情報・取引情報は、「個人データの第三者提供の制限」の例外(人の生命・身体・財産の保護のために必要がある場合)に該当すると解され、本人の同意なしでグループ内提供が可能です。

金融商品取引法:グループ内の非公開情報の授受は「ファイアーウォール規制」で原則制限されますが、マネー・ローンダリング対策に必要な情報共有態勢の整備は法令遵守のために必要なものとして適用除外に該当し、顧客の事前の書面同意なしに共有できると考えられています。

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問題 1 / 16
グループを形成する金融機関等には、方針・手続・計画等をグループとして一貫したものとして定めたうえで、顧客の受入れ方針や顧客管理、記録保存といった具体的な手法をグループ全体で足並みをそろえて実施することが要請されている。
ガイドラインⅢ-4の「対応が求められる事項」そのもの。「グループ全体で整合的に」がキーワード。
問題 2 / 16
マネロン・テロ資金供与対策の対象となるグループの範囲は、連結子会社や持分法適用会社といった持分割合の基準によって機械的に判断される。
グループの範囲は、グループ各社のリスク等に応じて個別具体的に判断する。持分割合で機械的に決まるものではない。
問題 3 / 16
グループ各社の業容や提供サービスはそれぞれ異なるため、マネロン・テロ資金供与対策の方針・手続・計画等の策定は、グループ各社の自主的な対応に委ねることが望ましい。
基本的な方針・手続・計画等はグループ全体の統一方針として策定し、整合的に実施する必要がある。各社バラバラの自主対応はNG。
問題 4 / 16
疑わしい取引の届出を行った顧客の情報・取引情報をグループ内で共有するためには、個人情報保護法上、必ず本人の同意を得なければならない。
疑わしい取引の届出をした顧客情報・取引情報は「個人データの第三者提供の制限」の例外に該当すると解されており、本人の同意がなくてもグループ内で共有できる。
問題 5 / 16
マネロン・テロ資金供与対策の対象に含めるべきグループ会社は、犯罪収益移転防止法などで特定事業者とされている会社だけでよいとされている。
法令等にとらわれず、会社の規模や顧客属性等の要因に応じて対策を講じる必要がある。特定事業者かどうかという形式ではなく、リスクで対象を判断する。
問題 6 / 16
対策がグループ全体で有効に働いているかを確かめるための、グループ間の情報共有の仕組みづくりについても、グループの統一方針に盛り込む必要があるとされている。
基本的な事項をグループ全体の統一方針として定めることに加え、有効に機能していることを確認するための情報共有態勢まで方針に含める。作って終わりでなく「効いているかの見える化」までが方針の中身である。
問題 7 / 16
グループ各社に求められる対策の水準は、各社がそれぞれのリスクに応じて自由に決めてよく、グループ全体を監視する本社の統括部署から承認を得る必要はないとされている。
各社に求められる水準もリスク等に応じて個別具体的に判断するが、その判断はグループ全体を監視している本社のグループ管理を統括する部署の承認を得る必要がある。「各社の裁量に丸投げ」は誤り。
問題 8 / 16
持ち株会社の傘下にある各金融機関等や、資本関係のある銀行・証券会社などは、「金融機関等がグループを形成している場合」に当たると考えられている。
グループの範囲は持分割合で機械的に決まらず、各社のリスク等に応じて個別具体的に判断される。その判断のイメージとして、持株会社傘下や資本関係のある銀行・証券会社などが例示されている。
問題 9 / 16
金融商品取引法上のファイアーウォール規制には適用除外の規定があり、マネロン・テロ資金供与対策の実効性を確保するためにグループ内の情報共有態勢を整えることはこれに当てはまるため、顧客からあらかじめ書面での同意を得ていなくても非公開情報をグループ内で共有できるとされている。
法令遵守のために必要な情報共有態勢の整備は、ファイアーウォール規制の適用除外規定に該当し、事前の書面同意なしに共有可能と考えられている。
問題 10 / 16
