~ようこそ、自習部屋へ~  なにから始める?

AML/CFTスタンダードコース 難しい?受かる人と受からない人

朝の草原で、木の道しるべを見上げるうさぎのきなこ(AML/CFTスタンダードコース 試験ガイド)

記事内に広告を含みます

📝 オリジナル解説/現役銀行員の実体験

同じ問題集を使って勉強しているのに、一発で受かる人と、なかなか受からない人に分かれるのはなぜでしょうか。試験そのものが難しいというより、準備の設計が違うのだと私は見ています。銀行の現場を約30年見てきた現役銀行員で、この試験に一発で合格した私が、落ちやすい勉強のやり方と、受かる人がやっている攻め方を、章別配点などの実データに基づいて解説します。すでに勉強を始めている人も、これから始める人も、自分のやり方の点検に使ってください。

前提:どんな試験かを30秒でおさらい

項目内容
主催きんざい(一般社団法人金融財政事情研究会)
「金融業務能力検定」シリーズ
方式CBT方式
(テストセンターのパソコンで受験)
出題四答択一式50問・試験時間100分
合格基準100点満点で70点以上(絶対評価)
受験料5,500円(税込)
試験概要(2026年7月時点・きんざい公式サイトより)

まず押さえたいのは、満点を取る競争ではなく、70点に届けば全員が合格する絶対評価の試験だということ。つまり「どの30点を捨てて、どの70点を確実に取るか」という時間配分の設計が、そのまま合否に直結します。落ちる人と受かる人の差は、頭の良さよりも、この設計の差だと私は見ています。申込方法や当日の流れは試験の申込ガイドにまとめています。

落ちる人の特徴:5つのパターン

職場で受験する人を何十人と見てきましたが、合否に学歴は関係ありませんでした。誰もが名前を知っている有名大学を出た人が、勉強しないまま受けて落ちる。逆に、ふだん目立つタイプでなくても、仕事も勉強もコツコツ積み上げる人が、一度で受かる。分かれ目は地頭の良さでも、仕事ができるかどうかでもない。この試験の中身に合わせた準備をしてから受けたかどうか。あくまで何十人かを見てきた私の体感ですが、ほとんどそれだけだと思っています。

自分のことも書いておきます。私は外国為替を窓口も含めて約20年やってきましたが、本番では外為法(外国為替及び外国貿易法)の問題を落としました。その法律がいちばん近くにある仕事を、約20年してきて、です。外為法・外国為替検査の一問一答で確かめてみると、実務の感覚だけでは答えられない問われ方をしているのが分かると思います。実務でやっている分野ほど「知っているはず」で読み飛ばしてしまう。落ちる人の話をする前に、まず自分がそうでした。

そのうえで、職場で受験する同僚を見ていて、また自分の受験勉強を振り返って、「これをやると届かない」と感じるパターンは次の5つです。すでに一度受けて届かなかった方は、不合格だった方の立て直し方をまとめた落ちたら、次にやることもあわせてどうぞ。

特徴1:テキストを最初のページから精読する

いちばん多いパターンです。まじめな人ほど、第1章の1ページ目から線を引きながら精読を始めます。ところが章別の配点を見ると、前半の第1〜3章は合計32点、後半の第4〜7章は合計68点。前から順に読む勉強は、配点の小さい方に体力と時間を先に使う進め方です。精読が悪いのではなく、精読で力尽きて、配点の大きい後半が手つかずのまま試験日を迎えるのが問題です。

特徴2:問題集を1周しただけで本番に行く

公式の試験問題集は項目ごとに四答択一1問の構成なので、1周すると「全部やった」気分になります。しかし1周目で正解した問題には、消去法でたまたま当たった問題が必ず混ざっています。四答択一は選択肢を2つまで絞れれば50%で正解できてしまう形式。「解けた」と「理解した」のずれに気づかないまま本番に行くと、少し言い回しを変えられただけで落とします。そもそも問題集を1周もしないまま受けて、3回届かなかった人も知っています。仕事のできる人でした。それでも、この試験は解いた問題の数が、そのまま結果に出ます。

特徴3:配点を知らずに、全部の章へ均等に時間を配る

章ごとの配点は試験要項には出てきませんが、受験後に受け取るスコアレポートに章別の内訳が表示されます。私のスコアレポートに基づくと、配点は次のとおりです。

配点
第1章 金融犯罪12点
第2章 FATF10点
第3章 国内法規制等10点
第4章 リスクベース・アプローチ20点(最大)
第5章 管理態勢12点
第6章 顧客管理18点
第7章 疑わしい取引18点
章別配点(100点満点):筆者が受験した際のスコアレポートに基づく

この表を知らずに7つの章へ均等に時間を配ると、10点の第2章に、その2倍の価値がある第4章と同じ時間を使うことになります。かけた時間と取れる点数が比例しない勉強になってしまうわけです。

特徴4:「義務」と「期待」を区別せず、全部まとめて暗記する

この試験のルールには、性質の違う2種類があります。ひとつは犯罪収益移転防止法などの法律上の義務(取引時確認など)。もうひとつは金融庁の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」が示す「対応が求められる事項」と「対応が期待される事項」です。全部を「やらなければならないこと」とひとくくりに暗記すると、「期待される事項である取組みを、法律上の義務であるとする選択肢」のようなひっかけを判別できません。どのルールが法律の義務で、どれがガイドラインの求め・期待なのかという出どころの区別こそ、この試験の得点源です。

