AML/CFTスタンダードコース(マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の知識を問う検定試験)の勉強方法を、すきま時間だけの約2週間で一発合格(100点満点中80点)した実体験そのままに公開します。書いているのは、銀行の現場で約30年(うち外国為替関連実務約20年)の現役銀行員です。勉強時間のつくり方、問題集の回し方(付箋メソッド)、どの章から勉強するか(章別配点表つき)、そして試験当日の注意点まで、この1記事にまとめました。
試験の全体像(申込方法・出題形式・学習ステップ)から知りたい方は、ゼロから一発合格までのロードマップもあわせてどうぞ。
私が受験したのは2024年度版のときですが、この記事の勉強法は2026年度版でもそのまま使えます。2026年度版(法令基準日2026年7月1日)では、「匿名・流動型犯罪グループ」や「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画」などの項目が新しく加わりました。変更点のくわしい一覧は公式問題集のレビュー記事にまとめています。
教材は公式問題集1冊。ただ、最初のページを開くまでが長い
私が使った問題集はこちらです。試験はこの公式問題集がそのまま出題範囲になるので、まずはこれを手に入れるところから始まります。2026年度版は2026年6月に発行されました(毎年6月に新版が出ます)。
正直に書くと、この本はぱらぱらめくった時点で身構えます。四答択一といっても、問題文そのものが何行も続く読み物のようなつくり。解説はさらに長く、何ページも文字が続きます。白黒のページに、漢字が並んだ長い法律名、聞き慣れないカタカナ、アルファベットの略称。しかもどこが重要なのか、見ただけでは分かりません。
職場でも「そろそろ始めないとね」と言い合いながら、みんな最初の1ページで止まっていました。私も、1ページ開いては「もう少し近くなってからでいいか」とそっと閉じる、を何度か繰り返しています。
そんな状態から、どう立て直したのか。ここから順に書いていきます。
私の勉強時間は約2週間。すきま時間の活用で一発合格できた
私の勉強時間は約2週間でした。もともと業務で使用していた知識が少しはあるので、無事一発合格できましたが…運が良かったのかも、と思っています。
上司や先輩方が、「舐めてると落ちる!」と言ってたのは嘘ではなかったな、と私も実感しました。
約2週間、勉強時間はこうやってつくりました。
| いつ | 何をしたか |
|---|---|
| 通勤電車(片道1時間半) | ひたすら問題集。ただし座れない日はあまりはかどりません… |
| 昼休み | 問題集の続き |
| 夜(家事が終わって家族が寝た後) | その日に間違えた問題の解説をじっくり読む |
| 家事をしながら | 食事をつくりながら、食器を洗いながら、動画や問題を耳と頭で回す |
机に向かう時間だけが勉強時間ではありませんでした。夜は家事が終わって家族が寝たあとがようやく自分の時間で、そこまで待てない日は、食事をつくりながら、食器を洗いながら動画を流していました。手はふさがっていても耳は空いています。机に向かうまとまった時間はほとんど取れませんでしたが、それでも、すきま時間の積み重ねだけで約2週間。同じように仕事や家事のあいまに受験する方の目安になればうれしいです。
ひとつだけ、こまかい話を。電車で問題集を開くのは、正直なところ気が引けました。表紙には試験名、裏表紙には各章の題名。開いていなくても、金融機関で働いていることが周りに知られてしまいそうで落ち着かなかったのです。そこでカバーを自作しました。使ったのは、大好きな千疋屋の包装紙。緑の地にバラが描かれた、捨てるには惜しい紙でした。あれをかけてからは、気兼ねなく開けるようになりました。だれもそんなに見ていないような気もしますけどね(笑)
どの章から勉強する? 章別配点表で戦略を立てる
やみくもに最初のページから進める前に、知っておいてほしいのが章ごとの配点です。実際のスコアレポートで確認できた配点は次のとおりです。
| 章・分野 | 配点 |
|---|---|
| 第4章 リスクベース・アプローチ | 20点 |
| 第6章 顧客管理 | 18点 |
| 第7章 疑わしい取引 | 18点 |
| 第1章 金融犯罪 | 12点 |
| 第5章 管理態勢 | 12点 |
| 第2章 FATF | 10点 |
| 第3章 国内法規制 | 10点 |
| 合計 | 100点 |
第4章・第6章・第7章の3つの章だけで56点。合格ラインは70点なので、配点の大きい章から固めるのが最短ルートです。