海外拠点が置かれている国・地域の法規制等の水準が日本ほど厳格でないとき、その拠点は現地の法規制等さえ満たしていれば、マネロン・テロ資金供与対策として十分である。
日本より緩い場合は、日本の金融機関等グループ全体の方針・手続・計画等を適用する。それが現地の法令で許容されない場合は、日本の当局に情報提供を行う。
問題 11 / 16
外国の金融グループが日本に置く拠点には、グループ全体のリスク管理態勢や、コルレス先を含めた日本国内の金融機関等との取引の状況について、当局などの関係者に対して説明責任を果たすことが求められる。
在日拠点に求められる「対応が求められる事項」のひとつ。当局等の求めに説明できない場合は、相応の行政対応の可能性もある。
問題 12 / 16
海外拠点等を有する金融機関等グループは、各海外拠点に内在するリスクの特定・評価を行って可視化したうえで、リスクに見合う人員配置を行うなど、グループ全体での適切な低減措置を講ずることが求められている。
海外拠点のリスクを可視化し、人員配置などリスクに見合う低減措置をグループ全体で講じる。現地任せにしない点がポイント。
問題 13 / 16
企業の買収などによって新たにグループを形成することになる場合には、買収に先立って、相手先にどのようなマネロン・テロ資金供与リスクがあるかを分析・検証しておく必要があると考えられている。
グループ全体としてのリスク評価は、いま形成しているグループだけでなく、これから加わる会社にも及ぶ。買収後に高いリスクが発覚してからでは遅い、という発想である。
問題 14 / 16
グループベースの管理態勢の対象となる「海外拠点等」には、現地法人と海外支店が含まれ、営業活動を行わない駐在員事務所は含まれないとされている。
一般的に現地法人・支店・駐在員事務所等が含まれると考えられている。ただし最終的には、各拠点の業務内容を勘案したリスク等に応じて個別具体的に判断する。
問題 15 / 16
海外拠点が現地の監督当局からリスク管理態勢に関する検査や行政処分を受けた場合には、本店やグループ本社がすみやかに報告を受け、指摘された事項や処分に対する対応を行うことが考えられるとされている。
海外拠点等を有するグループは、各拠点に適用される法規制等と整合するように対策を講じる必要がある。現地で起きたことを現地限りにせず、本社が把握して対応する。
問題 16 / 16
海外拠点の属する国・地域のマネロン・テロ資金供与対策に係る法規制等が日本よりも厳格である場合でも、グループとしての統一を優先し、日本の水準に合わせた対応をとれば足りるとされている。
現地の法規制等が日本より厳格な場合に、その拠点が現地の法規制等を遵守するのはもとより当然とされている。「緩い場合は日本水準・厳しい場合は現地水準」=常に高いほうに合わせると覚える。
第5章 管理態勢
第5章 管理態勢
グループベースの管理態勢
問正解 / 16問中
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✅ まとめ・要点整理

グループベースの管理態勢 まとめ
  • 方針・手続・計画等はグループ全体で整合的に策定・実施(各社の自主対応✕)
  • グループの範囲=リスク等に応じて個別判断(持分割合で機械的に✕)
  • 疑わしい取引の届出情報=個人情報保護法の例外→本人同意なしで共有可
  • ファイアーウォール規制=適用除外→事前の書面同意不要
  • 現地規制が日本より緩い→日本水準を適用、許容されなければ日本の当局に情報提供
  • 外国金融グループの在日拠点→当局等への説明責任
  • 対象範囲は特定事業者限定でも持分割合でもなく、リスク等に応じ個別判断(水準の判断は本社統括部署の承認)
  • 買収前に買収先のリスクを分析・検証/海外拠点等=現地法人・支店・駐在員事務所等
  • 現地規制が日本より厳格な場合は現地規制を遵守(当然)。緩い場合は日本水準+許容されなければ日本の当局に情報提供
「機械的に判断」「自主対応に委ねる」「現地基準でOK」「特定事業者だけ」が出たら✕。
規制水準は常に高いほうへ=グループは一心同体、と覚えましょう。
試験、頑張ってください‼
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