※この「対応が期待される事項」という区分は、2026年3月31日に適用された改正金融庁ガイドラインで削除され、「対応が求められる事項」のガイドラインFAQへ移されています(問題集2026第3章3-13の解説参照)。試験では問題集の記述どおりに答えてください。

特徴5:数字と「誰がやるのか」をあいまいなまま覚える

取引時確認が必要になる金額の基準、記録の保存期間、そして「経営陣の役割か、担当部門の役割か」。四答択一の選択肢は、こうした数字と主語を少しずつずらして並べてきます。「たしか200万円くらい」「どこかの部署がやる」という粒度の記憶は、本番では選択肢を絞る役に立ちません。

一発で受かる人の特徴:4つの攻め方

裏返すと、受かる人のやり方はシンプルです。私が一発合格につながったと思っているものと、いま受けるならこうする、を4つ挙げます。

攻め方1:配点の大きい章から手をつける

先ほどの配点表のとおり、最大の第4章リスクベース・アプローチが20点、第6章 顧客管理と第7章 疑わしい取引が各18点。この3つの章だけで56点、合格ライン70点の8割に届きます。残る14点を第1〜3章・第5章(合計44点分)から拾えばよい、と考えると、勉強の優先順位は自然に決まります。第4章から始めて、第6章・第7章、その後に残りの章、という順番が私のおすすめです。

攻め方2:読む勉強より、解く勉強を中心にする

受かる人はテキストを「読む」時間より、問題を「解く」時間が長い。できない問題に時間を集中させるほうが、同じ勉強時間で確実に点が伸びます。私がやったのは、間違えた問題に付箋を貼って、また間違えたら付箋をずらしていくやり方でした。くわしい回し方は約2週間で一発合格した勉強方法に、付箋メソッドの全手順として残しています。

【PR】▼ 演習の軸になる公式問題集(税込2,640円・2026年7月時点)
Amazonで『2026年度版 AML/CFTスタンダードコース試験問題集』を見る
楽天ブックスで『2026年度版 AML/CFTスタンダードコース試験問題集』を見る
Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。

攻め方3:ひっかけの言い回しを先回りして覚える

出題者がひっかけを作るときの型は、だいたい決まっています。「期待される」を「求められる」や「義務」にすり替える。「できる」を「しなければならない」に変える。例外があるルールを「すべての場合に」と言い切る。勉強の段階からこの型を意識して、語尾と限定の言葉(すべて・直ちに・例外なく、など)に反応する癖をつけておくと、本番で選択肢の違和感に気づけるようになります。実際、私の受験でも言い回しや細かな内容を置き換えた選択肢は、かなりありました。しかも同じ日に受けた人と問題が違っていたので、先に受けた人に聞く対策も使えません(→同じ日でも、出てくる問題は違うようです)。

攻め方4:太字と新しい項目を「出題者からのメッセージ」として読む

2026年度版の問題集では、解説の重要な語句が太字で強調されるようになりました。また、年度版の改訂で新しく増えた項目もあります。私が使ったのは2024年度版で太字はありませんでしたが、いま受けるならここを真っ先に押さえます。太字と新設項目は、作り手が「ここを覚えてほしい」と示しているサイン。限られた時間で優先的に押さえるべき場所を、教材そのものが教えてくれていると考えると、暗記の的が絞れます。古い年度版で勉強している方は、2026年度版で変わったところを章ごとにまとめています。教材だけでなく法令のほうも2026年に変わっているので、古い版のまま覚えると、答えが変わった論点をそのまま間違えます。

解けるつもりが本当に解けるか、一問一答で試す

ここまで読んで「自分は大丈夫だろうか」と思ったら、章ごとの○✕一問一答で確認するのが早道です。当ブログでは問題集の全範囲を○✕形式に展開しています(登録なし・スマホ対応)。○✕形式は1文ごとに正誤を判断するので、四答択一と違って、あいまいな知識がそのまま結果に出ます。まずは配点最大の第4章からどうぞ。

章ごとの一覧と学習の順番は一問一答トップにまとめています。全7章分の一問一答(登録なしで解ける・各章の総合演習つき)が、そこからすべて開けます。

学習の順番や記事の全体像は合格ガイド(まとめページ)で案内しています。

まとめ:合否を分けるのは頭の良さではなく設計

  1. 受からない人に共通するのは「前から精読・1周で満足・配点を知らない・義務と期待をひとくくり・数字と主語があいまい」の5つ
  2. 受かる人の攻め方は「配点順(第4章→第6章・第7章)・解く勉強中心・ひっかけの型を先回り・太字と新設項目を優先」の4つ
  3. 70点で全員合格の絶対評価だからこそ、確実に取る70点の設計が合否を分ける

やり方さえ整えれば、まとまった勉強時間が取れなくても十分に手が届きます。試験勉強に疲れたら、息抜きコラムで気分転換して、一息ついてください。これからも学習、頑張ってください!!

配点最大の第4章から、○✕クイズで力だめし
一問一答クイズへ

公式情報・出典(別タブで開きます)