実際に解いた実感も添えておきます。第1章(金融犯罪)と第2章(FATF=金融活動作業部会)は問題集の前のほうにあるので、勉強の序盤で覚えてしまえば確実な得点源にできる、いちばん取り組みやすい章でした。逆に第5章(管理態勢)から後ろは1問1問の文章が長くて、私はひたすら眠気と闘いながら解いていました…。だからこそ、文章の重い章ほど、頭が元気なうちに・一問一答のような短い形式で、少しずつ削っていくのがおすすめです。
章ごとの学習順序と全記事の一覧は一問一答トップにまとめています。当サイトには全7章ぶんの一問一答(登録なしで解ける・各章の総合演習つき)がそろっています。
私の勉強方法(付箋メソッド)の全ステップ公開
とはいっても、合格はしたので…私の勉強方法を公開します。
使った教材は、さきほどの問題集1冊だけ。やり方をひとことで言うと「間違えた問題に付箋を貼って、間違えるたびに付箋をずらしていく」。名づけて付箋メソッドです。ポイントは付箋の向きで、不正解の問題には横向き、解説がよくわからない問題には色違いの付箋を縦向きに貼ります。こうしておくと、あとから見たときに「解き直す場所」と「読み直す場所」がひと目で分かれます。まとめると次の5ステップです。
| ステップ | やること |
|---|---|
| STEP1 | 1回目の通し。不正解の問題に横向きで付箋を貼る。 「解説がよくわからない」問題には、色違いの付箋を縦向きで貼る |
| STEP2 | 縦付箋のページは解説を読む。解き直すのは横付箋の問題だけ。再度間違えたら付箋を1段ずらし、正解できたものはそのままにしておく |
| STEP3 | 2回目の通し。1回目に正解できたのに間違えた問題にも、新しく付箋を貼る。解けても解説まで読む |
| STEP4 | 付箋の問題をもう一度。ここまでで、間違え続けた問題は4回以上解いていることになる |
| STEP5 | 3回目の通し。不正解は1割ほどに。それでも覚えられないことを1枚の紙に書き出し、試験当日の電車で最終確認 |
「通しで1周」と書くと身構えてしまうかもしれませんが、まとまって何時間も確保したことは一度もありません。家族のこと、子どものこと、家事、買い物など、いろいろな日常タスクがありますし、日々のリラックスタイムは犠牲にしたくなかったので、ドラマを見たり、家族と会話したりは普段どおりでした。その代わり、わずかなすきま時間を見つけては、1ページだけでも先に進めていくことに努めていました。
10分あるからできるところまでやろう、5分しかないから解説だけ読もう。そのとき空いている時間で、できる分だけ進める。それだけです。まとまった時間が取れないから無理だ、と思っている方こそ、この進め方が向いています。
当時の記録を、時系列のままここに残しておきます。
不正解の問題には横向きに付箋。解説が長く、良く分からないところには、別の色の付箋を縦向きに貼っておく。
みんなご存じ、あの本です。
→全く理解はできず
この頃は、とてもよい睡眠導入本、と化しましたw
YouTubeに動画があるのを発見!
公開されている部分のみ通勤時間中に繰り返し視聴。
再度不正解なら、付箋を1段ずらして貼る
正解したものは、付箋をそのままにしておく
新たに不正解になったものにも付箋をつける
1回目&2回目不正解の問題も解き、また間違えたものは付箋をさらにずらす
正解した問題も、解説をしっかりと読むけれど、まだ理解はできず。不正解は2割ほど。
解き終わる頃になると、問題を覚えてきてしまいました…なので、よりしっかりと解説も読むようにしました
有料登録したのはテスト6日前の深夜。5日間、通勤電車で2倍速で有料部分を繰り返し視聴。
登録した理由は、問題集は回せているのに、まだ「わかっている」気がしなかったから。通勤中はイヤホンで動画の音声だけを聞いて、耳から復習していました。
テストは土曜日でしたが、その直前の月曜日~金曜日はお昼休憩中も、食器を洗うときにも動画を観てました。
隙間時間を有効活用しました。
この段階で、不正解は1割未満になっていました。
こんな感じでした。
当時の私は動画に助けられました(公開されている部分を通勤中に繰り返し視聴→不安になって試験5日前に有料登録)。今はこのサイトに、全7章・総合演習つきの一問一答が、登録なしですべて解けます。通勤中のすきま学習には、ぜひこちらを使ってください。まずは第1章① マネー・ローンダリングとは(3つの段階)からどうぞ。
直前対策は「覚えられないこと」だけを1枚の紙に
試験の直前には、何度解いても不正解のままで付箋がずれ続けた箇所だけを抜き出して、1枚の紙に書き出しました。試験会場に向かう電車の中で見ていたのは、この1枚だけです。
参考までに、私の「1枚紙」に書いてあったのはこんな内容でした。
- FATFの年表と、それぞれの時期の方針(→第2章② 勧告の変遷)
- 対日相互審査の「技術的遵守」と「有効性」の評価ランクと数(→第2章⑤・第2章⑦)
- APG(アジア・太平洋マネー・ローンダリング対策グループ)のこと(→第2章① FATFと類似の国際組織)
- 法律上の義務と努力義務の区別、特定事業者に義務づけられた書面・記録のこと(→第3章 国内法規制)
- 内部管理態勢のこと(→第5章 管理態勢)
- 検挙事例でいちばん多いのはどの事件か(→第1章③ 検挙事例)
- 疑わしい取引の届出のうち、銀行など預金取扱金融機関が占める割合(→第7章 疑わしい取引)
数字・年表・組織名など「理屈ではなく覚えるしかないもの」が最後まで残る、ということですね。当サイトの一問一答が章別に分かれているのは、まさにこの「覚えられないところだけ繰り返したい」に応えるためです。
試験当日のリアル。時間配分にはくれぐれも注意
なにより、時間配分を間違えるという、大失態。ゆっくりじっくりと解きすぎてしまいました…
残り時間が半分になったところで、いまだ半分以上の問題を解いていないという状態でした。時計を見て時間があまり残されていないことに気付いた時は、さすがに焦りました…。
前半には引っかけ問題が多くありました。集中しすぎて時間配分を間違えたお陰でうまく気づけましたけど。わからない単語、初見の言葉等、沢山でてきました。
出題形式や受験料などの正式な情報はきんざい公式の種目別ガイドで確認できます。試験時間は100分で50問、単純計算で1問2分です。私のように、ただでさえ試験でドキドキしてるのに、後半焦りまくることのないように。時間配分にはくれぐれも気をつけてください!
テストセンターの様子
試験はCBT方式(テストセンターのパソコンで受験する方式)です。申込や会場の空き状況はCBT-Solutionsの受験者ポータルから確認します。テストセンターに着くと、テキスト等を確認する時間はなく、室内に入るとすぐ受付が。受付し受験方法の説明をしていただいた後に、全ての荷物をロッカーに入れ、すぐに試験開始でした。
私が受験したのは、山手線のターミナル駅のテストセンターでした。AML/CFTスタンダードコースの受験者だけではなく、他のDX系の資格だったり色々な方が同じ部屋でCBT受験します。各々入室した時間からそれぞれのテスト時間までですので、入退室は多く気になる方は気が散るかもしれない環境でのテストです。
しかも、私の隣の方は、とてもうるさくて。
頭をぐしゃぐしゃとかきみだす。ずっと貧乏ゆすり。椅子にこれでもかというくらいもたれかかったかと思えば、急に行儀よくなる。座り直すときの動作もいちいち大きい。足は4の字固めのような組み方で、机の下にまったく収まっていません。そしてため息。
はっきりいわせていただくと、本当にウザかった!
しかし、受付にご自由にお使いください、と小さなかごに耳栓を用意くださっていたものをひとついただいたので、音に関してはだいぶストレス軽減されていたかと思います。耳栓、ぜひ使ってください!
そして、結果は…
100点満点中80点でした。
ふぅ、めでたしめでたし!
まとめ:今日から始めるなら、この順番で
- 公式の試験問題集を用意する(買うべきかどうかはレビュー記事で正直に書いています)
- 章別配点を頭に入れて、配点の大きい第4章・第6章・第7章から固める
- 通勤などのすきま時間は、当サイトの一問一答で(まずは第1章①から。全体の順序は一問一答トップへ)
- 仕上げに各章の総合演習で力試し(例:第1章 総合演習・第2章 総合演習)
- 直前は「覚えられないことの1枚紙」を作って、当日の電車で最終確認
すきま時間の積み重ねで十分に合格できる試験です。あなたの合格を応援しています!
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試験対策には公式問題集が最適です。試験の傾向をつかむのに役立ちます。

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ちなみに、試験内容とはまったく関係ないのですが、私が使った包装紙はこれです。(→ パティスリー銀座千疋屋 銀座ガトーセレクション の包装紙です)親戚にお中元を贈るタイミングで、自宅用にも買ってしまうほど好きなお店です。

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